センター化
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
食品スーパーの強み。
店内加工で鮮魚、精肉、惣菜を製造、販売する強み。
それによって、他業種からの参入に対して、生鮮の強みを強化していこうとする食品スーパーが増加していると聞く。
しかし他方では生鮮のセンター化も激増しているとも聞く。
先日もある業界紙を見ていたら、都内のスーパーが今年度にセンター化を急ぐとの記事。
“背に腹は変えられないか”
生鮮強化とは言え、それを担う人材がいなければ絵に描いた餅である。
インストア化とセンター化の両立。
そして、人材をセンターや商品化の価値創造すべき所に集中させる。
それも一つの案であろう。
人材不足。
この業界もいっとき人材不足に悩んだことがある。
バブルの時代。
その時代には、3kと揶揄された生鮮のバックヤードの清掃や臭いの排除、更には生鮮チーフとは言え、革靴で仕事をさせる旨の働き方改革を実行し、如何に3kイメージを排除しようとしたり、マグロのサク納品による作業の軽減を図ったりもした。
しかしバブルが弾けると人材も戻ってきた。
しかし、人口減の時代ではバブル期と異なり、構造的な人材不足になることは間違いない。
そのことへの対応が都内を筆頭に着々と進められているのだろう。
まだ、地方ではその圧迫感が忍び寄っていないのだろう。
給与と仕事。
働き場が豊富な都内や都心と地方との就業意識の違いが明確に別れているのかもしれない。
そんな都内の企業は率先してセンター化を図っている。
それはいずれ地方にも及んでいくのであろう。
生鮮人材の不足。
パート募集でもなかなか生鮮、特に鮮魚、精肉への応募は極端に少ない。
それが更に生鮮パートナーたちの高齢化に繋がる。
それを正社員がカバーしてきた経緯。
しかし、昨今ではその正社員の退職が後を絶たない。
一度入社してみたものの当初の夢を追いたい。
入社2年目程度の経験から早期退職するのはわかるが、現代では入社3年目以降の中堅社員やチーフクラスでさえも退職していく。
センター化は必須の選択。
そうなっていくのだろうか。
ますます差別化できるカテゴリーが縮小していくのか。
自ら近隣の市場に出向き、自分の目利きで商品を仕入れて売り切ってきた時代から、生切身ですら、2切れ、3切れをパック発注納品して、店舗は陳列するだけの時代へ。
しかし、背に腹は変えられない。
そんな中で、中堅スーパーや中小スーパーはどう進み、どう生き残っていくべきなのか。
そう考えた時のこの業界の未来図。
そして売り手市場の現代の就職事情。
人事採用担当者は頭の痛い時代が続きそうだ。
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コメント
dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
鮮魚部門の商品化を固定作業として捉えれば、冷凍のマグロやサーモンのみで徹底した単品量販を可能にさせる。
しかし、それもいずれアマゾン等の領域として無店舗販売の領域に駆逐されていく。
そう考えると、丸魚から捌いてそれぞれの用途に応じた調理をし、刺身提案、切り身提案、カルパッチオ提案等を店舗側がその魚に応じて提供していく。
しかし、余計なメーカーパック品は他部門に移管する。
どう選択していくかですね。
投稿: てっちゃん | 2018年4月17日 (火) 06時56分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
自社や業界の強み弱み。
そして今後の人材確保。
今、食品スーパーは今後をどう選択して行くべきか。
私は、鮮魚部門や精肉部門で持つアウトパック商品群(珍味類のパック品や加工肉類)は他部門に移管してもいいと思っています。
逆にインストア商品は徹底してインストア化する。
更に、品出しは品出し専門の人材が受け持つ。
そこまで行くと方向性が不安ですが汗。
投稿: てっちゃん | 2018年4月17日 (火) 06時52分
先日当店の鮮魚テナントとの話し合い 売上が悪い、 どうして?、旬の魚の質も悪く思うようにならない 、先日驚安のD社に研修(笑)に行ってきたけど マグロばっか とか 人気の3種盛り とかやって売れてたよ 何かひらめいたようでした
センター化して入ってくる素材は割と安定して入荷してくるマグロやブリ、サーモンだけです
しかしながら、その素材を徹底して売込む事もできる マグロしかない刺盛り 売場にマグロとブリ、サーモンしかない刺し盛り それでも買われる現実
センターから柵で送られてくる素材を上手く利用しているなぁ と感心しました
投稿: dondon-ki | 2018年4月16日 (月) 22時07分
私見のセンター化による功罪。メリットは店内加工から品出しのみになるので朝の完全開店が容易。集中加工にる品質の安定化及び原価低減。(商品原価は上がりますが店舗人件費低減による相対的原価の低減)。リスクは一日の流れの調整が出来ずチャンス・見切りロスの増大。牛肉等鮮度価値軸の商品のリードタイムのリスク及びシズル感の低下。等が考えられます。何れにしてもお客様に対するメリットは何かを考えないと同じ方向に向かう競合と差別化がしにくくなる。お客様目線のセンター化。企業論理のみのセンター化は同質間競争に陥るリスクもあり、薬屋の肉とか驚安の肉と戦わなくならざる得ないのかも知れませんね。
投稿: dadama | 2018年4月16日 (月) 20時35分