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2018年7月30日 (月)

労働分配率の裏側

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


労働分配率。

  人件費÷売上総利益×100=労働分配率。

概ね、上記の計算で計上できるであろうか。

  利益に対する人件費の割合。

要は、人件費が利益に対してどの程度の割合にあり、人件費が荒利を圧迫しているか否かの指標となる。

  この数値で企業の人件費に対する考え方がわかる。

この労働分配率を低く抑えて利益構成を高めて、内部留保を高めて出店攻勢を高めようとする企業もあろうし、ディスカウント商法にて集客力を高めようとする企業もあろう。

しかし昨今の人材不足の影響もあり、徐々に企業の労働分配率は上昇傾向にある。
また従業員への正しい分配をしている企業は適正な数値になるであろうから、こちらもいたずらに低い数値にはならないであろう。

  労働分配率が低い。

要は、同じ人件費であればより高い利益を生み、同じ利益を生むのにより低い人件費で実現できるという指標。

  企業の荒利生産性の高さの指標となる。

よって、この労働分配率を如何に抑えるかが、企業の一つの目標ともなり、労働分配率の低い企業とは効率的な経営をしている目安ともなる。

それは企業の強みでもあり、その強みを活かすことによって、損益分岐点売上高を低め、競合激化の立地に敢えて出店攻勢をかけることも可能となろう。

  しかし労働分配率の裏側にあるリスク。

それは、働く側から見たその実態であろうか。
労働分配率が低いということは、荒利を左右する売上高の割に人件費が低いということであるし、現在の時給相場から言えば、時給を上げて人材を採用し、その結果として従業員一人ひとりへの負担は相当高まるということでもある。

  従業員への負担。

それは、一人に要求される作業量。
ある一定時間内に要求される作業量の差が、他企業と異なるということになる。

  それはその企業の評価にもなるがリスクにもなる。

要は、働く側から見た時のその企業の働き方に現れる。

  黙々と淡々と無駄の無い作業を要求されるということ。

そして、その要求に応えた従業員のみがその企業で就業する事を許されるということでもある。

  要は、非常に高い能力を要求されるということでもある。

この要求に応え続けられるかどうか。

  ここに労働分配率の高さの秘密がある。

より殺伐とした内部環境がそこには存在する可能性がある。
それは企業によっても違うだろうし、そのまま全ての企業に当てはまる事実でもないだろう。

  しかし概ねの実態は上記の通り。

そして、そのような企業は常に人材不足に悩みながら、より高い生産性に縛られて身動きが取れない環境を自ら作っていくことになる。

  そのような環境を改善しながら如何に生産性を高められるか。

そこに本当の働き方改革があるのではないだろうか。






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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
我々世代になると、この業界での楽しみ方を一番理解している世代なのかもしれませんね。
商売然り、マネジメント然り、酒飲み然り(笑)。
しかしカウントダウンも始まってしまった世代。
もっと以前からその楽しみ方を自分の中で受容できる懐の深さを作っておくべきだったと後悔しております。

投稿: てっちゃん | 2018年7月30日 (月) 22時30分

当社も人手不足による人件費率の低下にで利益を上げているのが現状ですね。売上は頭打ち若しくは逓減傾向なのですがそれ以上に人件費が下がり見かけの利益は増加するアンバランスな状態が続いております。さらにはお家騒動による従業員の自主退職(笑)。結果日々のルーティン業務をこなすのが精一杯で店舗整備度が落ちて行く。スーパーは楽しくなきゃなのですが管理職が一番楽しんでいない。ピエロかもしれませんが私は最後まで楽しみますよ(笑)。

投稿: dadama | 2018年7月30日 (月) 18時44分

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