季節に応じた強化カテゴリー
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
秋から冬へ。
ようやく初雪の知らせも届いてきた今日この頃。
暖冬との噂もあるが、こればかりは年明けになってみないとわからない。
暖冬と言われても集中的に豪雪になる地域は毎年ある。
日本は、この四季が明確であり、猛暑もあれば厳冬もある。
この四季のおかげで豊富な料理メニューが存在するのだろう。
その季節ごとのメニューへの提案のために、その時期に採られた食材を提案し、その時期のメニューを食して頂くために我々は日々の売場作りをして提案する。
例えば、春には旬の山菜等の天ぷらメニューを提案したり、冬から春への気温の上昇に合わせてお漬物の売り場が立ち上がり、ひな祭りに代表されるイベントにもチラシ寿司材料やハマグリのお吸い物等の提案をしていく。
夏になれば生食の提案としてのお刺身の強化。
そんな四季の流れの中で、その四季に合わせた強化カテゴリーが生まれていく。
夏の生食、冬のホットメニュー。
それは、どの部門でもおおよその区別の中でそんなテーマに沿ったカテゴリーを強化していくものだ。
そして、かってはどのスーパーも春夏秋冬ごとに売場のレイアウトを変更し、定番売場から棚替えをして季節にあった定番売場を実現させてきた。
それがいつしか年に二度の夏冬型へ。
さらに最近では年中同じレイアウトで、イベント時のお盆や年末のみ売場を本格的に変更するスタイルが定着してきた。
それだけ季節対応するほどの商品動向の変化が無くなったということでもある。
しかし、年中同じレイアウトで売場作りをしていくと、売場管理や日々の売場作りは非常に楽になっていくが、大切なのは、年中同じ商品が同じ売場に並ぶということに、販売する側が慣れきってしまい、季節感の無い売場作りや販売計画に陥っていくということである。
これからは冬型の季節である。
しかし、相変わらず刺身を客導線のトップに配置し、本来秋冬で強化すべきカテゴリーの「切身」「丸魚」「鍋材」といった秋冬型商材が最終コーナーに配置されているという現実すら違和感の無い売場として受け入れてしまうことであろうか。
結果、刺身のロス増大、ホットメニューのチャンスロス。
または、そんな現実が既に起こり始めているにも関わらず、そのことがお客様の買い物動向から見えてこないと嘆く売場責任者の言葉になって出てくるのであろう。
そういう意味では、同世代の担当者まで遡ると、そんな時代を経験しているだけに売場は変わらずともお客様の動向を肌で感じ、タイムリーにそのカテゴリーを強化した売場作りに力を入れる。
同じ部門のカテゴリーにも、夏場に強いカテゴリーもあれば冬場に強いカテゴリーもある。
季節に応じてそれらのカテゴリーを使い分ける。
だから、所有するすべてのカテゴリーに意味があり、その意味を理解して季節に応じて活かしきれる能力が必要なのである。
所有するすべてのカテゴリーを活かせる能力。
それが販売技術でもあるのだ。
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コメント
sakaeさん、コメントありがとうございます。
全店1位を目指す。
非常に大切なことだと思います。
他社やこの会での情報を参考に自店の売場作りに引用し検証しまた次への仮説から行動する。本当に年末が楽しみですね。
投稿: てっちゃん | 2018年11月22日 (木) 07時36分
お気遣いありがとうございます。
今年の年末はこのブログで学んだこと、てっちゃん会で学んだことを活かして、全店で1番の売場と売上を目指します。特に牛肉だけは負けたくありません。今から年末が楽しみです。
投稿: sakae | 2018年11月21日 (水) 19時03分
sakaeさん、コメントありがとうございます。
そちらは年末年始の盛り上がりが半端じゃないですから、そいう意味でも四季の強弱やイベント時の強弱の付け方は経験を要するのではないでしょうか。
いよいよ年末へ向けて慌ただしい日々が続いていきますね。体調管理にも気をつけていきましょう。
投稿: てっちゃん | 2018年11月21日 (水) 08時04分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
生鮮はゲリラ戦が主体ですから、相変わらず小型店も対抗できる領域なのではないでしょうか。何れにしても、果実や野菜は天からの授かりものの上に、市場という人との関わりを通して流通するカテゴリー。ゲリラ戦は必至ですね(笑)。
投稿: てっちゃん | 2018年11月21日 (水) 08時00分
ナリアキさん、コメントありがとうございます。
150坪の繁盛店。
都内にはあると思いますが、地方では600坪の出店攻勢に完全に駆逐されているのではないでしょうか。
ただし、それなりの企業が本格的に150坪〜200坪に着手すれば話は別なのでしょうが、商品の取捨選択はそれこそデータにて検証していく必要があると思われますね。
投稿: てっちゃん | 2018年11月21日 (水) 07時55分
精肉部門はてっちゃんさんがおっしゃる通りで売場レイアウトの変更はお盆と年末くらいです。ただ、売場レイアウトの変更はしませんが、季節によって売れる商品の発注量を増やしたり、扱う商品を変えることで対応しています。今の時期なら、鶏肉なら手羽元、豚肉ならばら肉の発注量を増やしフェース拡げたり、牛肉ならステーキ、焼肉よりも薄切りで売場を作ったり等です。その強弱を上手に付けられるチーフになりたいと日々奮闘しています。
投稿: sakae | 2018年11月20日 (火) 22時29分
今日も脱線コメントで失礼します(笑)。
てっちゃんが闘志を示すリンゴネタなのですが
ある店舗で地方市場から直送のリンゴを販売して三年目。見栄えも粒ぞろいも悪いですが樹上完熟させたりんご。試食させると必ず買って頂けます。回を重ねる事に完売の時間も早まり。今年も昨年対比200%の売上を達成。
自動発注によるSKUの同質化で金太郎飴のような売場が自社・競合共に出来上がりその先にあるのは価格競争。回転日数の短い生鮮の人気・差別化を如何に成し遂げるのかがこれからの課題でしょうね。悩ましいのは生鮮はゲリラ戦になりやすい事。本部的にゲリラ戦を是とするか否とするか・・・個人的にはゲリラ戦ラ――――ブですが(笑)。
投稿: dadama | 2018年11月20日 (火) 21時56分
自働発注
いい表現ですね。
確かに意思の入らない発注になっており、問屋の庫内在庫管理用の自動発注はいいのですが、数量変動の激しい売り場の自動発注では変数要素がありすぎる為、正確な制御は不可能です。
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それに対応するためにアイテム数を削る方向になっていきます。
それは1品に対する在庫数を増やさなければならいない。自ずとアイテム数は減る。発注点と発注単位と納品タイミングの制御などあればなおさらです。
最近思うのですが、150坪程の売り場で選び込んだアイテムを揃え、人手のかかる運用の方がいいのではないかと思います。
スーパーマーケットは大きくなり過ぎた。これからは、小さな店舗で贅肉を削ぎ落としたお店がベストなのだと考えております。
小さなお店のレイアウトや品揃えはおそろしくセンスがいります。
どこか上手に運用している小型店舗があれば色々紹介してほしいです。
投稿: ナリアキ | 2018年11月20日 (火) 20時40分
ナリアキさん、コメントありがとうございます。
先日のてっちゃん会18幕で自動発注を始動した企業の始動当初の混乱期にシステム部門の所属し店舗への自動発注を普及させた担当者の方の自動発注を軌道に乗せるポイントの報告がありました。
自動発注は自働発注と書くべきだとの報告がありました。
かってに数量が決定されるのではなく、現場のパートさんの意志が入り込んだ仕組みでなければ上手くいかないというもの。なるほどと共感すること然りでした。
投稿: てっちゃん | 2018年11月20日 (火) 15時39分
自動発注が主になると先読みの発注ができないですね。
これまでは人の意思で数量入力ができましたが…。
ある程度季節指数は入りますが機械はなかなか判断できないです。
特に気温の上がり下がりによって明らかに変化しそうだなというのは、経験則でしか判断できないです。
人の肌で感じる感覚というのは、あれが食べたい、これがほしいというのはなんとなくわかるものです。
AIが発注システムに入れば変わると思いますが、うーんどこまでできるでしょうか?
人手がかかる。意思が入る。
人手を省く。意思を省く。
こんな感じでしょうか?
投稿: ナリアキ | 2018年11月20日 (火) 12時49分