商販一致
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
仕入れて、販売する。
我々世代にとっては商売の基本。
自分で仕入れに赴き(市場や問屋へ)、そこで自分の売りたい商品を直接仕入れて販売する。
全てではないが自分で企画したい商品は市場で買い付けた。
自分の意思で仕入れる。
それは、自分の顧客の特性を一番知っている自分が顧客に喜ばれる(売れる)商品を市場に買い付けに行き、そこで市場の担当者との情報交換なり入荷品を直接自分の目で見て判断して何をいくつ仕入れて販売するかを決定した。
だからそこに販売の意志が入り込み売り切る努力をした。
結果的に売り切る努力とは単品量販力を養い、その経験の積み重ねから販売力を他店舗と競い合っても負けない販売技術となって自分に跳ね返ってきたのである。
仕入れと販売。
それはどこまでも一体であり、それが商売の原理原則でもあり、楽しさでもあるのだ。
いつしか市場へ買い付けるという行為も消えていった。
残業の問題、表示の問題、トレーサビリティーの問題、添加物の問題等が、個店の自由な仕入れと販売の壁となった。
当然ながら個店で個人で市場への買い出しは激減した。
それが、現代のチェーンストアの流れであろうか。
そしていつしか商売の原理原則が変化していったのだろうか。
自分で仕入れて自分で販売し、商売の楽しさを満喫するという原理原則が変化してきたのだろう。
バイヤーが仕入れ、店舗が販売する。
仕入れるという行為の奥に横たわる世界。
以前は、その奥の世界が見えていたが、現代ではなかなかそこまで踏み込んで商品を見る機会が減ってきているのだろう。
産地特性、気候特性、品種特性、旬の情報等。
同じ単品でも、その入荷の裏側にはいろいろな情報が潜んでいる。
その情報を認識して販売に活かすから、更にその商品の販売にも意志が入り、販売力を注ぎ込むのであろう。
仕入れと販売。
この連結をどう繋げるか。
これは情報交換などという曖昧なものではない。
個人の強いが意志が仕入れと販売を征してしたのである。
この強い意志をどう連結させるか。
強い意志を持って仕入れる。
同じ強い意志を持って販売する。
この二つをどう役割付けするか。
この二つを二人の人間が分担すれば、理屈上は一人でやり通すよりも仕入れ力と販売力を大いに二つの力の総力を持って容易に可能となるはずなのである。
しかし現実には本来の力を発揮して売り込めないのが現実。
例えば、バイヤーの送り込み。
なぜ店舗はバイヤーの意志を受け付けないのか。
ここに来て、鮮魚の業績が回復基調である。
それは全国的な流れでもあろう。
当然に、その裏側には秋刀魚の豊漁やアニサキス問題の整理が前提にあろうが、それでも上記課題の整理が進んで来たことも大きな要因ではなかろうか。
商販一致。
チェーンストアにとっては、永遠の課題であることは間違いない。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
まさに、dadamaさんのお株を奪われるような本質を突いたコメントの数々。
そんなコメントを受けて返すことの楽しさも満喫しております(笑)。
いよいよてっちゃん会第18幕も迫ってまいりましたね。新しい出会いも今から楽しみですね。
投稿: てっちゃん | 2018年11月 2日 (金) 23時27分
sakaeさん、コメントありがとうございます。
sakaeさんの組織の精肉部門は最強だと思いますよ。現場の人間がバイヤーの為に力を発揮しようと努力する姿勢は、精肉部門のパートさん達にも伝わり、精肉部門が一丸となって取り組む下地ができていると思います。
そんな組織が理想の姿であり、そんな組織で仕事が出来ることが羨ましい限りですね。
投稿: てっちゃん | 2018年11月 2日 (金) 23時24分
ナリアキさん、コメントありがとうございます。
効率化を図る部分と商品価値を高める部分。更にその明確化が求められる時代であり、集客力と利益確保を同時進行で進めなければ生き残れない時代に突入していますから時間との戦いになってきていますね。
とは言いながら、お客様との関係はワントゥーワンの関係が更に必要となっていく時代。ますます複雑な対応を迫られる時代になっていくのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2018年11月 2日 (金) 23時21分
皆さんが書き込んでおられるので簡単に(笑)。職域が違えども全てはお客様の代わりに仕入、販売するのですから、企業の利益のみに捉われると手痛いいっべ返しがくるのでしょう。理想論と言われようが企業淘汰が始った昨今、お客様のマインドシェアが欠かせなくなる。作と演のコンビネーションが真に求められる時代だと思うのです。
投稿: dadama | 2018年11月 2日 (金) 19時26分
バイヤーの送り込み商品は私の部門では少ないです。私はバイヤーが送り込んだ商品や企画はできるだけ成功させたいと思っています。
それはなぜか?バイヤーの人柄です。
私の部門のバイヤーは現場の意見をよく聞いてくれ、現場優先で動いてくれます。商品が売れた時はとても喜んでくれます。そんなバイヤーをがっかりさせたくないから商品の送り込みがある時は売ろうという意思が働きます。他の店のチーフもバイヤーががっかりするような顔を見たくないとよく言っています。
やはり、私達は人間ですから、たとえ上司であっても嫌いな人にはできるだけ協力したくないし、信頼している人には協力したい気持ちが働きます(好き嫌いで仕事をするなと一喝されそうですが)。
店舗がバイヤーの意思を受け付けない答えのひとつとしてバイヤーの現場からの信頼があるのではないでしょうか。
投稿: sakae | 2018年11月 2日 (金) 19時07分
てちゃん様
商販一致の言葉を受けて
商流については、人手不足や物流と製造コストのかかる増加によって、あらゆるものを効率化(場合によっては手抜き)を図っています。
しかし、それは生産者から店舗までの流れの効率化であって、その効率化をお客様に押し付けてはダメです。
バイヤー送り込みに対する店舗側の不満は、どこかお客様のニーズに合っていなくて、売れない溜まるなどがあるからだと思います。
決してそれだけではないと思いますが。
店舗着までの効率化はしなければなりません。ただしお店からお客様へはよりきめ細かくやる必要があるため、非効率化に見えたりしますが、今はそれが一番重要視しなければならないと思います。
効率化による手抜きがお客様に渡らないように、現場はもっと強く意思を持たないといけません。
口コミによる評判をあげる
すごくいいと思います。それは、チラシやネットで商品名と売価をバンバン打ち出すことのアピールではなく、一見非効率に見えるお客様との対話から生まれる、最大のアピールになります。
「あのにーちゃんのお店で買いたい」「あのおかーさんの惣菜好き」「あのオッチャンのすすめる果物は神」
そんな現場にしたいですね。
投稿: ナリアキ | 2018年11月 2日 (金) 10時24分