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2018年7月31日 (火)

率予算を武器に

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


小売業の武器。

  それは販売する商品だけのことではない。

もちろん、商品という武器は直接的にお客様に購入され消費され、そして満足を得る。

  まさに小売の武器は商品である。

しかし、その商品を武器にするか荷物にするかは担当者次第。

  商品を武器として磨き、お客様に届ける過程。

この過程の中でどう武器を活用するか。

  我々は予算という数値で行動する。

予算には「売上」予算、「荒利率」予算、「荒利額」予算、「生産性」予算、「経費」予算、等々が存在する。

  特に、売上と荒利率は大きなポイントであろうか。

更にその中でも「荒利率」はその部門の商売方法を大きく左右する予算となる。

  これを武器にするか重荷にするか。

私は毎年の予算会議で、自店に要求された荒利率を不動に、部門別の荒利率予算を調整する。

  青果部門を武器にするために。

よって、他部門の荒利率を上げてでも、青果部門の荒利率を下げる。

  目的は客数獲得。

それは以前のブログでも記した。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-02a5.html

それは、青果の荒利率を武器にして価格優位性を演出し集客力を高めることにある。

  しかしそれは部門チーフがそれを強みとして活かすことが前提。

それが出来なければ、単なる安売りに終始してしまう。

  今後に繋がらない安売り。

それでは、荒利率を武器にしたことにはならない。

  お客様に、安さを定着させること。

相場の高い時、安い時、旬の走りから盛り、終わりのタイミングでの売価設定。
荒利率を武器にそれらを駆使して絶対的な信頼を勝ち得ることが、荒利率を武器にするということである。

  それを活かせるか否か。

ここが重要である。

  しかしここに課題がある。

担当チーフがその武器を使いこなすには、ある程度の慣れが必要なことだ。

  体に染み付いた荒利率達成のための技術。

しかし、ここではそれは通じない。

  荒利率予算が全く異なるから。

この程度でこの率が確保できる。
その、「程度」の感覚が全く通じない。

  だから当初は面食らうことになる。

逆にいうと、率は容易に達成できるのだが、それに甘んじていては売上が伴わない。

  要は、荒利率を武器に仕切れていないということだ。

思い切った単品量販を、どのタイミングで何を仕掛けるか。

  この的を得た目利きが重要となる。

それも一つの成長過程であろうか。






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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
小売業のサラリーマン化。
個人商店が否定され、企業として組織として役割分担により、数値責任を負わない現場の現状が如実に現れてきているのでしょうか。しかし、最後まで付いて回るのは人によって、売上も利益も荒利率も在庫金額も大きく異なること。
現場が商品や本部機能を武器として捉える発想がお互いに定着させなくてはいけないのかと思います。

投稿: てっちゃん | 2018年8月 1日 (水) 06時08分

時代が変わったと言えばそれまでも知れません。しかしながら我々の仕事の醍醐味は売って儲ける事だと思うのです。勿論数値管理は店舗運営の要なのは十分に理解しています。要であるからこそ机上の計算で終わってはならない。
会社的には社会環境・コンプライアンス等を鑑みると工場的なサラリーマン化を進めたいのでしょうが、現場は戦場であり司令官である店長の作戦をメンバーが理解共有し同じ方向に突き進む・・・このシーンは商売、特にリアル店舗である以上普遍であると思うのです。

投稿: dadama | 2018年7月31日 (火) 19時34分

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