お野菜大放出
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
野菜の相場高が尾を引いている。
結果としての業績拡大。
業績は良いが利益が取れない。
それが今の青果部門の現状であろうか。
しかしそれでも各企業は「緊急!お野菜第放出」なる別チラシを緊急で投入する。
相場高の折にお客様に喜んで頂いきたいが為。
しかしそうであるならば、普段からお買い得な価格設定にせいよ、と言いたくなるほどの各社の販促展開。
それは自社にも言える事であるが(笑)。
野菜の高騰、そして相場高に対する企業としての還元的なセール。
野菜ほど相場によって価格が乱高下するカテゴリーは無い。
そして、売価への反映も他のカテゴリーと比べても価格設定の乱高下が許されているような気がするのだ。
これがグロサリー商品だったらこれほどの価格変動はないだろう。
当然、原価が大きく乱高下するカテゴリーではないから当然と言えば当然だが。
そしてグロサリーの商品であれば、わざわざメーカー側が小売側に足を運んで値上げ交渉に伺うというスタンスであろうか。
なぜにこうも価格感度が異なるのであろうか。
“価格変動があるからお客様にも相場を知ってもらえる”
そのような思惑もあるだろう。
そしてそれがテレビの話題にもなったりする。
変化を感じることが出来る生鮮品。
本来であれば、時化等で相場が変動する魚介類の方が相場感が出やすいのであろうが、それ以上に需要が減退してしまった昨今では、たとえ日常のサンマやさば、イワシの相場が急変しようとも大きな話題にはならなくなってしまった。
「イワシが昨日に比べてk単価で100円も上がった。」
どうも、ピンとこない。
それよりも
「北海道の台風によりジャガイモが昨年の倍になった。」
そのほうがよほど相場感として切実に庶民に訴えるものがあると言えよう。
逆にいうと相場に左右されない価格設定はお客様に安心感を与えてくれる。
「あのお店はいつ行ってもキャベツが安いわねぇ〜。」
特に、200円以上には絶対にしない。
しかし100円以内にも特売以外は滅多にしない。
要は、青果物の価格を安定させたいのである。
野菜とて普段の必需品。
相場はあれど、それをそのまま価格に連動はさせない。
それが私流である。
ある程度は仕方ないだろう。
それは原価も伴うから。
しかし、野菜の荒利率を年間で通してみると毎年ほぼ一定の荒利率で収まっているのである。
当然、荒利率の微調整を毎月ごとには行なっている。
しかし、相場が高い月低い月が交互にやってきて、年間で見るとある一定の荒利率で落ち着くものである。
要は漬物業者と生産者が年間で値決めをするのと同じであろうか。
特にいくら相場が上がっても200円を越さない価格を維持し、100円を割ったならそれ以上は下げない価格を維持していけば、お客様からの視点で見れば買いやすいお店、価格を低めに設定してくれているお店としての定着が図られよう。
そいういう意味でも野菜の荒利率予算の低さを有効に活かせば、競合他社との差別化にはなるであろう。
結果的に、その都度のお野菜大放出という企画も普段からの安定を図っていれば、そうそうむやみに打ち出す必要もないと思うのだが。
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コメント
ナリアキさん、よろしくお願い致します。
投稿: てっちゃん | 2018年10月30日 (火) 08時14分
てっちゃん様(ちゃんに様をつけるのは変ですか?)
過去のコメント欄に「てつろう」とありましのでてっきり...。
てっちゃんとなると親しみが湧きます。
ブログ更新楽しみにしております。
投稿: ナリアキ | 2018年10月29日 (月) 17時53分
ナリアキさんへ。
毎日更新しておりますので、今後とも、よろしくお願い致します。
ちなみに、当方は「てつろう」ではなく「てっちゃん」ですので、よろしくお願い致します(笑)。
投稿: てっちゃん | 2018年10月29日 (月) 17時01分
てつろう様
私の拙いコメントへのご返答ありがとうございます。最近いろいろ迷いながらネットにて参考になるものがないか探していたところこのブログにたどり着きました。初めて見たとき、「すごい!今まさに起こっている事!同じ悩みで痛快な読み筋。そして丁寧である事の大切さ!」が書かれておりました。
毎日、ブログの更新楽しみです。
今後ともよろしくお願いします!
投稿: ナリアキ | 2018年10月29日 (月) 06時52分
ナリアキさん、コメントありがとうございます。
→現場の小さな声の束。
その通りですね。企業として現場の声を上げやすい環境作りと、現場が勇気を持ってお客様に一番近い存在という価値を認識して行動する役割意識が大切でしょうか。
今後とも、よろしくお願い致します。
投稿: てっちゃん | 2018年10月29日 (月) 06時33分
ドラックディスカウンターの品揃え肥大化と店舗サイズの大型化は危険な兆候ですね。日本はマイナス成長。人口減。少子高齢化という現実があるにもかかわらずです。無用な箱物を出すより、現状ある店舗をいかに磨き上げ、丁寧にお客様へ商品を提供するのかを真剣に取り組むべきです。かつての高度成長期の成功体験は今では幻想であります。現実をもっと見て、消費者の生活スタイルの変化をきちんと受け入れ、スーパーマーケットはお客様様にそっと寄り添っていくべきです。日常の買い物行動でのお客様の困り事を解決する為には、経営陣の大声ではなく、現場の小さな声の束こそが解決の道を導き出す原動力かと感じます。
投稿: ナリアキ | 2018年10月29日 (月) 00時13分
sakaeさん、コメントありがとうございます。
部門によっても売価設定の特性があるかも知れませんね。
青果や鮮魚は相場に連動した売価設定になりやすく、逆に精肉やグロサリーは年間契約や期間契約で交渉しているでしょうから、ある程度のタイムラグが許されるという面もあるのでしょうね。
そして当然に競合店との価格差も敏感にならざるを得ないでしょうから、周囲の売価とにらめっこしながらの売価設定になる傾向は強いでしょうか。
後は、どこで価格訴求をしてどこでも受けるかという荒利ミックスの仕方が商売上手になれるかどうかの瀬戸際であると言えるでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2018年10月27日 (土) 23時49分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
ドラッグ・ディスカウンターも二極化してきているような気がしますね。
しかし何れにしてもお客様の支持を得るにはディスカウンターと言えども品切れや清潔、品質といった基本のレベルの進化なくしては支持を得られない時代になってきていますから、ディスカウンターも従来の安さだけでは中途半端な存在になっていくのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2018年10月27日 (土) 23時43分
てつろうさん、コメントありがとうございます。
企業毎の思惑もあるでしょうからね。
でも、お客様には嘘をつけないと思いますよ。更に商品価値という視点で見れば、原価よりも価値を見極める目利きも販売側には必要となっていくのだろうと思います。
投稿: てっちゃん | 2018年10月27日 (土) 23時39分
価格の設定をする際に相場をあまり気にしたことがないです。原価が上がった時はお客様に儲けてもらい、原価が下がった時はこちらが儲けさせてもらえるような価格を普段から心がけています。
原価が下がったから価格を下げる、原価が上がったから価格を上げるような機械的な価格設定の仕方ではいつまで経っても商売上手にはなれないと考えています。
投稿: sakae | 2018年10月27日 (土) 22時27分
話はちょっと脱線しますが、当社も競合をもっと知ろうという訳で価格調査を始めたのですが調査して改めてドラッグ・ディスカウンターの恐ろしさを知る事となりました。同業SMは横並びの価格を設定するのですが、とあるディスカウンターは税込表示であるのに明白に安い。本体価格に変換すると、当社のグロッサリーやデイリーの利益は吹っ飛ぶ価格設定がなされてました。アルコール類は意外と高い(笑)。確かにアルコールはし好品であり、基寄品の価格を圧倒的に下げたほうが集客率は上がるはず。
生鮮も下手なSMよりもまともな売場を構築している・・・あくまでも最低限ではありますが(笑)。品揃えもSMより多く住居関連品はもちろん、軽衣料まで取り扱っている。いわゆるドラッグ・ディスカウンターのスーパーセンター化。GMSの終焉が囁かれる対局でドラッグ・ディスカウンターは巨大化していく。
価格が全てではありませんが明確なストアコンセプトや企業指針をお客様に認知していて頂かないと益々厳しい時代になると感じましたね。
投稿: dadama | 2018年10月27日 (土) 18時46分
ほんとは安い野菜もあるのにここぞとばかりに高く販売するスーパーもありますからね。困ったもんです。この話はここではちょっとできないです。
投稿: てつろう | 2018年10月27日 (土) 17時59分