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2018年8月30日 (木)

送り込みの是非

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


送り込み。

  あまりにも有りふれたバイヤーの行為。

私もかって地区バイヤーをやっていた時は、たっぷりと送り込みをした経験がある。

  送る方は送られて喜んで欲しいと願って送り込みをする。
  送られる方はその日の売場作りを妨害する行為となげく。

送り込む方と送り込まれる方の認識は真逆である(笑)。

  せっかく市場で価値ある商品を見つけたのだから。

市場に買い出しや商談に行けば、市場側は是非とも買い付け、送りつけて欲しいと千載一遇のチャンスを逃さず売り込みを図る。

それを受けてバイヤーも自分の目利きを活かして店舗の状況に応じて、あの売場なら自分だったらこんな売り方で売り切ってみよう、との思いで全店に買い付け商品を送り付ける。

  想定された店舗はありがたいが。

しかし、それ以外のその他大勢の店舗は、それこそ想定外の送り込みに頭を悩ます。

  しかし、バイヤーに文句言ったら後が怖い。

泣き寝入りで、嫌々ながらも送り込み商品を自分が気が向いた段階で売場に陳列する。

  意思の入らない売り方にはお客様も反応が無い。

これが送りこみの実態だろうか。

  特に自分の意思を持った売場責任者はそうだろう。

逆に言うと、常に売場にバイヤーの送り込み商品を展開する場所を決めている売場担当者は、待ってましたと送り込み商品を一番目立つ場所に送り込まれた価値そのままにそこに大陳する。

  結果、バイヤーの意図がお客様に伝わり支持をえる。

これは逆に言うと、バイヤーの送り込みがなければ、その一番目立つ場所は何も無い状態となる可能性が高い。

  送り込みが上記のように単品大量なら現場は動きやすい。

これが、少量多品種の送り込みとなると、結局は定番の中に埋没する形でしか展開できない。

  絞り込まれない不明確な売場となる。

しかし、バイヤーが市場で買い付ける商品には限定がある。
それを全店に割りふろうとすると少量多品種となる。

  単品を送り込むお店と送り込まないお店。

その取捨選択がなければ、全店に1ケースずつ10品の送り込みが発生すると言う事態。

方や、二店舗に限定して、その単品は20ケースずつ送り込む。また別の単品を別の二店舗に20ケースずつ送り込む。また別の単品を別の二店舗に・・・。

  各店には単品で20ケースがど〜んと送り込まれる。

そこまでの数量を単品で送り込まれたら、現場も腹をくくるだろう。

  “最高の場所で今日中に売り切ろう”

それが、結果的にお客様の目に留まり、お客様の支持を高めていく。

それでもやはり送り込みは補助的なものであって、自分で情報を集めて自分で売場計画を組み、その計画通りのダイナミックな売場からのお客様の支持を得ていくことの継続が、現場担当者の教育には欠かせない要因であることは間違いないのだが。

送り込みとは、相場高の折の送り込みに限定されることが望ましいのではないだろうか。








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コメント

hataboさん、コメントありがとうございます。
2店舗のバイヤーと20店舗のバイヤー、そして200店舗のバイヤーのスタンスは自ずと違ってくるのでしょうが、そうなると現場サイドの受け入れて体制と、更なる密なバイヤーと現場の関係でしょうか。
現場で一緒に売り場つくりをhataboさんのスタンスを200店舗でどう表現するか。よりシステム化した手法を取っていく必要はあると思いますが、これもやはり普段の関係でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2018年8月31日 (金) 06時29分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
仕入れと販売が役割分担している企業は永遠に抱える課題ではないでしょうか。
それと、バイヤーは送り込みに関しては現場にその売り方、場所等を詳細に案内すべきで、バイヤーの意図が伝わることがその想いを現場の担当者が売り場に表現できる結果につながるのだろうと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2018年8月31日 (金) 06時23分

私もバイヤーの頃、他のバイヤーから愚痴を聞きました(笑)
商品を出してくれない、出しても上段で目立たない等々。
私はそうなりたくなくて、買ってきた商品は担当者に思いをプレゼンして、これが売りたい、と伝えていました。一緒に商品を出し、一緒に売り上げを確認していました。
2店舗だからできることですが。
店長とバイヤーは紙一重ではなくてはいけないな、と店長になってから痛感しました。
お互いにお客様の方向をちゃんと向いているかだと思います。
そうしないと、店長にとってバイヤーは邪魔です(笑)

投稿: hatabo | 2018年8月30日 (木) 14時03分

悩ましい問題ですね(笑)。現場はその日の売場の商品を仕入れてますから売場の確保を考えねばならない。ましてや経験値の高い担当者程最大限の仕入をしてるでしょうから送込み=邪魔者扱いされてしまう(笑)。バイヤーの目利きで仕入れた素晴らしい商品もか売るのは現場であり現場がお客様に商品をお伝えする。商品は現場でしか売れない現実。バイヤーが上目目線になると何が現場で起きるのかは想定しなければなりませんね。仮に職位が上であるならばバイヤーも担当者に信頼を得るコミュニケーションを自ら取るべきなのかも知れませんね。人を動かす事は店長もバイヤーも同じだと思うのです。

投稿: dadama | 2018年8月30日 (木) 08時38分

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