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2019年1月 7日 (月)

売り切るメリット

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


年末年始商戦。

  一年で一番の売上を記録する期間。

そして、一年で一番普段売らない商品を品揃えして売上と利益を生む期間でもある。

  普段売らないから際物とも言われる。

際物。

  その期間以外は需要のない特別品。

鏡餅から〆縄飾り、そしておせち材料等々。

  そのほとんどはこの期間のみの販売に終始する。

よって、元旦や正月期間を休業するしないに関わらず、際物が際物としての商品価値があるのはその期間内のことである。

  よって正月以降からは商品価値が急低下するのである。

概ねの際物はある程度の値入れが組み込まれているもの。

  よって正価で完売できれば大きな利益を生み出す。

しかし、正月以降の価値は大幅に下がるため、如何に年内で売り切るかが大きなポイントとなる。

  よって31日の大きな決断は値下げのタイミング。

お客様が多く来店される時間帯に手を打たねば、31日の客引きはあっという間に到来しあっという間に閉店となる。

  若干早めでも思い切って値下げを断行し売り切ることが求められる。

際物を半額で売り切るか、それとも3割引にてある程度売り切り、残りを正月以降に持ち越すか。

  どちらが正しいのであろうか。

正しい = 高い利益を残すか、と言う選択で言えば、間違いなく前者である。

  こんな膨大な在庫を半額で売り切るの?。

そんなことをしたら勿体無いのではないか?。

  そんな思惑を持たれる方が多いと思われる。

しかし結果は逆だ。

  多少なりとも在庫を抱えれば年始に売ることになる。

年始で半値で売れれば良い方だ。

  そのほとんどは半額の半額以下でなければ売り切れない。

結果として、後日に相当な値下げと廃棄が待つことになる。
その結果、25日から1月5日までのロス額とロス率を比較すると、明らかに31日で売り切った方に軍配が上がるのである。

  際物はお客様が価値を見出して頂ける時までが勝負。

よって、おせちよりももっと早く価値がなくなる用品である「〆縄飾り」や「鏡餅」は30日での売りきりが求められるのである。

  29日〜1月3日までの劇的な買い物動向。

日々の売れ筋の変化と売りきりのタイミング。
そしてその見極めが利益を生むのである。

  値下げは勿体無い。

それは日々の生鮮の売りきりにも現れるが、どこまで売ればれば仕入れ金額をちゃらでき、どこから先の売上が利益となるのかと言う発想を持つことが大切なのであり、雑貨やグロサリー品で腐らないからと言う発想は捨てるべきであり、結果として新年にふさわしい商品を全面に押し出して売場作りをできない状況となってしまうだろう。





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コメント

パセリさん、コメントありがとございます。
→お客様への裏切り行為。
確かに心が痛みますね。
ただ、商品の価値とい側面で考えていくしかないと思います。際物の時間的な商品価値が現在いかほどなのか?。よって、その価値と現在の価格をマッチさせながら閉店までに売り切ることが出来なければその際物は廃棄となっていく。そのせめぎ合いが12月31日に課せられた我々の使命なのかと。

投稿: てっちゃん | 2019年1月13日 (日) 06時22分

キワモノの恐ろしさ…
本当に、年が開けて、売り場になければ、これほど、幸せなことはないです。
ただ、派手な値引きほど、定価でお買い上げいただいたお客様への裏切り行為に思えて、心が痛みます。

投稿: パセリ | 2019年1月12日 (土) 11時23分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
キワモノほどコト。
まさにその通りだと思います。
かって、某練製品メーカーが年神様を打ち出した時のおせちの販売金額は度肝を抜かれるほどの効果でしたね。
しかしなぜか今年はおせち、鏡餅、〆縄が伸びた年となりました。これも平成最後というコト力なのでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2019年1月 9日 (水) 00時01分

精肉の加工品にも言えますかね。クリスマスの残を年末まで引っ張る。確かにお正月も洋風化してきてはいるのでおせち、オードブルなどメニューの見える化の提案をすれば動きも変わるとは思うのですが。あちらの会ではカニの解凍方法で盛り上がっていましたが際物こそコト力による購買動機付けが大切だなと感じました。

投稿: dadama | 2019年1月 8日 (火) 11時01分

k.kさん、コメントありがとうございます。
それらのお店で販売されている在庫の消化次第で1月の荒利率が大きくぶれる要因となりますね。12月の棚卸しで荒利率が出ても1月で大きく下がってしまうもの。要注意です。

投稿: てっちゃん | 2019年1月 8日 (火) 06時55分

今日近隣競合何店か見てきました。一万円近いカニがリーチインに50パック山盛りある店。塩数の子が定価である店、身欠きにしん本乾が提案なしで一角を占領してる店。一尾500円の有頭海老が下段満載の店等。皆やっちったなと思います。うちも昆布巻き満載ですが(笑)たるタコ定価の店もありました。在庫にしてても回転しないから、場所がもったいないですよね。そう思うのは私だけでしょうか?因みに昆布巻きは勿論原価関係なく売れる値段で出してます、早く無くなるといいな

投稿: k、k | 2019年1月 7日 (月) 21時03分

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