グローバルの落とし穴
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
よく、グローバルなものの見方をせよ、と言われる。
大局的にものを見ること。
世の中の動き、人々の暮らしの変化等を把握して、店舗の品揃えやイベント時の販売計画やレイアウトの提案をせよと言う意味である。
確かにその通りだ。
世の中の変化や人々の暮らしの変化に対応していくのが我々小売業の使命であり仕事でもある。
そして、その変化に対してどのような方向へ進もうとするかを企業トップが決断し本部スタッフとともにより具体的な商品や売場に連動させる。
その具体策を本部から一括して店舗へ伝達され、店舗で具現化されていくのがチェーンストアの特性でもある。
流れは一方的な上位下達。
本部指示を店舗が履行する。
流れはあくまでも上記のような上位下達。
しかし、各店舗で働く従業員、特にパートさん達も生活者である。
世の中の変化を作り出す一般人。
生活者でもあり店舗の従業員でもある彼女らの立ち位置を店舗のリーダーが認識することによって、彼女らの能力を活かせるかどうかが決まってくるのだろうと思う。
変化に応じた商品の提案。
例えば、従来の魚の食べ方である「煮付け」と言う料理法。
しかし昨今はソテーにして食べると言う方も増えてきているだろう。
煮付けかたソテーへ。
そのような方針が出され、鮮魚部門でソテー用に提案して売り込むと言う指示が出されたとする。
本部指示通りに骨を取り薄くカットして商品化した。
しかし、売れない。
当然である。
これだけではお客様に何も伝わっていないからだ。
「神は細部に宿る」
このような諺がある。
本当に素晴らしい技術やこだわりは目に見えにくいことの例え。
売れる売場と売れない売場には、言葉には言い表せない技術やこだわりが存在し、それは実際の売場を見て、そこにリアルに来店されるお客様にしか伝わらない臨場感があるものだ。
その臨場感こそが重要なのである。
臨場感という言葉を使って、簡単に伝えようとするが、その臨場感という言葉の意味の裏側には、商品技術、陳列技術、販売レイアウト、売価設定、SKU作り、説明POP、さらにはそこに販売員がいて更に臨場感を増せば更に売れていくだろう。
それが現場力である。
その現場力は先ほども言ったように、細部に至るまでゆるぎのない単品量販技術が施されているのである。
最終的にはお客様に伝わるかどうか。
お客様に伝わるとという言葉を使って、簡単に言っているが、お客様はその真鱈を使って、家庭に持ち帰り夕食の献立の一つに加えようと具体的なイメージを持てるかどうかにかかる。
この具体的なイメージをどう売場から連想させるか。
そこに、実体験者であるパートさんの知恵がものをいうのである。
神は細部に宿る。
本部情報というグローバルな視点の情報を有効活用して、現場で如何に細部まで手を作りして売り切るか。
この細部をどう磨いていくかが現場力なのである。
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コメント
dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
商品の価値感と価格の安さ感。
それをどうミックスしていけるかが鍵でしょうか。
客観的にも非常の興味のある今後ですね。
投稿: てっちゃん | 2018年3月 9日 (金) 00時27分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
何れにしても、企業というブランド以上に個店に対してのお客様の指示の高さが明暗を分けるのだろうと思います。
よって、個店によっては勝っている企業も違う個店では負けるという現実。
色々な事情はあるでしょうが、やはりそこのお店の店長を中心とした店舗力、現場力で決まってしまう時代になっていくのだろうと思います。
投稿: てっちゃん | 2018年3月 9日 (金) 00時24分
本部という川上から流れてきた商品と情報 それを具現化するのが店舗だとは思いますが それは大きな流れであり大局で、それが地域のお客様に受けるとは限りません その情報と商品をアレンジして個店に合わせるのが店舗力だと思います しかしながら弊社の場合 本部縮小に伴いバイヤーの多忙化 結果メーカー主導のMDとなりお客様が買いたい商品でなくメーカーが売りたい商品の売場になっています 値入れ条件もありそれを売らないと怒られる担当者 NBは結局、価格競争に巻き込まれレッドオーシャンへと突き進む 本日、相手が諦めるまで価格対抗する 新業態 店舗が弊社ではスタートしましたが どれだけNBをうまく使いこなせるか?という力量が担当者と店長に更に求められ能力を試される時代なんだと思います
投稿: dondon-ki | 2018年3月 8日 (木) 22時11分
企業理念とストアコンセプト。極論を申せば企業理念がお客様に認知され商品もブランディングされているのであればストアコンセプトは必要ない。店舗も本部のMDを信頼し愚直に実行する事でお客様には受け入れられていくのだと思います。ある企業のバイヤーの業務を拝見していると企業理念に基づいた仕入に徹する企業は仕入に「訳」が存在し、その訳を丁寧に店舗に落とし込むことで店舗も商品のメリットを理解し自信を以って販売していく。作と演が互いに信頼し合う事で商品もブランディングされていく。ストアコンセプトを重んじるのであれば本来は本部も個性を柔軟に認めなければお客様の支持は得られない。話題の企業(笑)は規模は大きくとも個店主義に徹する。お客様に共感出来るお店をどのように作り上げるのか?指針・理念・コンセプトは様々あれどお客様にはっきりと分かり共感して頂かないとなかなか安定した成長は難しい時代となりましたね。
投稿: dadama | 2018年3月 8日 (木) 08時58分