「作」と「演」 その2
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
「作」と「演」。
このブログでも何度も取り上げてきたテーマ。
本部の「作」。
現場の「演」。
本部で作(策)を施して、現場で演(艶)じる。
よって、本部では商品を中心に川上の情報を有効に取り入れながら策を講じ、店舗ではその策を土台として、店舗の地域性や暮らしからのお客様の買い回り、更には競合店との比較の中から自店の強みを如何に引き出してお客様に差別化を図りながら、自分なりのアレンジをして、その場に応じた艶やかでエキサイティングな役を演じることになる。
本部主導の作を単にそのまま実行することではない。
ここを履き違えると、個店の特性が失われ、お客様の志向や競合店の強みをまともに受けてしまい、魅力の無い味も素っ気もない演となってしまうと言うことだ。
大切なのは、目を向ける相手。
常に現場ではお客様と向き合い、お客様の志向を踏まえて作を演じなければならない。
そしてそこに競合店という競争相手が存在するということ。
我々の店舗では、競合店の存在抜きには語れないほど、自店の業績を左右する存在となっている。
競合店からお客様を振り向かせること。
これも大きなテーマとなって我々の前に立ちはだかっているのである。
その為に、本部の作を如何に「策」に転換できるか。
その策を自らアレンジして、自ら演じるのである。
そこにはアレンジする技術とアレンジする勇気が必要となる。
いくらアレンジ力を持っていても勇気がなければ演じられない。
逆に勇気ばかりが先行してもアレンジ力が無ければ効果は無い。
本部主導の作をそのまま演じるのは簡単なことだ。
そこにはそのままの商品化や陳列が提案され、商品も用意されている。
しかし自店でその売場がお客様に支持されるのかどうか。
作と同じ商品を演じようにも、その演じ方は千差万別である。
SKUの持ち方や陳列の仕方。
主力品をどう売り込むのか。
時系列ごとの展開の変化は。
いろいろな要素が絡んでくるのが現場での演である。
そしてそれを毎週毎週継続してアレンジしていくこと。
その継続がいつしかお客様の支持に繋がり、自分のお店というスタンスで競合店と比較されるのである。
自店の強みはどこにあるのか。
それはお客様に伝わっているのか。
その為には、どんな演を継続して演じていけばいいのか。
それを継続して数値効果を検証していくこと。
最後はやはり結果に結びついているのかどうか。
この最後の視点が販売技術となって身についていくのであろう。
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コメント
ナリアキさん、コメントありがとうございます。
プロデューサーとディレクター。
それもまたマトを得た表現でしょうか。
主役を商品とすれば、演は商品でしょうか。
私は商品を作者と演者を橋渡しする媒体であるとも思っております。その辺を議論するのもまた面白いですね。
ただひとつ言えるのは、作者も演者も同じひとつの商品に対する強い想いがなければならないということだと思います。
その想いが対等になることが理想形でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2018年12月 3日 (月) 06時46分
作と演
うーん
プロデューサーとディレクター。そして演者は商品でしょうか?
売場という舞台で最高のパフォーマンスを見せる為、店長ディレクターとチーフディレクターが悪戦苦闘ですね。
本部スタッフのプロデューサーは予算管理、外部折衝、広報活動などで枠と方向性、方針を決める。
店舗のディレクター達はその予算内や範囲内で見せ方、POP、配置、出す順番を決める仕事をする。
売れてる。売れてない。
何か芸能の世界みたいです。
演者である商品は素材そのもの良さもあろうし、旬なものもある。
その良さを最大限に引き出すのが、プロデューサーでありディレクターであろうと思います。
私なりの作と演の解釈は
作はプロデューサーとディレクター
演は商品
であると思います。
考え方ずれてましたらすみません。
投稿: ナリアキ | 2018年12月 2日 (日) 22時05分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
業績と賃金を連動した給与体系。
完全に連動していなかった従来の給与体系と今後の給与体系。
果たして従業員が幸せに感じるかどうかは、今後の従業員の行動次第だと思うのです。
ぜひ、幸せな社会人生活への第一歩としていきたいのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2018年12月 1日 (土) 23時53分
最近は熱き読者が増え私はのんびりさせて頂ております。(笑)。昨日の足し算・引き算もしかり、商品目線に本部と現場では温度差がありますからね。規模が大きくなるとリベートと言う麻薬もはびこおり(笑)。リベートも会社の利益には欠かせませんから現場にも「これだけ売れば店舗り利益がこれだけ戻るよ」と開示すれば現場も燃えるおと思います。当社の場合給与体系も売上・利益達成度が基準となっていくだけに作と演の信頼関係は益々大切になっていきますね。
投稿: dadama | 2018年12月 1日 (土) 21時30分
sakaeさん、コメントありがとうございます。
52週MDの具体性はともかく、毎週のテーマや目的はある程度の塊ではあるべきだと思いますが、そこのレベルの部分では企業ごとの悩みの種なのではないでしょうか。
方向性だけでは現場が動けない。
具体的だと現場の首が回らない。
いずれも問題ではありますが、やはり理想は方向性を示して、具体策は現場のレベルで店舗運営に乗せていければ最高のあるべき姿ではあるでしょうが、そのバランス通りに現場でアレンジして個店最適をマッティングさせられているかといえば、まるで×。
しかしある程度強制力がなければ絵に描いた餅程度のMDに終始してしまうため、逆に作成しなければいいという判断になってしまっているのでしょうか。
何れにしても、本部からの強制によるトップダウンも一つの技術のスピードアップには最適な調理技術であることは町がありません。
投稿: てっちゃん | 2018年11月30日 (金) 23時56分
k.kさん、コメントありがとうございます。
本部MDと個店対応。
これはまさにチェーンストアの従来からの課題でしょうか。
単品量販についても、本部主導で企業として定番強化を目的とした単品量販は全店統一で効果検証をしなければならない部分であり、そのほかにしがらみの無い従業員が売りたいと思う商品を個店で実施する単品量販があると思います。
後者は現場の想い入れが強い商品でしょうから黙ってたって現場が面白おかしく単品を他店よりも優位に売り切ってしまうもの。
どちらも大切なのですが、単品量販の目的をしっかりと認知することが先決でしょうか。
投稿: てっちゃん | 2018年11月30日 (金) 23時37分
作と演の関係でいつも疑問に思うのですが、商品部が作る52週のMDは必要なのでしょうか。
私の職場でも52週のMDはありますが、一応の目安でありバイヤー自身もそこまで重視していません。それはバイヤーが現場の実態を知っており、その通りできないことを分かっているからだと思います。
また、私の職場は歴史はありますが、組織としては驚くほど未成熟であるため、MD通りの売場が作られているかチェックする部署がないのもMDが重視されていない理由だと思います。
そのため、今まで私はMDが必要だとが感じたことがありません。むしろMDはその店その店で売れる商品、売場や地域性も違うので、その店をよく知っているパートさんやチーフが作成すべきだと思います。もし現場側でMDを作り毎年それを更新していけたら、そのお店はお客様が求めている売場により近づけるのではないでしょうか。
投稿: sakae | 2018年11月30日 (金) 17時56分
私は現場しか知らないのでその視点でしか言えません。
商品部で作を練り上げ現場に落とす。
当社は約7割の店舗(部門)がその通りの売り場を作ってます、そこには写真報告などがあるからです。強制的にやらされてます。(演じてます)若い責任者はそれで満足なんでしょう、特に考えもしないで下されたままやればいいだけなので。演じ方も色々あっていいと思うのですが・・・
商品部も利益確保、ディべートなどの都合上、これだけは捌かねばとのことで過多な送り込み。
当然、地域性など関係なくこの時期ならこれは売れるから売り上げベースに合わせて送っとけ
。現場はやる気も出ませんよ、PDCAを廻せとよく言われますがデータで送られてくる実積みて「今週はまずまずだから怒られねーべ」って感覚しかありません。
てっちゃん店長のポテト売り場、また実積は商品部からみて異常値なのでしょうね、楽しみながら仕事しておられるな~っと思います。
現場でも個店別に一品異常値販売の発表会があるといいですね、もちろん自ら選んだしがらみ無しの商品で。 サブや新人、パートさんも参加してもらって自分で商品をきめて作った売り場を検証してPDCAを自ら廻してもらう。コトPOPの出番も増えるでしょう!
それも一つの店舗活性化の手段だと思います。
提案してみますかね、多分勝手にやれだと思いますが(笑)
東海地方の投稿をみて、そう思ってます。
投稿: k,k | 2018年11月30日 (金) 09時44分