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2018年3月22日 (木)

自ら捨てる

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


自分で作ったものを自分で捨てる。

  これ以上寂しいものはない。

自分で積み重ねてきたもの、自分で育ててきたもの、自分で確立してきたもの。

  それらを捨て去るということ。

それは、今まで歩んできた道、自分で確立してきた自信を全て破棄するということであり、それは屈辱であり、自信の喪失に他ならない。

  だから鮮魚部門は時代に適合できないのかもしれない。

私も鮮魚部門で育った端くれである。

  この業界で鮮魚部門に配属されたことを誇りに思っている。

そして、鮮魚部門の旬の展開や刺身の製造売り切り、更には年末商戦やお盆商戦といった鮮魚部門の花道での盛り上がり等を経験してきて、売場作りや単品量販を通して売れる売場つくりの店舗への波及も実践してきたと思っている。

  全ては鮮魚部門を原点としている。

そして、鮮魚部門の今までの成長や進化を牽引してきたとも思っている。

  刺身や丸魚の強化。

これはスーパーにおいての鮮魚部門の進化の歴史でもあろう。
特に、内陸の地域での鮮魚部門は塩干物や塩鮭鱒、魚卵等の売上をベースにしてきたのだが、そこに刺身類や丸魚類を地道に強化してきた結果、現在のチェーンストアにおけるスペースレイアウトの中でも刺身丸魚がしっかり確保され、お客様の購買率の高まりを高めてきたと自負しているのである。

  それは鮮魚出身者が抱く自信でもあろう。

私は今、鮮魚部門の華である刺身というカテゴリーを強化部門から外そうとしている。

  ずっと刺身を強化し続けてきたという自負。

そしてそのことによってスーパーの鮮魚部門がお客様から高い支持を得てきたという自負。

  その自負を今捨てようとしている。

寂しいことであり情けないことである。

  しかし今ここで捨てなければ明日は無い。

その勇気を今持たなければ、永遠に鮮魚部門は時代から取り残されていくような気がするのである。

  捨てるというと大げさではあるが。

今後の成長が望めないカテゴリーに必死にしがみつくよりも、次代に向けて新たなカテゴリーをどう強化していくか。

  それを模索してみようと思っている。

そのように方向転換しなければ、鮮魚部門の利益は残っていかないだろう。

  刺身という鮮魚部門のカテゴリーにかっての価値は見出せない。

それは、刺身に対してのお客様が感じる価値が低下している時代だからである。

  自分達で育ててきたものを自分で捨てる勇気。

そして、その結果として鮮魚部門の荒利益は回復の兆しを見せている。
特に、スペースに比較して売上の低いお店の利益が大幅に改善され始めてきた。

  鮮魚部門は活きの良さと粋の良さ。

それは、今後も変わらない方向性であろうが、そのことに囚われすぎて本来の目的を見失ってはいけない。

  最後は結果でありそれがお客様へ近づくこと。

鮮魚部門に対する、最近の近づき方である。







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コメント

dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
以前のようにある程度広範囲な商圏を見越した食品スーパーの存在はなくなっていくでしょうね。逆に1k商圏内のお客様は絶対に逃さないという姿勢が大切でしょうか。そのお店が地域にあってそのお店でなければ品揃えが無い商品や従業員が存在するという差別化。唯一無二の存在になれることを目標としていきたいですね。

投稿: てっちゃん | 2018年3月23日 (金) 06時41分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
軽い気持ちでテーマ設定したのですが、結果的に重い内容になってしまいましたね。
軽く「切り替える」というイメージで提案したかったのですが、自分が歩んできた道だけに想いが重くなったようで(笑)。
鮮魚部門と精肉部門の売上バランスが大きく崩れていく現代。なんとか出身部門の立て直しをと思っているのですが、本部提案の従来型のスペースレイアウトと縦割りにいつまでもしがみついている時代でもないと思い、自分なりの考えを店舗で表現しようとしているのですが、もう少し結果を見て見たいと思っています。

投稿: てっちゃん | 2018年3月23日 (金) 06時36分

自らを捨て去る 師匠の言う通り本当に重い言葉です 弊社は正にこの言葉に直面しています ディスカウンターに会社自体が舵を切った 社内では期待感を持つ方も多いと思いますが 半面は今まで取り組んできた事を全否定されたような失望感 長時間営業というワークバランスも含めSMは何処に向かっていけばいいのか? ドラックや更なるディスカウンターの台頭 少ないパイの取り合い アメリカの様にSMやGSMがコンビニ化するのは この国でも時間の問題だと愁う今日この頃です

投稿: dondon-ki | 2018年3月22日 (木) 22時58分

今日のタイトルは重いですね。部門だけに留まらず全てを捨てる可能性・・・時代の流れとは言ってしまえばそれまでですがその流れをぐ愚直に捉え常に進化する姿勢を怠ったツケが一気に襲ってきた。本部がいくら賢く立派であってもお客様にお伝え出来るのは現場しかない。今更ながら両輪の大切さを感じるこの頃です。

投稿: dadama | 2018年3月22日 (木) 21時15分

コメントありがとうございます。
世の中は魚離れと言っていますが、魚を食べなくなったのではなく、家庭で調理をしなくなっただけのことかと思うのです。逆に、鯖の缶詰は相変わらず売れている。従来のスペースレイアウトから今後のトレンドを追ったレイアウト構成へと変化させ、新たなトレンドのカテゴリーを強調した売り場と商品展開に移行させていく必要はあるでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2018年3月22日 (木) 10時29分

かつての花形部門もいまやお荷物(笑) あがいても支持率、買い上げ率は低下。単品単価が上がっているので売り上げはそこそこ立っている現状ではないでしょうか。
私は鮮魚中心ですので逃げ道はありません。だから捨てられません(笑) 
刺身も確かに利益に直結するので毎日一番気に掛けるところですよね、ハレの日だけは構成高くなりますが他の日はきつい。他店も売り場縮小で日配の売り場になってます、又は加工肉。これはこれで時代の流れです。
新規簡単レンジアップ商品も都会な店舗は実績がいいです。おばあちゃんがお客様のメインの店舗はそうもいきませんね。 
 自ら誇りを捨てる。大変な事です。時代遅れの商売にいつまでもしがみつくより新たなカテゴリを伸ばす。おっしゃる通りです。
 私はずっと楽しみながらあがいていきますよ~ いつも楽しく勉強させてもらってます!ありがとうございます。
 

投稿: | 2018年3月22日 (木) 05時51分

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