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2018年1月19日 (金)

人時を金に変える

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


人時。

  従業員の労働時間。

生産性を算出する上で、従業員の総労働時間で売上金額を割れば「人時売上高」が算出され、荒利金額を割れば「人時生産性」が算出される。

  如何に総労働時間を短縮させられるか。

10年ほど前の我々スーパーマーケットの現場で働く店鋪の店長や主任達のマネジメントの主流であった。

しかし、人材不足が顕著になってきた5年ほど前からは、あからさまな労働時間の短縮への取り組みはなされてこなかった。

  取り組まなくても人時数は人材不足で減少してきたから。

逆に、どうやって人材を採用して人時数を増やすかが課題となってきたと言ってもいいだろう。

  それほど人材不足が逼迫している証拠。

適正な人時数を維持している店舗が皆無なほどの現実では無いだろうか。

  当店も部門によっては一時逼迫した状態であった。

しかし、新年に入り応募者が数人入社の運びとなった。

  ほぼ全部門が理想的な人員配置となった。

これも新店の強みであろうか。
まだ、店鋪も新しく清潔感もあり、働いてみたいという願望が残っているのかもしれないが、20年ほどにもなる既存店ともなると応募者もなかなか現れてくれないのが現実である。

先日のチーフミーティングで、理想的な人材が揃った事に対して各チーフに話をした。

  「十分な人材をどう活かすか」

理想的な人員が揃った段階で、仕事が早く終わったという安堵感でけに終始することのないようにしなければならない。

  大切なのは、人時を有効に活用して如何に利益を創出するか。

人時を使ったなら、その分を利益にどう還元できるかをまずは考えるべきことであるということだ。

  要は、人時を利益に変えること。

その為に、新たな人時を活用して、利益の取れる仕組みの定着と利益の取れる商品化、陳列技術を高めて売上と荒利を稼ぐかということ。

従来は人時不足で思った通りの売場作りや商品化に届かなかった部分を、ようやく揃った人材を活用して更に理想的な販売技術を高めていく。

  それは自らの販売技術を高めなければならない。

自らが成長しなければ、十分な人材を活かしきれないということでもある。

  だから自らを高めよということだ。

それは、人材が揃っている現場でしか習得できないレベルの問題。

  それが今目の前に現れてきたということ。

「このお店で人材活用術を学ぶチャンスが今だぞ。」

  人材を活用して利益を創出する。

かっては当たり前に実践していた現場の知恵。
しかし、どこの現場でも人材が枯渇して、売場つくりでいっぱいいっぱいの時代。
そんな時代に、十分な人材が揃った現場で仕事ができる。

  そんなチャンスをモノにする手腕。

チャンスをモノにする人間は、このような場面では絶対に漏らさない。

  是非、部下にはこんなチャンスを活かして欲しいものである。






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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、最近はあまり生産性を声高に言わなくなりましたね。それ以前に人材確保が重要になってきたからだろうと思います。
最近はどちらかと言うと、機械的なマネジメントよりも、人間的なコミュニケーションを重要視する風潮になってきたようです。そして、仕事のやりがいの重要視。ここでも時代の変化を感じてしまいますね。その変化にリーダーはどう追随できるのかが問われていくのだろうと思いますね。

投稿: てっちゃん | 2018年1月19日 (金) 22時07分

k.kさん、コメントありがとうございます。
相当、溜まっていますね(笑)。
現場の店長は時に「バカ」になれることが重要だと思うのです。現場のパートさんと同レベルの会話にどんどん入り込んでいく。そんな目線合わせができることが、現場ではものすごく重要なことだと思うのです。全てはそこから始まるのだと思っています。

投稿: てっちゃん | 2018年1月19日 (金) 22時02分

dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
現場の担当者達は淡々と作業を進めていく。そこに楔(くさび)を打ってしっかりとタイムリーな手を打つ。それが店長の仕事でしょうか。
タイムリーな手とは少しでも遅れると意味を持たない手ですから、如何にそのタイミングで手が打てるかというチャンスを逃がさない目でもあると思うのです。

投稿: てっちゃん | 2018年1月19日 (金) 21時58分

人時生産性と言いますが人間は機械ではありませんから企業としての利益指標としては必要ですがこの柵にと捉えられて考えたくはありませんね。商売は血の通う人対人が介在するのですから幾ら理論を語ってもお客様に伝わらねば机上の理論に終わってしまうと思うのです。確かに人時生産性を基準に成長している企業も存在しますがその背景には圧倒的な商品力があればこそ。個々の企業のDNAは違えど我々の属する企業は人間力を信じ人時生産性に捕らわれず、売上利益は青天井を目指せば良いのだと思います。もちろん適正な利益配分もトップにお願いしたいですね(笑)。

投稿: dadama | 2018年1月19日 (金) 21時21分

水産チーフです。水産部門や惣菜部門は農産、GRに比べて人時が低いですよね、しかも危険がつきもの。もっといえば臭い(魚くさい、揚げ油くさい)。やりたがる人が少ない、いない? 気の利いた方があまりいない。いても強烈な個性も併せ持ってる方が経験上ものすごい確率でいらっしゃる。  
部門の人時を上げる、その前にサビ残を解消させることの方が優先。ベテランパートのおばちゃんたちも皆、数年後は定年。延長してもらっても健康面、効率考えると何時までも甘えてられない。1~4月。GWが始まる前に少しでも部門内の多能化を進めないといけない時期。そしてシフトを工夫して早く帰れる時期も今だけ。(当地域は夏、秋にかけて生カツオが爆発的に売れるので初夏から秋は帰れません。)どっちを選ぶか。どっちも同時進行ですよね。嫌われながらもおばちゃん達に新たな仕事をふりつつサブに発注、計画をふりつつ
自分は副店長の仕事を押し付けられながら進む。まさにOJTの時期だと思ってます。正月に落とした粗利を近海魚加工等で改善しつつ年末年始で汚しっぱなしになってしまった箇所を掃除しつつ節分計画をすすめる。何かとやることあるんですよね、でも時間できっちり帰れるのも今だけ。店長が早く帰って副店長がいわれたミッションを真面目にこなすと違法な長時間になってるのも何処のスーパーでもあることだと思います。それをクリアして店長の椅子が待ってるんだ!っと言われそうですが仕事が多すぎると部門責任者にもその残処理廻ってきます。やりすぎる店長も問題でしょうが。個人のパフォーマンスをマックスにださせる為に必要な物、事って何でしょう?コミュニケーション?これもトップダウンの上司だと口を割りません。意見も言いません。出来ればちょっと情けないタイプの方が店長だと何かやる気になる人もいますよね、頭が良すぎる、業界用語ばかりおばちゃんパートさんにしゃべってる方もしらけます。むずかしい。そこを操作するのが長の役目ですよね。大変だと思います。

投稿: k、k | 2018年1月19日 (金) 21時17分

与えられた人財のモチベーションをあげ、いかに個人の能力を最大限に発揮させるかにかかってますよね それが現場のチーフの力量であり更には店長の力でもあると思うのです 売場に商品に何よりお客様の動向に『気づき』が大切で作業ばかりに追われてしまうと気づく事が出来ません この気づきが多いほど買い上げ点数アップや客数アップひいては利益アップに繋がると思うのです 皆で意見を出し具現化し新しい事にチャレンジしていく そして反省し次の行動に繋げる このPDCAがメンバーの中で廻り始めれば店は飛躍的に良くなると思いますし メンバーの定着にも繋がると思います

投稿: dondon-ki | 2018年1月19日 (金) 13時21分

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