再び切り身魚へ
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
相変わらずの鮮魚部門の業績不振。
企業の鮮魚部門の統括責任者も辛いだろう。
私も鮮魚部門をかじった者として、ここまで鮮魚部門の需要が低下していくとは思っても見なかった。
やはり世の中の魚を取り巻く環境の変化は大きい。
魚の魚価の高騰もあろう。
家庭での調理激減も一理。
食中毒に対する意識過剰。
精肉や惣菜の台頭も要因。
担当者の人員不足が顕著。
とにかく、我々が現役で鮮魚を扱っていた時代と比較しても、世の中の環境は大きく激変しているのは間違いない。
主力カテゴリーも大きく変化してきている。
まず、刺身ではマグロの構成比が年々低下。
要因は価格高騰が大きい。
特売を打てない、平常の品揃えが出来ない、生食需要の低下等々。
逆に、塩干物の需要が堅調。
塩切り身は相変わらず上位カテゴリーを占めている。
買いだめが可能、冷凍保存に向く、比較的安価で購入化等々。
加熱して食すための安心感もあろう。
冷凍技術の向上で味もそれなりになってきている。
鮮魚では丸魚が低下し切り身魚は堅調。
特に、切り身魚でも簡単調理をテーマとした「レンジ対応」や「フライパン対応」が人気だ。
これも時代であろうか。
以前にもブログで記したが、切り身魚の調理技術や販売技術での企業毎の格差が著しくなってきているのが現状である。
切り身魚は男性社員の仕事。
昔からこの事実は変わりない。
男性社員の調理技術や販売技術に企業毎の格差。
これによって企業毎の鮮魚部門の切り身魚の品揃えや提案の豊富さが顕著になってきているのだ。
再び切り身魚で勝負の時代。
鮮魚部門の一つの方向性であろうか。
しかし、昔からの、単に包丁で魚を切り身にしただけの展開では尻すぼみになっていくのは明白。
如何に「美味しく」「食べやすく」「ゴミが出ない」か。
魚は肉に比べてヘルシー感は高い。
特に年齢を重ねていくと、魚を摂りたいという欲求は高まっていく。
しかし若い頃のような体力は無い。
そしてスーパーで購入したレンジ対応商品を購入して食べて見たら、意外に美味しい。
また、スーパーで試食販売していたレシピ通りにパン粉をつけてフライパンで焼いて見ただけなのに、本当に美味しくご飯が進んだ。
そんな声をよく聞く。
今年は、当社もアニサキス対応で、生かつおの腹身は切身提案に切り替わった。
今年の傾向であろうが今後もこの流れは続くだろう。
生かつおを切り身で売り込む。
今年の一つのキーワードである。
そして、パン粉を絡めて揚げた試食を実施したら、お客様の反応がすこぶる良い。
従来は生かつおの切り身提案は少なかった。
刺身提案には向かないものを切り身で展開する程度であったか。
しかし、これからは、切り身で売り込む時代でもあると思う。
こちらも切り身提案としての未来を描きたい。
これから夏本番。
しかし鮮魚は切り身魚を再び強化していこうと思うのだ。
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コメント
かおるさん、コメントありがとうございます。
アニサキス。
当の昔から青魚に寄生する虫でした(笑)。
このアニサキスで腹痛になる患者さんも潜在的に多かったはずですが、なぜそれが表面化してこなかったか。
それは、2012年12月28日の食品衛生法施行規則の一部改正で,アニサキスが食中毒の病因物質の種別として,食中毒事件票に新たに追加された為です。
よって、アニサキスによる腹痛で病院に行ってアニサキスが出てきたら、医者は保健所に届け出る義務があり、その保健所からは売店に営業停止等の処置が下される為、アニサキス問題が一気に拡散したのです。
小売店で腸炎ビブリオが発見されたと同等の処置がされる為、小売業界でも弱気になってきているのでしょう。
投稿: てっちゃん | 2018年5月26日 (土) 23時22分
かおるです
不勉強でよく分からないので少し教えてください。
アニサキスの問題なのですが、アニサキスそのものは昔から普通にいましたよね。
私が鮮魚をかじっていたときも腹を開ければよく目にしました。
昨今、アニサキスが急に問題になり始めたのはなぜなのでしょうか?
何らかの事情でアニサキスの数そのものが増えたのか?
現場から技術者が減って、商品化の過程で除去する技術が低下してきたのか?
あるいは全く別の理由なのか?
SNSによる情報拡散ということもあるでしょうが何か理由があるような気がしまして…。
因みに我が家の魚事情ですが、最寄のお店の魚の品揃えがイマイチで普段は開きなどの塩干を買うようになりました。
基本、グリルも使わずフライパンで焼きます。
焦げ付かないアルミシートを売っていますが、あれは便利ですね。
ちょっと美味しい魚で一杯やりたい時は古巣の魚専門店に行きます。
ブリやカンパチのカマ塩焼きで飲んでいると店立ち上げといてよかったなあ、と思います。
投稿: かおる | 2018年5月26日 (土) 17時46分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
最近は随分と年寄りじみたコメントが多くなりましたね(笑)。
やはり若さを保つ秘密はカルシウムの摂取でしょうか。
御社は鮮魚部門がコンセという言い回しでのテナント。なかなか入り込む余地がないのが寂しいですね。
投稿: てっちゃん | 2018年5月25日 (金) 22時59分
dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
今、鮮魚部門で伸びているカテゴリー。
切り身魚、活貝、海藻、塩干物、たらこ類、エビ、ネギトロ、簡便商材等々。
まだまだ、鮮魚を取り巻く商材で伸びのあるカテゴリーは存在するもの。もっともっと、今伸びているカテゴリーを徹底して伸ばそうとすれば間違いないと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2018年5月25日 (金) 22時52分
k.kさん、コメントありがとうございます。
魚介類の環境の変化によって、海産担当者達も相当厳しい環境に置かれているのでしょうね。
逆に言うと、この逆境の中でも前を向いて進んでいこうとする現在のもがきや努力が必ずその人の人生を切り開いていくのだろうと信じています。
この業界の合い言葉である「変化への対応」。まさにこの言葉に尽きるのだろうと思います。そう考えると、今鮮魚部門に身をおいてこそ、変化への対応を具現化していける人材となれるのではないでしょうか。頑張って参りましょう。
投稿: てっちゃん | 2018年5月25日 (金) 22時47分
最近は若者が頑張っているので安心してサボれます(笑)。手短に・・・寿司は安定している。寿司は惣菜に近いですよね。しかも生食。さらには鯖缶の伸び。魚離れは否めませんが切口次第ではまだ伸びしろはあるのだと思います。最近お歳のせいかトンカツよりも白身のフライが食べ易くなりました(笑)。
投稿: dadama | 2018年5月25日 (金) 22時08分
日本人の魚離れはいつからなんでしょうか? 昔はどこの家庭でも週に何度かは魚が出ていたと思います きっと共働きの家庭が多くなり調理の時間がないのでしょうね 健康にもいいから魚は食べたいはず 切り身にしての提案はお手軽で売れると思いますしかし、できるだけ骨を取らなくては売れませんので人員不足で手間もかかりますがチャレンジしたいと思い 早速当店の魚屋さんでパン粉付きで提案!よく売れました!と感謝されました(笑)もっとも、パン粉付きで一番売れたのは えびふらゃあ でしたが(汗)まぁお客様が魚売り場に再び興味を持って頂ければいいのですが(涙)
投稿: dondon-ki | 2018年5月25日 (金) 13時34分
現役鮮魚担当として本当にありがたい話題です。当社も全社的に下げ止まり先がみえません。部長クラス、またSV,バイヤーも1~2年で交代。でも現状打破が出来ない。根本的に改善出来ない。就業絡みのコンプラ順守、若手とベテランの考え方の乖離もありどこまでいけば底があるのだろうといった状況です。先日、某株主の件で皆様にお知恵を拝借して心が落ち着きました。良い事、悪い事、やるべき事など勉強が足らないのを実感しています。
初夏の生切り身提案。いいですね~ ムニエルばかりじゃなく唐揚げ等の提案、簡単、簡便品の提案。地域差がある商材ですが当店でも強化していきます。
しかしながら問題は梅雨明けからです。一気に生切り身、干物などが落ち込み生食、刺身、レトルト系真空パックの焼き魚が大頭してきます。あくまで当地区に限っての話ですが。
何故か。 火を使いたくない→暑い,熱いから。刺身、生食、生珍味、うなぎ含む出来合いの照り焼きなどが売れ出す。干物、生切りが一気に落ち込む。
でも精肉の豚小間、バラはそんなことないんじゃ? 同じフライパン料理でも何故に違うか。
私が思っただけの話なので流してほしいのですが、残臭。残り香が嫌なんじゃあないかなと思ったのです。これは自分で料理、片つけまでやってみないと解りません。鮭など焼いた後ののグリル掃除は嫌な臭いは感じませんが干物の後は暑い時期は嫌です。 肉はどうか、そんな嫌じゃないですね。個人的感想ですが共感してくれるパートさんも数名いました。
でも田舎ですので最も避けたい煮魚用の冷凍切り身は何故かこの地区に限ってはよく売れます。馴染みがあるからでしょうね
不信を打破すべく必要な施策。当たりもあればはずれもある。本部主導の決定事項等もはずれが多いです。何が何でも目標PIはやれというので当店含めた近隣店舗でロス、廃棄が70%超えても作ってます。 もう不信感しか本部にないですよ、某大学の某部活と同じになってきてます。つっこめば逃げてしまうか、遠回しに首にされるかなのでつっこみませんけどね(*^_^*) 初夏、真夏をどうにか乗り切っていきたいですね!
投稿: k,k | 2018年5月25日 (金) 09時04分