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2018年5月16日 (水)

部門チーフという職位

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


部門チーフ。

  企業によっては色々な呼称があろう。

チーフ、主任、マネージャー、係長、課長、等々。

  結局は部門の責任者という地位。

大抵は新入社員としてある部門の担当者として店舗に赴任となる。
そこで、数年間の担当者を経験し、評価されれば責任者として昇格する。

  担当者と責任者では雲泥の差がある。

責任者ともなれば、その名の通り、数値責任、教育責任、売場管理責任等部門に関わる全ての責任が問われるのである。

店舗内では、店長や副店長という上司はいるものの、部門に関わる上司は存在しない。

  よって部門内では自由に裁量を発揮できる。

裁量を自由に発揮できるということは、ほとんど誰にも左右されずに販売計画や発注数量を決定し、自ら売場作りをして売るという行為を成すことができると言うことだ。

  バイヤーやスーパーバイザーからの関与はあるだろう。

しかしそれだって毎日のことではない。

  そして商品の動向に関しては誰よりも身近な感度を持つことができる。

そのお店の商品動向に関しては、誰よりも詳細に把握していると思われる。
そして、その感度が明日への商売の土台となり、数量計画、売場作りから数値結果という反動を受け取るのである。

  私はこの部分での数値コントロールが好きだった。

数値をコントロールする。

  売上、荒利、ロス、在庫等のコントロール。

売上もコントロールできるの?。

  要は単品の仕掛けの積み重ねが部門売上となる。

よって、単品を売れる売場にして陳列し、販売計画によって導き出された数量と売価と売れ数から利益が創出され、その積み重ねが利益率に跳ね返り、売上も昨年と比較できるようになる。

  どうすれば売上を上げられるのか。

それは、単品の販売数量を高める販売技術を高めて、昨年の自分よりも進化していければ必ず売上は上がっていくものだと思っていた。

  それは今でも真実ではないだろうか。

その過程で商売の真髄が少しずつ見えてきたのも事実。

  それは販売力だけに止まらない。

販売技術はもちろん、荒利マネジメント、在庫マネジメント、人材マネジメント、売場管理マネジメント、更には対市場との関係においても、市場の連中との取引から対外交渉力も学ぶことが出来た。

  商品を通じて人が成長する醍醐味。

これが商売というものであり、仕事の醍醐味であることに気づいたのである。

  そのことに気づくかどうか。

その段階で自分はこの道で生きていけるという自信がついたのも事実。

  入社して5年目のことであろうか。

むしろそれまでは不安と迷いの連続であった。
そして、その自信は、その後の副店長や店長という職位においても十分に役立つ自信でありマネジメント力であることに気づくのだが。

  商売の真髄はチーフ時代でなければ身に付かないもの。

それは、直接商品を扱う部門に属していない限り絶対にわからないからだ。
そして、その醍醐味を如何に多くの部下や上司と共有できるかが、この業界でのマネジメント力なのだろうと思うのだ。







 

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商売」カテゴリの記事

コメント

sakaeさん、コメントありがとうございます。
「この業界の教科書」
嬉しい言葉ですね。
しかし、この業界は変化の激しい業界。
よって、このブログも常に最新の情報と現場のリアリティーをどこまでも追求していきたいと思っております。
今後とも、よろしくお願い致します。

投稿: てっちゃん | 2018年5月18日 (金) 22時32分

はじめまして。
私はこの業界に入り精肉一筋10年目の者です。今年度からはリニューアルオープン予定の店舗のチーフを任され、オープンに向けた準備で今は大変です。
チーフになり3年経ちますが、チーフという役職は業務が広範囲なためか全く飽きない役職ですね。売場作りから数値管理、人材育成、リーダーシップなど学びが多い毎日を送っています。最近は売れる商品をいかに育てるかを意識して仕事をしています。
このブログは仕事が終わりに1日の仕事を振り返りながら毎日読んでいます。過去の記事やコメント欄も参考になることが多く、この業界の教科書みたいなブログですね。

投稿: sakae | 2018年5月18日 (金) 17時26分

dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
私が知る限りの御社の店長や部門チーフの方々は、自分が関与する売場や商品、そして発注巣量に到るまで関与し、更には自店のお客様の特性を考え店舗レイアウトの変更までしてしまうという特権を持っていると認識していましたが、これはごく一部の方の行動だったのでしょうか(笑)。
何れにしても、自店や自部門の業績に対する責任とそれと連動した給与体系も含めてもう少し業績に対する認識を企業全般に現場の担当者や店長が持つという部分を底上げしていかねばならないと認識しております。

投稿: てっちゃん | 2018年5月17日 (木) 05時42分

皆さん羨ましい限りです そのくらいの気概が弊社にも欲しいものです 本部のMDは参考書であり店舗毎に違うはずなのに それをキチンとやろうとするチーフ達 またそれをやらせようとする本部スタッフ そこにお客様に向けた商いはなく支持されて売上が上がるはずがありません リベートまみれの商売でメーカー主導のMD それはグロッサリーに限った話ではありません 更に深刻なのはそれを理由に売上が悪いのは本部MDが悪いからと逃げ口上にすること 発注権限もなく売場も持たない店長 現場のチーフさんこそが店舗の存続や会社の存続の根源なのにトップもチーフさん本人達も認識が薄いと思います
店長が考動できるチーフを何人育てる事ができるのか?
商社は待ってくれなく時間のない中焦る日々を送っています

投稿: dondon-ki | 2018年5月16日 (水) 22時23分

k.kさん、コメントありがとうございます。
調理技術が加味される鮮魚部門は担当者の腕が随所に発揮できるとう意味でやりがいのある部門と言えるでしょうか。
そして色々な調理法があり、経験が物をいう部門でもある。だから担当者次第で売上も粗利も大きな格差が生じる世界。しかしやはり何事も経験しないとダメ。だから積極的に魚を仕入れて売り込んで見ることが販売技術アップの近道と言えるでしょう。

投稿: てっちゃん | 2018年5月16日 (水) 21時44分

今日の話題は嬉しいですね(^^♪
先月は青果部門が予算、粗利ともに達成で店長から褒められてました。
 デリカも売り上げはそこそこながら粗利達成で同様に評価されてました。
 最後に鮮魚。 売り上げはまあいい。中身が・・・ 慈善事業じゃあないんだからね!
 くどくど叱られっぱなしでした。 今月に入り生カツオの昨対は無理として何をやるか。
 色々とやってます。 売り上げは何故か二ケタの伸び。中間の粗利も暫定で達成してます。サビ残もなく帰ることも出来てます。
 柱を欠いたからこそ出てきた知恵?でしょうか。 馬鹿な頭でも悩んだ時間に応じて知恵が絞りだされるのでしょうか。
 チーフという職位はある意味最低より一つ上のランクですが楽しいです。当然お叱りも沢山受けますし人のやりくりも大変ですが直接部門の数字をいじれるのはSVでなくバイヤーでもなくチーフですからね。
 近海魚の加工もおじさん職人社員(私含めて)でマニュアル無視の盛り方、量目、またマグロの解凍方法等含めて勝手に見直ししてきた結果が粗利に直結してます。
 チェーンストアではありえないんでしょうが、結果がすべてにも思います。
 若い子たちにも見ていいけど真似するな!っといってます。マニュアル君はやらないでしょうけど。 全店で逆ロス出ている数店舗の中のトップになりました。このままいけば完璧な数字残せるでしょう。
 来月は新店応援など何度か入って気せわしいですが、頭が三角になるほど考えて策を出して乗り切りたいと思います。鮮魚は楽しいです。!

投稿: k,k | 2018年5月16日 (水) 21時07分

たく坊さん、コメントありがとうございます。
青果部門。
ある意味、お店の顔として一番競合店に対して競争力を求められる部門であり、だからこそやりがいもひとしおの部門ですね。
「売上が上げられず」
しかし、日々悪戦苦闘の連続から必ず見えてくる「売れる仕組み」があります。
これは間違いなく、悪戦苦闘を経験しなければ見えてこないもの。
ぜひ、この売れる仕組みを一年二年とかけて学んでいってください。
今後ともよろしくお願い致します。

投稿: てっちゃん | 2018年5月16日 (水) 19時34分

はじめて投稿します
私は青果部門のチーフになり半年になりますが、売上が上げられず日々悪戦苦闘してます
勿論、上司からのアドバイスを含め日々自分なりに考えて毎日頑張っています
これからも、ブログ内の色々な意見をまた参考にさせて頂きます

投稿: たく坊 | 2018年5月16日 (水) 19時01分

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