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2018年11月12日 (月)

後座の店舗視察から

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


今回のてっちゃん会でも「後座」を設けた。

  後座?。

後座とは、前座〜懇親会〜後座の流れである。

  要は懇親会の翌日の店舗視察ツアー。

名古屋の有志たちによる事前のMR店舗を絞り込んで頂いて、今見るべき名古屋のスーパーマーケットをご用意して頂いた。

  今伸びている単品量販型大型スーパー。
  居抜きを4倍にした「ディスカウント」。
  今話題のGMS再生「ディスカウント」。
  今後人口増が見込まれる地域のGMS。
  新規大型SCに入居の「ディスカウント」。
  高級住宅街に立地する高質スーパー。

概ね、このような企業をバランスよく見せて頂いた。

一言で感想を言うと。

  「北関東はまだまだ恵まれているなぁ〜」。

北関東に存在するディスカウント店は、名古屋のディスカウントと比較するとまだまだ本格的なディスカウントというよりもドラッグの延長線上にあるドライグロサリー系に強いディスカウンターである場合が多い。

  しかし名古屋のディスカウントは生鮮に強い店舗が多い。

ドライグロサリーは当然だが、何と言っても「青果」の圧倒的な価格、そして鮮魚屋精肉はその商品化であり品質でも引けを取らない。

  ただし量目は専門店並みに高い。

ここもディスカウントの特性であろうか。

  単品大量販売に徹している。

だから、通常のスーパーマーケットよりも量目が多く、買いだめ需要には適しているが、日々の適量の購買には適さない。

  ここが中小スーパーとの商売の違いであろうか。

しかし、このエリアのディスカウントは生鮮上がりの企業が多い。

  よって本来の出身部門の商売の仕方は我々以上の技術を持つ。

そんな企業が仕入れから調理陳列、そして販売技術を駆使されて本格的に人口密度の高いエリアに出店されたら圧倒的な集客力を誇るのであろう。

今回視察したディスカウントは、大手スーパーの居抜きに入居し、大手スーパーの約4倍もの売り上げを記録しているという。

  見るとやはりその集客力は凄まじい。

青果、グロサリーの価格でお客様を呼び、鮮魚精肉の品質と商品化で単価を上げ、店内のPOPでお客様を楽しませてくれていた。

  こんな企業が北関東に出店してきたら。

そう思うとゾッとする(汗)。

また、大手GMSがこれから人口が急激に増加するであろう名古屋の地域に他に先駆けて出店していたが、このGMSに相応しくないチャレンジぶりに驚かされた。

  青果と並んで鮮魚部門が入口に陣取ったレイアウト。

鮮魚が入口に!。

  現代ではあり得ないレイアウトを引いていたのである。

そして、期待に応えてなのだろうか、鮮魚部門にお客様がしっかりと付いていたではないか。

  鮮魚の強みである「生」を存分に強調した展開。

ここがお客様に支持されているようだ。

  当店も鮮魚の客導線の始まりに生を配置している。

必然的に「生」を強くしたいという願望なのであるが、これが板についてくると間違いなく「生」が強くなり、その支持も高まっていくのである。

  今更ながら鮮魚強化の効果も高いものだと感心させられた。

今回の名古屋MRは、単品量販を標榜するディスカウント、更にはスーパーの中でも完成度の高い店舗や企業の品揃えやSKU作り、更にはカテゴリーの括り方に大いにヒントを頂いたMRであった。





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「てっちゃん会」」カテゴリの記事

コメント

ナリアキさん、コメントありがとうございます。
詳細は別途メッセージいたします。
少子高齢化が極端に進行している地域は本当に厳しい状況であると言えます。
個人的にはより小型化していくのかなと思います。

投稿: てっちゃん | 2018年11月13日 (火) 06時46分

sakaeさん、コメントありがとうございます。
客層の違い、そして視察する個人の目線の違い。やはり人間一人よりも数人で同じものをみてどう感じどう行動しようとするか、情報を集めるとはこのような多くの人間の知恵が有効になっていくのでしょうね。

投稿: てっちゃん | 2018年11月13日 (火) 06時40分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
今回はDgsはMRしませんでしたが、DSの強烈さも印象的でしたね。
こんな競合店が近隣に出店したらと思うとゾッとしました。

投稿: てっちゃん | 2018年11月13日 (火) 06時37分

今回のてっちゃん会でMRされた店舗はどこでしょうか?
激戦の中京地区はそれぞれの店舗戦略に特徴がありますので非常に興味があります。

攻める店舗と守備店舗の状況から、今後の売場レイアウトや売価政策の参考にしたいと考えております。

もうひとつ気になるエリアは東北地方です。少子高齢化と人口減に対する小売のあり方が私の最大の興味があるところです。

よろしくお願いします。

投稿: ナリアキ | 2018年11月13日 (火) 06時29分

MRって面白いですね。みんな観ている視点が違うので見学後の意見交換がとても参考になりました。
私が興味深いと思ったのが、各スーパーの客層の違いです。道路をたった1本挟んだだけで客層がこんなにも変わるのかと驚きました。地元のスーパーばかり見ていては気づかなかったと思います。
また、最後の見学先の駐車場の高級車の数には度肝を抜かれました。

投稿: sakae | 2018年11月12日 (月) 21時23分

確かに首都圏よりも地方都市、更にはこんなところに何故?と思う郡部へのDS.Dgsの競合乱立。都市部への出店は賃料等のランニングコストもかかりシェア率も伸びにくい。郡部なら地代はタダ同然(笑)ですしシェア率を上げれば投資回収は出来る。価格競争は郡部から激しさを増し存続を掛けた戦いが始まるのでしょうね。
DS.Dgsに対抗出来る業態の確立。マインドシェアの戦いの時代になると感じました。

投稿: dadama | 2018年11月12日 (月) 21時12分

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