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2018年10月13日 (土)

魚と肉の関係

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


鮮魚部門と精肉部門の関係。

  片方が良ければ片方が悪い。

一時はそのような関係があった。

  しかしここ数年は精肉が一方的な優位性を発揮。

片方が良ければ片方が悪いというレベルでなく、鮮魚と精肉の関係は圧倒的に精肉の勝利という偏りで推移していた。

  精肉昨年比110% 対  鮮魚昨年比90%。

そんな時代がここ数年は続いていたのである。

  しかしここに来てこの状況が一変してきている。

鮮魚部門と精肉部門の売上昨年比が拮抗してきているのである。

  逆に鮮魚部門が優位性を発揮している店舗が続出している。

今、鮮魚部門に何が起きているのか。

  まずは秋刀魚漁が豊漁で安価であること。

ここ数年は秋刀魚漁が不漁で、高値で推移していた。
それが今年は安価であり特売価格でも100円を割る価格設定が当たり前となってきた。

  秋刀魚が売れれば精肉が落ちる。

昔からの言い伝えの通り、豚肉や鶏肉の伸びが鈍化している。
やはり、秋刀魚という魚は日本人の食欲を刺激する食材であることは間違いない。

  次にはお客様のアニサキス慣れ。

業界でもアニサキスへの対応が進み、お客様もその対応とアニサキスという寄生虫の特性を知り始めたことで、刺身類、特にマグロやカツオと言った主力品が回復してきたということであろうか。

  これらこの時期の主力品が昨年売上を回復してきたことは大きい。

しかし、上記二項目は外部与件であり、どこの店舗でも言えることではある。

  しかしまだまだその業績には格差がある。

従来の精肉部門はどの店舗も大きな差がなく業績を伸ばし続けてきた。
今回の鮮魚と精肉の拮抗状態に関しては、まだまだ鮮魚部門の店舗間格差があることは否めない。

  そこに個店毎の課題が明確に浮かび上がっている。

その第一は人の問題であろうか。
それは鮮魚だけではなく、精肉部門にも言えることではある。

  とにかく人材が居ない。

人材というよりは人員がいないという言い方のほうが当たっているであろうか。
人材が揃わない店舗では、どうしてもタイムリーな品出しが出来ない。

  その瞬間に製造して陳列する。

製造部門である鮮魚、精肉、惣菜、ベーカリーのそれぞれの部門はそこが明確に業績に現れる。

  特に鮮魚は作りだめが出来ない。

それは惣菜も同様であるが、包丁を持っての調理作業が多い鮮魚部門は切った貼ったの調理が付いて回り、そこに包装や品出しと行ったバックヤード内での流れ作業が伴う。

  適正な人員配置が適正な補充を可能にする。

よって、比較的人材が揃っている店舗はそれなりに業績が良い。

  最後は伸ばすべきところを伸ばしている店舗。

そこが大きなポイントであろうか。

  伸ばすべきカテゴリーを伸ばしている売場。

それはマグロやカツオ、秋刀魚といった主力品ではなく、それ以外のカテゴリーの中でも売上的にもあまり目立たないが、実は伸びているカテゴリーであり荒利も高い単品を中心にした商品を開発し売り込んでいる結果の業績なのだ。

  だから、安定した売上が積み上がって行く。

安定した売上を単品やマイナーカテゴリーの底上げから積み上げていく。

  やはりここでも定番の強みの積み上げが大切なのである。







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コメント

sakaeさん、コメントありがとうございます。
鮮魚と精肉が売上昨年比ではなく売上金額自体で拮抗しているということは、鮮魚部門が相当頑張っている企業と言えるでしょう。それだけ現代の鮮魚と精肉では大きな格差が売上自体で発生していると思います。
そして単品の積み上げ。
安定した売上の右肩上がりを実現させるには、やはりカテゴリー毎の主力単品をコツコツと積み上げていき安定した定番商品として育成し、それを伸ばし続けながら次のカテゴリーの単品を育成していく。この積み上げの継続が安定した売り上げを約束してくれるのでしょうね。

投稿: てっちゃん | 2018年10月14日 (日) 00時01分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
水産専門店にしろ肉のパワーカテゴリーキラーにしろ、そこで主力として販売されているのは普段の食材であり輸入牛や豚鶏がメイン。そしてやはり圧倒的な集客力をつけなければワンストップショッピングの強みが活かされないという事実。自社の強みを集客に結び付けられるかが大きなポイントでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2018年10月13日 (土) 23時54分

今月度は鮮魚、精肉部門の売上は拮抗しています。平日は僅差で魚屋に負け、土日で平日の負けを取り返すという流れになっています。まだまだ鮮魚部門に負けるつもりはありません。
今月度の精肉部門の傾向ですが、牛肉が前年比で2桁伸長している店舗が多数あります。9月、10月は例年ですと何を出しても売れず、見切りが多くなってしまうのですが、今年はすき焼き用の薄切り、切り落とし、焼肉用など、どの商品も偏りなく動いています。牛肉はやはり嗜好品ですね。豚、鶏の売上とは関係なく独特の動きをします。
また、私が今月度の初めから力を入れている単品はカテゴリー前年比120%で全店で一番の伸びを示しています。てっちゃんさんおっしゃる単品を積み上げて売上を伸ばす。このブログで学んだことが少しは実践できているような気がします。来月度も伸ばそうと考えている商品があるので今から楽しみです。

投稿: sakae | 2018年10月13日 (土) 20時24分

今日のブログを読んでふと思った事が専門店化。●上魚類のような生鮮カテゴリーに特化した専門店が増えてくるのかも。概に肉をパワーカテゴリーにしたスーパーの台頭、青果も産直市場化している昨今、ワンストップショッピングのメリットをお客様に如何にアピールしていくかが課題となる予感がするのです。

投稿: dadama | 2018年10月13日 (土) 18時22分

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