基礎工事
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
Facebookで最近交わされている言葉。
「基礎工事」。
基礎工事?。
そう、基礎工事。
青果担当者が人事異動により他店へ異動。
そこで基本からの組織づくりを始めること。
てっちゃん会の青果チーフ2名が同時期に人事異動により他店へ。
そこで同様に基礎工事から始めて、最近ようやく自信の持てる売場作りができるようになり、かってのように売場をアップし始めてくれた。
基礎工事に約1ヶ月ほど費やしたかたちだ。
人事異動により他店舗への異動は、何も他の部門もあるだろうが、なぜ青果部門だけ基礎工事と称して根こそぎ自分に合った部門の仕組みに変えようとするのだろうか。
青果部門。
相場に大きく左右される商品特性がある。
相場で商品回転率も大きく変化する部門特性。
そして複雑な発注体系。
これら一連の部門特性を考えると、我々未経験者が思うほど青果部門の標準化は難しいのかもしれない。
特に、日々変わる発注数量と販売計画。
そして、野菜部門と果実部門という全く異なる特性の商品群をひとまとめとして取り扱う力量とマネジメントも必要になる。
点数が最大化の野菜部門のオペレーション。
52週の変化が明確な果実部門の単品販売力。
これらを自分の掌の上で転がせるようになるには、どうしても部下の臨機応変な能力と時間が必要なのであろう。
それを自分なりに理想型に完成させていく。
ここに青果チーフの自分なりの色にどう着色させていくか。
阿吽の呼吸ができる部門にしていく為に。
その為には、どうしても基礎工事が必須なのであろう(笑)。
特に青果部門は発注先が複雑怪奇である。
そして、チーフの考え方次第で、同じ商品でも取引先が異なることも多い。
チェーンストアとは言え青果商の店主。
青果チーフとはスーパーの中においてもそんな存在でもある。
だから、従来の仕組みを自分なりの仕組みに置き換えることから始めなければ納得のいく売場造りができないというジレンマがあるのかもしれない。
私は果実の52週の商売が大好きだ。
鮮魚出身だからこそ、果実部門の52週毎のお客様との駆け引きにハマっていくのだろう。
逆に、野菜は敬遠したい(笑)。
野菜ほどきっちりした仕組みを構築しないと開店から閉店までの崩れない売場維持は出来ない。
この両面を併せ持つ青果部門の特性。
これだけでも非常に複雑だと思うのだが、そこに取引先との関係や相場による発注数量のダイナミックな変動。
そしてその都度における売場展開の変更。
やはり、自分と部下との阿吽の呼吸が整うまでは気の抜けない日々が続くのだろうか。
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コメント
ただのバイトさん、コメントありがとうございます。
このような超相場高の時ほど「野菜」の売り方は嗜好品の様相を呈してきていますね。相場高で荒利は取れないが売上は上がる。逆にそこから生まれる荒利高をどう調整して高められるかも手腕の一つ。
色々な選択肢が自分流に存在する青果部門という存在。そして今だにスーパーの顔としての存在。
この部門はこの業界の縮図ではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2017年12月23日 (土) 06時11分
今所属している部門のことなので、特に興味深く拝読させて頂きました。
大まかに言えば低単価・高回転な必需品(野菜)と、高単価・低回転の嗜好品(果物)という正反対の部門がくっついている面白さ・難しさがある部署です。
車のディーラーで言えば、全く売り込み方が違う国産大衆車と高級外車の2つを売らなければならないようなもの。
(余談ですが、野菜と果物の売り方の違いのヒントになるのでは?と今読んでいる自動車の営業マン向けの本では、国産大衆車を売るにはそれぞれの車の特性に詳しく、いかにお得か、効率性をきちんと示せるかがカギで、高級外車を売る場合には、高級外車に乗る喜びと充実感を正確に説明できないといけないという、全く異なるアプローチが必要だということです。)
しかし二次方程式のように2つの全く異なる部門があるから、売上・粗利という2つの解を導き出せるとも言えます。
現在の相場の話だと野菜は葉物もレタスもキャベツも馬鹿高くなっている。本部指定の売価で売らなければならないために、こうしたメジャーな野菜を平気で300円、400円と付けてしまう。これはダメな気がします。
赤を切ってでも売る。例えばニラを本部売価の半額以下で売ったとします。ニラという単品、それだけ見れば確かに大赤字です。でもニラが安いから夕飯は餃子を作ろうと思ったお客様はニラだけしか買わないわけない。餃子の皮も生姜も挽肉も、場合によっては醤油や酢やラー油も買っていく。逆に言えば野菜の欠品は、それら他部署の商品も巻き込んで売れなくなるということで致命傷になる。
対して果物、単価が高く、在庫の額が膨れ上がるために一般的には野菜より難しいと言われていますが、嗜好品ということは、価値がわからない人や興味がない人にとっては見向きもされない一方で、価値がわかり、こだわりがある人にとってはお金をかけてでも欲しい商品だということ。こういう商品は粗利はどんどん乗ってけても構わないはず。
しかし最近は野菜は必需品で、果物が嗜好品だとは言い切れなくなっているのかな、とも思います。特に野菜の必需度はどんどん落ちている。こうなった時に、オペレーションをしっかりやっていればということだけでは対処できなくて、果物を売るようなアプローチが必要なのだと思います。
間近で見ている限り、この部門のトップに立つには頭脳労働と肉体労働を同時にこなしていかなければ務まらない。でもとても魅力的で、そこを目指して、日々勉強しております。
投稿: ただのバイト | 2017年12月23日 (土) 03時08分
dadamaさん、コメントありがとうごじあます。
PSの部分が本質では無いでしょうか。
オンライン発注に切り替わったことによって、商売の仕方が決定的に変わってしまったのが青果と鮮魚。
青果はそれでもまだお客様の支持を得られていますが、鮮魚は完全に支持を失ってしまったと思われます。
いずれその反動が青果部門にも現れてくるのでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2017年12月21日 (木) 18時49分
dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
当企業が属するグループでも生鮮3部門に関しての標準化はあまり推奨していないようです。それだけこの分野は複雑怪奇な要因が多いのでしょうね(笑)。
逆に言えば、青果に関しては価格訴求が認められ荒利率を低めに設定できるメリットも享受しております。
よって、この部門で徹底して価格を武器に勝負できる恩恵もしっかり頂きながら店舗としての役割分担を果たさせていただいております(笑)。
投稿: てっちゃん | 2017年12月21日 (木) 18時46分
私が現役時代は毎日市場に出向いて商品を見て交渉して販売しましたが最近は労働時間の制約もあり、仕入れと販売が分業化してしまい、結果商品を知らない担当者が大半を占める時代となってしまいました。原木と菌床の栽培の違いも分からない(笑)。青果物には消費期限設定がありませんので品質の目利きが売場の鮮度感と連動してしまう。商品を知らないから売場のメリハリもつけられずダイナミックな売場が展開出来ない。青果に限らず時代の流れを言い訳に本部主導のMDもたれの結果現場力が低下し商品軸での差別化が困難になっていく。
コンプライアンスは守らねばならないのは当然ですし、従業員の職場環境向上も大切ですがお客様志向からずれた企業論理中心の施策だけでは存続が厳しいなったのかなと感じます。
PS・・・青果物のオンライン発注にはついていけずとても担当者には戻れませんね(笑)。
投稿: dadama | 2017年12月21日 (木) 18時06分
私も青果はよく手伝っていますが MD→レイアウト→売価が毎日のように変化し複雑です それに加えてお客様へのインパクトが高い 特に値段は○○スーパーより安い高いはほぼ毎日売場で聞きますが 故に複雑ですが結果も出やすい部門 だと思います
ただし標準化となるとかなりハードルは高いですね でも利益が出にくい部門ですので一部でも取り組んでいかないと利益アップには繋がらない
弊社にいる師匠は青果出身ですのでしっかり学んでいきたいと思います
投稿: dondon-ki | 2017年12月21日 (木) 13時57分