« 決断する為の判断基準 | トップページ | 人間の器 »

2018年5月 9日 (水)

ローテーション

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


部門チーフの最大の悩み。

  それは従業員同士の揉め事。

特に、部門チーフとしては部下であるパートさん同士の揉め事に頭を悩まされている方も多いだろう。

  なぜ、揉め事が起こるのか。

不公平感から生まれてくるものがほとんどである。

  不公平感。

チーフは私には過失を叱るのに、あの人には叱らない。
チーフは私にはいつも辛いこの仕事を与えるのに、あの人にはやらせない。
なぜ、私とあの人で給与格差があるのか、能力の差があるのだろうか。
私の業務は難しく、あの人は簡単なのになせ時給は同じなのか。

  仕事の差と時給の差、そして上司の待遇の差。

これらの差が、自分としては不公平と感じる部分があると、揉め事の温床となる。

  上記の現状をどう変えていくと揉め事がなくなるのか。

我々はどうしても、人に仕事を与えてしまう。

  この人は「刺身」あの人は「値付け」こっちの人は「切身」。

このように、その人の特性を考えて、その人にある一定の役割を与えてこれを固定化してしまう。

  これが一番簡単に効率を高める手法でもある。

しかし、この手法で人に役割を与えて専門家させてしまうと、上記の揉め事が生まれる温床となるのである。

  どんなに仲の良い仲間でもいずれ揉め事の当事者となるのだ。

これは、男と女の違いから生まれる特性かもしれない。
また、社員とパートの違いからくる特性かもしれない。

  何れにしても、人に役割を与えるという手法は揉め事の温床となる。

では、どうすればいいのか。

  役割に人を与えるのである。

人を固定して役割を与えるのではなく、役割を固定して人を与える。

  そして、いずれその役割に与える人を変えていく。

要は、誰でも「刺身」ができ、誰でも「値付け」ができ、誰でも「切身」が出来るという組織を作り上げる事である。

役割をローテーション化して、誰でも出来るようにする事だ。

  “そんなの無理!”

しかし、やるかやらないかだ。

  全員がオールマイティーな組織には揉め事は起こらない。

なぜか?。

  助け合えるからだ。

全員がオールマイティーに仕事が出来るようになると、人の痛みがわかるようになる。

  他人の役割の厳しさがわかるから。

それは、自分もその役割を知っているからわかる痛みである。
それがお互い様になり、自分の役割で比較的楽なときは、難しい役割の人へ応援に回ろうとする意識が持てるようになる。

  特に女性は他者との関わりを重視する。

他者の仕事が理解できると、貸し借りの関係を積極的に行い、持ちつ持たれつの関係が構築でき、これがチームワークの構築に繋がっていくのである。

  “うちは人がいないから無理”

店長が人を採用し、採用された人材を部門チーフが戦力として育成する。
しかし、大切なのは、働く従業員がお互いに存在価値を認め合い、チームワークを構築できる環境整備が重要なのである。

  その為には人がいようがいまいが環境整備が優先なのである。

人が辞めないで充実した人材を擁する部門や店舗となれるか否か。

  最大のポイントはここであろう。




|

« 決断する為の判断基準 | トップページ | 人間の器 »

マネジメント」カテゴリの記事

コメント

dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
全部門の時給を一律化。
相当の覚悟を持っての決断だったと思います。
しかしその裏側には必ずローテーション化を図ると言う強い意思も感じますね。
そう簡単には結果は出てこないと思いますが、半年後の進捗状況をぜひ教えてください。応援しております。

投稿: てっちゃん | 2018年5月10日 (木) 06時40分

現実問題として多能工化は人員の少なさから避けては通れない問題となっていますが 多能工化することにより不平不満が減る事も事実で更に言うなら効率と公正もレベルアップしていきます 1人の方に専門化すると どうしてもワールドを作ってしまい非効率なやり方やルールに反するやり方が当たり前となり店長と言えど その方が居なくなった時の事を考えると今後の運営を気にして言えなくなる事も…しかしながら それを崩せるのも店長しかなく 辞められるのも覚悟で改革しなければなりません
部署 部門を超えた店舗全体での運営 これの一環として時間給を全部門一律にしました
さて これからどんな不満がでるのやら(笑)

投稿: dondon-ki | 2018年5月 9日 (水) 23時38分

k.kさん、コメントありがとうございます。
職人を見て育ってきたパートさん達がいつしか職人化してしまう。それが現実ではないでしょうか。
社員に職人はいなくなったがパートさん達にはまだまだ残っている現実。
そうしてしまってきた現場の我々世代の大いなる反省点でしょうか。
しかしその現実から課題解決の為に現場で泥まみれになって奮闘するチーフも沢山いる。その成功体験を積み重ねた現場の人間達を評価していち早く店長という職位を用意させて、彼らにオールラウンダーとして活躍できるステージを用意してやりたいですね。

投稿: てっちゃん | 2018年5月 9日 (水) 06時30分

共感します。

まったくもってそれが理想ですね、特に鮮魚、デリカ、ベーカリーは生産部門。青果も一部はそうですが。
 技を必要とする仕事はある程度固定していないと効率が良くならないのも事実。
 専門家になってしまうとハレの日のお刺身もチーフ、サブ以上の生産性が良いパートさんもいますね。
 この人たちが毒を吐く。自分が休みの次の日のコールドテーブル内の定位置がずれてるだけで文句、雑用メインの新人パートさんにも楽でいいね、時給大して変わらないんだから明日から代わろうか(出来ないのを解っていて言うセリフ)

 専門家はいりません。

反って障がい持ったアルバイトさんのほうが素直でチームワークを乱さず協力して廻せる時もありますね
 どう転んでも当店もパートさんは皆60過ぎ、再雇用も体力、気力次第。
 オールラウンダーにすべくそろそろ新人さんを入れてもらいたいが募集しても時給を鮮魚だけあげても全く来ないのが実情です。
 いる店には若い奥さんパートさん鮮魚にも多くいますよね、やはり口コミの影響でしょうか。
それも含めてどう払拭していけるか、またスーパーの魚屋にどう興味をもってもらえるか。
 これは店長だけでなく現場の私たちの仕事かもしれませんね

投稿: k,k | 2018年5月 9日 (水) 04時10分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ローテーション:

« 決断する為の判断基準 | トップページ | 人間の器 »