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2018年9月24日 (月)

回復の手引きが変わる

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日のブログで鮮魚部門の好調を記した。

  本当に久しぶりの業績回復。

昨年12月にも前年比を超えたが、それ以降また再び奈落の底に落ち込んでいた。

  ようやく8月に前年を超えることができた。

12月と8月の好調。

  “イベント月に強くなったの?”

12月と8月とくれば、鮮魚部門の花道である「年末商戦」「お盆商戦」が控えている。

  刺身類の需要の伸び。

これが予想できるが、12月の好調要因と8月の好調要因は異なっている。

  12月も8月も一般魚(生魚類)の好調による業績であった。

年末商戦もお盆商戦も花形のお刺身類が伸びたのではなく、その脇役である切身魚や丸魚が好調で伸びたと言えるが、そればかりでもない。

  要は毎月売り込んだ脇役の積み重ねが要因である。

今年に入り、店長会で主に鮮魚部門の業績改善を図り、数名の店長仲間と本部バイヤーを交えて毎月の店長会で、次月の売り込み商品を決めて資料作成し、店長への説明をする時間を設けたのである。

  毎月の売り込み商品。

こう書くと、その月に一番主力となる旬の商品や主力の刺身類、例えば、マグロとかカツオとかが連想されるが、それは一切外した。

  なぜか?。

何も言わなくても、バイヤーもチーフも店長も当たり前のようにその時期の主力品は目を見晴らせるからだ。

  皆んなが意識する商品を敢えて強化しない。

それは、当たり前に本部バイヤーが意識して店舗へ情報を流し、店舗でも意識してその情報を受け取るからである。

  今更な部分には目を向けない。

それが今年のチーム海産の方針でもある。

  脇役に目を向ける。

脇役であるから、決して売上ウェイトは高くない。

  取り組めば確実に売上着実に高まる。

しかし、売上ウェイトは低いから、取り組む商品の数を増やして、一品一品積み上げていくしかない。

  それこそワンヒットワンヒットの積み重ね。

しかし、裏を返せば、商売とはこのように地道な日々の積み重ねが後日一気に花開いて行くものだ。

  4月に生海藻。
  5月にアジ、サバ、イワシ。
  6月には生切身のフライ用。
  7月にホタテ貝柱刺身用。
  8月はタコ類の中の特に酢だこ。
  そして今月は、サラダのっけ盛り各種。

どちらかといえば、その時期の旬ではあるが、決して主力中の主力とは成り得ないカテゴリーや商品ばかり。

  しかし、この取り組みで着実に脇役の売上が積み上がった。

額はわずかであるが、半年も取り組めば、其れ相応の数値効果になって現れてきた。

  更に秋刀魚が牽引する好環境が整った。

私もそうだが、鮮魚担当者はどこまでも相場や旬で勝負したがるものだ。
特に、経験を積めば積むほど、その効果が絶大であることを知っているから尚更だ。

  そして脇役はいつしか忘れ去られてしまうのが現実。

しかし、相場が好況の時はそれでいいが、いったん不漁や相場高になると手がつけられない。

  旬は旬で当たり前に取り組む。

問題は相場品ではないトレンド品や主力品ではない脇役商品に如何にリピーターを定着させるかが売上を底上げするキーポイントであることが今回の取り組みからわかったのである。

  鮮魚ほど、全社で取り組むべきは脇役。

そう感じている、今日この頃である。






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コメント

sakaeさん、コメントありがとうございます。
インストアハンバーグでの差別化。
近年多くの企業が取り組むコーナーですが、そこに現場の意図が入るか入らないかで、そのコーナーが活きるかどうかの分かれ目になるのでしょうね。
本部バイヤーの意図と現場の責任者の意図が一致するか、更には現場の「演」が「作」を超えて新たな作を付け加えていけるのかで大きな数値効果の違いになって現れてくるのでしょうね。

投稿: てっちゃん | 2018年9月26日 (水) 06時45分

すみません。名前を入れ忘れてしまいました。sakaeです。具体的なアドバイスをしていただきありがとうございます。鶏肉は日によって売れるパックに違いがでるので朝と夕での形態の変更は大切ですね。
私も脇役で今、力をいれている商品を紹介したいと思います。それはインストアパックのハンバーグです。先月度は挽肉コーナーの中で2種類2フェースのみで展開していたのですが、売れ行きが好調で数万の売上を記録しました。インストア商品は原価が安く値入れも入れ易いので、荒利もかなり獲得できました。今月度からはインストアのハンバーグコーナーを定番売り場に作り種類も3種類に増やし縦割りで展開しています。

投稿: sakae | 2018年9月26日 (水) 00時37分

k.kさん、コメントありがとうございます。
自分で育てた名脇役の存在。
だから、売れなくなるまで継続する商品もあれば、潔く諦めてまた新たな名脇役を模索する目も養えると言うことですね。特に生鮮の商売とは売上高と荒利高と言う二面性を有していますので、荒利拡大の商品を育成できたと言うことは、その原資を利用して更に名脇役を価格で育成できるメリットもある。
新天地での活躍を願っております。
その前に、明日(笑)。

投稿: てっちゃん | 2018年9月25日 (火) 06時08分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
主役対主役の競争ではどこも頭一つ抜け出るには相当の労力を要しますが、脇役であれば競合店にもそれほど気が付かないところでもあります。
しかし、普段から当店で買い回りしてくださるお客様には、より便利になっていると思われます。お陰様で客単価のアップにも繋がっていると言う事実。
そんな小さな取り組みを積み重ねていきたい考えております。

投稿: てっちゃん | 2018年9月25日 (火) 06時03分

sakaeさんでしょうか?。コメントありがとうございます。
鍋コーナーの強化。
季節がらどの企業も定番売場に縦割り3尺〜6尺にてのコーナー化。
しかしこれも毎年恒例の売場展開でもあり、昨年とよほど変化のついたコーナーを展開しないと昨年同様の数値に終始する可能性があります。
当方では今回の鮮魚の取り組みにもある通り細部の詰めを行い、18時以降のお客様の取り込みを詰めております。具体的には鶏肉の形態変更。下段では大型パックを主体にした品揃えを18時以降はモモ肉ムネ肉とも1枚入れを主体にして展開し直しております。結果最終時間帯まで鶏肉の動きが良好になりました。
参考になれば(笑)。

投稿: てっちゃん | 2018年9月25日 (火) 06時00分

魚ネタありがとうございます。(笑)
今年の春はかつおに苦戦、その代わりの売込みとしてコトPOPを使って異常値販売を約10アイテム程仕掛けてみました。
いわゆる脇役商品です。でも金額が全く足りないので近海生魚の刺身を毎日売り込んでました。
不思議に粗利が必要以上に残って全店でもトップクラスに(^○^)
コトPOPは当然、当たり外れがありました。。仕掛けた商品が売価と見合ってなかった、コト訴求がいまいちだった、そこまで魅力ある商品ではなかったなど。
 当たった商品は約半年連続で全店一位をキープしてます。会議などでも好事例でバイヤーから発表されました。
 来月から色々と環境がかわるので、現在バタバタしてますが、落ち着いた頃合いで地域にあった商品を名バイプレーヤーに育てるつもりです。

投稿: k,k | 2018年9月25日 (火) 04時54分

脇役だからこそ表舞台に出る瞬間は主役より光るのではないでしょうか?たかが数パーセントかも知れませんが、お客様から見るとそれが他社との違いとして認識されると思います。主役同士の戦いでは面白味はありませんから。売場にもストーリーやドラマのキャラは必要ですね。

投稿: dadama | 2018年9月24日 (月) 21時36分

私の企業では9月度は鮮魚部門が軒並み前年比を超えましたが、精肉部門はほぼ全店が前年比割れを起こしました。恐らく原因はてっちゃんさんがおっしゃる通り鮮魚部門が回復傾向にあるからだと思います。鮮魚が売上を伸ばせば精肉が落ち込む。なかなかうまくいかないです。精肉部門は売上は厳しかったですが、荒利は前年並みに収まりました。10月度は秋も深まるので鍋コーナーを強化して売上に繋げていきたいと思います。

投稿: | 2018年9月24日 (月) 21時15分

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