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2018年8月11日 (土)

店舗政策の重要性

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


店舗政策にも色々あろう。

  年度計画、店舗コンセプト、部門コンセプト等。

厳密にいうと、年度計画に含まれる数値予算も、計画やコンセプトから導き出された結果の目標であると言える。

  店舗コンセプトとは競争力の強化である。

よってそれ自体は数値には表れないが、店舗という複数の部門を内包した総合的な存在である店舗という一つのお店の競争力を如何に高めるかが店長の仕事であり、そこに競合店との競争力の差が生まれて行くのである。

商品面だけを捉えれば、本部商品部と部門担当者とのコミュニケーションだけで十分であることが多い。

  しかしお客様の買い回りはワンストップショッピング。

商品毎にまたはカテゴリー毎に色々なお店を買い回るという買物行動は少ない。

  一箇所で食事の支度を整える。

これは昔も今も一番効率の良い買物行動である。
よって、如何に部門の縦割りを強化し、その縦割りの下で現場が強化されたとしても、それは個別の部門の評価は高まるが店舗という一個のワンストップショッピングの対象としての対象としての評価には直接結びつかないのである。

  お客様の来店動機は店舗という一個の屋根の下の部門の役割にある。

店舗内の各部門の役割。

  その役割を明確にし理解し実践する。

この前提が店長が中心となって作成する店舗政策(コンセプト)であろうか。

  要は、店舗としての来店動機(魅力)をどう構築するか。

店舗の魅力は部門の能力の総和ではない。

  お客様として部門毎に期待する魅力は異なるからだ。

その異なる魅力を、まずは店長が抽出し明確にし、部門担当者がその魅力を理解し実現するか否か。

  その根底にあるのが、競合店との格差。

競合店と比較して、この部門はこの部分でお客様からの魅力を圧倒的に得るという具体性。

  よって競合店が異なる個店毎の店舗政策となっていくのである。

それは、誰でもない、店長でしか出来ない役割であろう。

  青果は野菜の価格と旬の果実の単品量販。
  鮮魚は生の品揃えと夜の刺身の単品量販。
  精肉は輸入牛の品揃えと豚肉の味の追求。
  惣菜は弁当類の昼夜での圧倒的な品揃え。
  デイリーは・・・。
  食品は・・・・・。
  ベーカリーは・・。

等々。

  これも第一競合店の強み弱みにより異なるだろう。
  更に本部政策とも異なる部分があるだろう。

本部政策と大きく異なるのであれば、バイヤーとの打ち合わせは必須であろうし、大きな食い違いがなければ両面を重視して実施していく。

  何れにしても商品という武器は不変である。

同じ企業に属するのであれば、商品という武器をどのように売場に陳列して戦うかだけの違い。

  その戦い方からお客様はどこよりも自店を選択してくれるかどうか。

あくまでも、部門毎の強弱の総合体としてのその店舗が他の店舗と比較してお客様が魅力を感じてくれるかどうか。

  その結果が業績となるのである。

決して、部門の業績の総和が店舗の業績とならないところに、この商売の魅力と難しいさがあるのである。


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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
企業の成長=店舗数の増加。
そう考えると、店舗の姿カタチ、そして内部構造や従業員の標準化を徹底させることが一番の近道となってしまった昨今。
しかし時代は常に流れていきます。
その標準化が一気に時代からずれていく可能性もあることを考えると、現場の考える力をどう温存させていくかは小さな組織には絶対に重要なことなのだと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2018年8月12日 (日) 06時11分

店舗コンセプトとは競争力の強化である。
私も同じ意見なのですが、競争力を店舗からか引き出す事が年々困難になってきてると感じています。本部主導のMDやリベート施策もさることながら一番のリスクは人の問題。ルーチン業務をこなすのもままならぬ人員不足。ここには志の近い方々が集まっているのですが社内を見渡すと将来ビジョンを以って前向きに業務に従事する者も残念ながら少数派。管理職が商品補充やレジ業務をこなさないと店舗運営がままならない現状。業績の良い企業は縦割り組織の確立している企業も多い。人のリスクに対抗出来るのは縦割りによる徹底した商品部主導に活路を見出す企業も増えてきている。
スーパーで働きたいと思う職場環境作り。企業として真剣に捉えないと持ちこたえられない現場が今後加速度的に増えていくのを危惧するこの頃です。

投稿: dadama | 2018年8月11日 (土) 14時25分

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