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2018年11月28日 (水)

足し算・引き算

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日の店長会での話題。

  足し算・引き算。

「足し算?、引き算?、そんなの小学校で学んだわい!」。

  別に皆さんをナメた訳ではない(笑)。

先日の店長会で、話題になった項目である。

  商売には「足し算型」と「引き算型」が存在する。

特に、現場で働く担当者の場合は、その性格がモロに売場に反映され数値に反映されるということだ。

  足し算型 〜 売上重視 商売型 売場重視。
  引き算型 〜 利益重視 管理型 数値重視。

概ね、そんな区分けが出来るのではないだろうか。

  思い起こせば、私にも上記の二面性があった。

二面性?。

  そう二面性であった。

入社当初から部門チーフを経て、鮮魚スーパーバイザーなる職位の時は明らかに後者の引き算型、管理型、数値重視型であったような気がする。

  今では考えられないと自分でも思う(笑)。

それは学校を卒業してこの業界に入り、自分は知識で勝負しようとする意識が高かったのかもしれない。

  だから数値面に関しては徹底して追求したと思う。

お陰でチーフ時代は、予算の荒利率はコンマ0.1%の誤差で結果を残してきた。
そこに至る販売計画はきっちりと立案し、値入れミックスから特売商品の販売金額で低下した荒利をどのインプロでカバーするかも計画し、結果的に荒利低下を防ぎながら売上も落とさない販売計画の技術を磨いてこれたと思う。

  “数値は自分でコントロール出来るもの”

そんな信念と自信に溢れていた時代でもある。

  だから店長など何様とも思っていなかった(笑)。

それは案外、誰にでもあった時代ではないかと思う。

  部門担当者としての自信。

それがある意味天狗となっていた時代でもあった。
しかし逆に言うと足し算のダイナミズムを知らないで過ごした時代でもあった。

  それでは足し算を身につけたのはいつか?。

それは鮮魚のスーパーバイザーの時期から現在の店長時代である。

  それは鮮魚部門ではなく果実に携わって以来。

鮮魚部門時代では管理型を徹底して学び、店長時代には果実部門を通して52週毎に単品量販する果実を部門チーフと連動して販売に携わって以来である。

  特に6月の生梅の販売を経験して以降のこと。

生梅は鮮度落ちが早い。
そして10k箱であり、単価の高い商品でもある。

  普段使いではなく梅干しや梅酒の製造に使用する材料。

よって、思いっきりの嗜好品でもある。

  しかし高単価による売上拡大は半端ではない。

この生梅を始め、52週毎に入荷してくる果実を如何にその最大ピーク時に最大の売場でお客様に提案して売り切りながら次週の新たな果実を企画するか。

  ここで強制的に学んだ足し算型の商売が自分を変えた。

引き算型では決して味わうことのないこの気持ちの良い緊張感を伴うダイナミズムは、単品量販を通した足し算型の商売をしなければ決して味わうことのない商売のダイナミズムである。

  足し算型と引き算型。

それぞれに商売において大切な要素があることは間違いない。

  足し算だけでも引き算だけでもない。

足し算、引き算が出来て初めてこの道の奥深さが見えてくるのであろう。






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コメント

sakaeさん、コメントありがとうございます。
商売の進化の経緯の中で、引き算型をしっかりマスターした後に足し算型を積み上げて行ければ、それが私は理想形だと思っております。そのきっかけをどこから受けるかという部分では、そこに運を掴む個人的な人間の能力が必要となっていくのだろうと思います。その経験から、自分でもこの単品をここまで売り込むことが出来るのだという新たな自分自身への発見があるのだろうと思います。

投稿: てっちゃん | 2018年11月29日 (木) 06時15分

ナリアキさん、コメントありがとうございます。
販売部は足し算型
商品部は引き算型
ある意味、それも理想形でしょうか(笑い)。
店舗の若い担当者にどんどん足し算型の販売技術を身につけてほしいものですが。

投稿: てっちゃん | 2018年11月29日 (木) 06時11分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
→どうやって演じたら良いか迷う担当者。
おそらくいつの時代でも演じる側は迷いの連続だと思うのです。
ようやく最近見えてきたのは、やはり最終的にはそのことで定番が強くなっていくのかどうかという問い。
単品量販もやって終わりではなく、その単品が定番でその後にどのような動きをしているのか。更には定番に戻った後に以前よりも数倍の動きを示せるように工夫していくことの積み重ねが、徐々にではありますが後々に絶大な効果を発揮してくるのではないかと思っています。

投稿: てっちゃん | 2018年11月29日 (木) 06時08分

私は引き算型です。ずっと、最大荒利額を確保することを意識して仕事をしてきました。しかし、最近は単品量販を意識した足し算型に移行しつつあると思っています。
そう思うようになったのは、てっちゃん会に入り日々Facebookにアップされるてっちゃん会のメンバーの売場の画像を観て、私も負けていられないと競争心が出てきたからだと思います。
てっちゃんさんのおっしゃる通り、引き算、足し算はどちらも大切であり、その2つのバランスをとることが経営者の仕事ではないでしょうか。

投稿: sakae | 2018年11月28日 (水) 20時46分

販売部は足し算型
商品部は引き算型

我が社ではそんな役割ですね。

ここんとこいがみ合うシーンが多いかな。

役割をお互いに尊重しあえれば理想ですが、難しいです。

両方経験していますので互いの気持ちやからくりがすごくわかります。


投稿: ナリアキ | 2018年11月28日 (水) 19時52分

作と演を経験したからこそ両輪のバランスが取れれば店舗は一直線に突き進む事が出来るのですね。最近店舗巡回が増え感じることはどうやって演じたら良いか迷う店舗担当者が多い事。店長もしかり、どういうお店にしたいのかが答えられない。激動を迎える時期だからこそ店舗はお客様に何をすべきか真摯に考える時期が来ているのですが。過去の栄光に縋っている場合ではないのですから。

投稿: dadama | 2018年11月28日 (水) 09時36分

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