築地の閉幕
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
築地市場の閉幕。
83年の歴史に幕を降ろした。
鮮魚部門出身者でなくても、築地市場という海産物の取引場を知らない人はいないだろう。
日本一の魚市場。
全国から魚介類が集荷され、また全国へ流通していく。
まさに日本の魚の流通の要である。
そして、「築地直送」というネーミング。
この言葉を使うだけで、新鮮な魚介類が売場に並んでいるという絶対的な信頼度。
更に、そのネーミングによってもたらされる豊富な品揃え感と魚種の珍しさ。
これはどの産地直送よりも強烈に聞こえる。
別に、築地で水揚げされたのではないにも関わらず、築地直送と銘打っただけでお客様へ与えるイメージは強烈である。
私も鮮魚出身者として、ある時期は通ったこともある。
あの90度に曲がっていく通路がなんとも斬新が感じがしたものだ。
当時は、築地と同じ都内に大田市場があり、そちらをメインに仕入れをしていたが、時折取引先の方と築地で待ち合わせをして場内を歩きながら魚を見たことも何度かある。
場内の広さとその喧騒感に圧倒されたものだ。
やはり全国から魚介類が入荷する場所であり、その量の多さは日本一であろう。
しかしあらゆるものが入荷する場所でもある。
だから、商品もピンからキリまで豊富に揃うところである。
高級魚から訳あり品まで全てが揃う巨大市場。
それが築地という場所であり、更にはその周囲を観光客や外国人などが集い、食の殿堂となっている地域でもある。
そんな日本の食の殿堂が幕を降ろした。
当社でも「築地直送セール」を月1〜2回ほど鮮魚部門で実施し、その度にバイヤーが築地へ赴く。
私も以前は部下と一緒に行ったこともある。
面白いもので、私と一緒に歩いている部下が立ち止まる魚と私が立ち止まる魚が違うということだ。
当時仕入れ担当の私と販売担当の部下。
その意識の違い、役割の違いが立ち止まる魚の違いに現れていたということだろうか。
部下が立ち止まる魚に逆に学ばされた時もあった。
そして、そこで購入した商品が後の定番として定着した物もあった。
それからは部下と市場に行く機会が増えたように思う。
逆にそこで部下のチーフ達の行動や購入を観察するのも楽しいという市場の活用の仕方を覚えたのも築地という場所であった。
そんな商品の要であり、魚市場の象徴である「築地市場」。
さて、豊洲がどんな未来を切り開いて行くのか。
楽しみではある。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
地場の市場の統廃合。
当地でも10年ほど前に荷受が統廃合して2社から1社のなりました。大きな市場に西と東で張り合うのが地元市場だと思っていたのは遠い昔の話ですね。
投稿: てっちゃん | 2018年10月13日 (土) 23時48分
k.kさん、コメントありがとうございます。
築地には豊富な心揃えを目的に、地元市場には単品量販を求めて。
そんな使い分けと、地元の顔なじみの担当者との密な情報交換は地元ならではの存在価値ですね。
投稿: てっちゃん | 2018年10月13日 (土) 23時46分
築地ブランドは絶大でしたからね。豊洲ブランドが地方にも定着するには時間がかかりそうですね。こちらの地域も市場の統廃合が進みそうです。大手の市場外流通も影響しているのでしょう。
投稿: dadama | 2018年10月13日 (土) 18時14分
築地さよならセールのあとは豊洲宜しくねセールです。笑 地元の市場も頑張って仕入して活気づけさせないといけませんね、潰れていまいます
投稿: k.k | 2018年10月13日 (土) 13時55分
sakaeさん、コメントありがとうございます。
自分で市場に赴き自分の目利きで仕入れて自分で売る。
そこには何ものにも代えがたい売り切るという強い意志を育んでくれます。これを経験すると、商売の根源が自分の体に植え付けられるのでしょうね。売り切る為のこだわりや販売技術を自ら探ろうとする意志と行動が生まれてくるものです。
投稿: てっちゃん | 2018年10月12日 (金) 22時33分
市場への買い付けは鮮魚部門と青果部門の特権ですね。精肉部門では自分で仕入れると言っても問屋さんを通すので、自分が仕入れたんだというと気持ちがそこまで湧きません。
自分が仕入れた商品を自分で売り切る。商売の醍醐味を一番体験できるので鮮魚、青果の担当者が羨ましいです。
投稿: sakae | 2018年10月12日 (金) 19時09分