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2018年2月13日 (火)

技術の伝承

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


販売技術の伝承。

  企業にとっては重要な課題であろうか。

しかし、現実は遅々として進んでいないもの事実。

  なぜか?。

理由はいろいろあろう。

  最大の理由は働き方改革?。

就労時間が以前に比べて圧倒的に短くなり、ルーティンとしての売場維持が精一杯で、とてもとても教育する時間が取れないという現実か。

更には、人員不足にて、同様に売場維持が精一杯で教育する時間が取れない。

  現実には売場維持もままならない現実。

従来であれば、就労時間も人員も十分に満たされていたことにより、一日の流れの中で教育する余裕や学ぶ意欲も現代とは別物であったような気はするのである。

  しかし、私はそこが問題ではないと思っている。

それは、調理技術や販売技術という昔からの売れる仕組みを理解し習得しているに越したことはない。

しかし、その技術が現場で有用な能力たり得ない現実に直面しているのも事実。

  それはどういうことか?。

要は、昔からの調理技術や販売技術を有して現場で発揮しても、昔のようにその技術が圧倒的な差別化としてお客様に支持される局面が減少しているということである。

  かっての技術が効果を発揮しない。

それも現実なのである。

  魚を捌いても売れない。
  刺身加工しても売れない。
  鮮度バリバリなのに売れない。

要は、お客様の必要とする提案と現場の提案がミスマッチと化してきているのが本質なのではないだろうか。

  そう言い切るのは私自身も悔しいが。

しかし、お客様の求める商品提案と我々が訴求する商品自体に徐々にギャップが発生していることが、販売技術の伝承を企業自体も我々自体も本気で考えなくなった本質なのではないかと思っている。

  お客様が求める商品提案。

それは、従来であれば鮮度や品質、更には調理技術と言った、素材を如何にレベルアップするかに焦点が絞られていた。

そして、我々はその焦点に合わせて技術を習得し売場に放出していったのである。

  その結果としてお客様からの高い支持を得ていた。

しかし今やお客様が求める商品提案は、鮮度や調理技術といった素材への回帰ではなく、別も次元に変化していこうとしている。

  これをパラダイムの変化というのであろう。

素材の差別化から、簡便性やキッチンを汚さない商材、更にはアルコールの嗜好の変化からくる食材の変化等々。

  “これなら間違いなく売れる”

そう思い込んでいた商品が、いくら価格を出しても売れない。

  それが現代である。

だから、常に今後の商売を考えていかねばならない。

  それは従来の技術の伝承以上に重要な課題。

そのような認識が企業にも現場にも忍び寄ってきている結果として、従来の技術の伝承という課題が棚上げされているのではないだろうか。

  これからの時代に売れる商品と売り方。

ここに焦点を絞って商品開発や販売技術を磨いていく。

  常に商売は変化に対応していかねばならない。

変化に対応するということは、常に新しい販売技術を開発し習得していくことである。

その変化とは従来の変化以上にスピーディーに変遷しているから、変化対応もさらに加速していかねばならない。

  継続する能力。
  変化する能力。

この二つの能力を混乱してはいけないのである。






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コメント

k.kさん、コメントありがとうございます。
井の中の蛙にならずに外へ飛び出す意志を持ったメンバーがこの場なのでしょう。
そこから従来の反省と今後の方向性が見えてくると思いますよ。
一度出世街道でお話ししましょうね(笑)。

投稿: てっちゃん | 2018年2月14日 (水) 06時09分

dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
やはり第一は集客という基本的な視点に立って、競争激化の折の集客手段があって初めて販売技術や調理技術が活かされるのだろうと思うのです。
集客部門と利益確保部門。
同時に一つの企業で満たされればいいのですが、それが不可能であれば他社と組む。これも一つの選択肢となるでしょう。

投稿: てっちゃん | 2018年2月14日 (水) 06時06分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
今後に向けて、我々はどういう道筋を自らの仕事に描くべきか。
久しぶりに語ってみたいですね(笑)。

投稿: てっちゃん | 2018年2月14日 (水) 06時02分

調理技術あっても一人よがり、一人芝居。販売技術あっても調理が下手な責任者はなめられてお手本見せてくださいよ~っと言われかねない鮮魚部。両方兼ね備えて一人前なんでしょうね。元上司に販売技術抜群ながら調理は下手な方がおりました。現在は他企業ながら今でも一番尊敬してる方です。
 使うのが上手い。圧力ではなくオベッカでもなく。乗せられて仕事してました。私には相性ぴったりな上司です。若手の就業越えを暗黙の圧力でやらせる時代ではないですものね、段取り変更してやらなくていいことを洗い出す。お客様と直接話して生の声を聞く。具体化していく。などなど出来ることからパラダイムシフト。

半調理とよばれる魚惣菜も売れて利益商材になってきました。その利益高を原資にして生で仕掛ける。
 しかしながら変化球をそろそろ使わないと生魚のパフォーマンスもマンネリになってきてます。 他店の、他企業様のまねる化をして井の中の蛙から抜け出す意思が強くなってきました。 会長ありがとうございます。勉強になってます。今度突然お店に伺いますね~

投稿: k、k | 2018年2月13日 (火) 18時24分

お客様のニーズが多様化してきたのは やはり世代間のギャップの差だと思うのです 包丁を使わないで鍋やサラダを食べる世代 かたや、鮮度重視でキチンとキャベツの千切りを包丁で作る世代 我々はどこの世代に照準を合わせていけばよいのか?
カットして袋に入った野菜やフルーツはグロッサリーと同じで同質化した商品になり追いかけると価格競争になるだけですが 確実にこれから増えてく若い世代はこういうカットされた野菜やフルーツを躊躇いもなくつかいますよね
お客様のニーズに合わせる それに伴った販売方法、販売技術の変化と革新 やはり我々は走りながら考え合わせていくしかないようです(笑)

投稿: dondon-ki | 2018年2月13日 (火) 13時49分

確かに「こんな所(失礼)で買うの?」と思う企業が総じて右肩上がりの業績を作る現実に目を背ける訳にも行きませんし、労働時間短縮、雇用環境の厳しさも増して店舗運営は難しい舵取りの時代ですね。企業のDNAとお客様ニーズのスイートスポットを常に探らねばならない。明日は夜通し語り明かしますか(笑)。

投稿: dadama | 2018年2月13日 (火) 08時26分

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