ボジョレー解禁の変化
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
毎年11月の第3木曜日。
言わずと知れた「ボージョレー・ヌーボー」の解禁日。
しかし、投入された今年の数量と売場を見て、その冴えない展開に唖然としたのも事実。
“こんなもん!?”
かってのピーク時の売場を経験している人間にとって、毎年投入される数量と展開が縮小されていくのはわかっていた。
ましてや、売上の低い店舗の投入量は更に貧弱に思えるのも致し方ないのであろう。
2004年が最大のピーク時。
ネットで検索すると2004年が輸入量が最大であり、毎年縮小傾向になり、昨年はピーク時の40%にまで低下してきているらしい。
かってはこれ見よがしに夜中の12時に開店した企業もあった。
更には、テレビでも夜中の12時に向かう数分前からカウントダウンを数えて、ボージョレー・ヌーボーの栓を開けて乾杯し合う若者たちの姿が放映されていた。
「100年に一度の素晴らしい出来」。
そんなフレーズが毎年踊る出来栄えのアピール。
しかし毎年続く最高の出来が不信感を買ったのも事実(笑)。
そして、普段からワインを嗜む人口が増えてきたのも、“今更なぜにボジョレー?”という感覚になってきているのだろう。
飲めばわかるがボージョレーヌーボーは不味い。
それでも高額なものは違うのであろうが、我々スーパーで販売するレベルのボージョレー・ヌーボーの不味さは、私でもわかる(笑)。
普段からワインを飲むからわかるボージョレーの不味さ。
このことによって、今更不味いボージョレー・ヌーボーを飲むんだったら、同じ価格の国産ワインを飲んだ方がよほど満足できる。
私は正直そう思っている。
まして今年になってからは、各社でフルボトルのワインが新発売され始めてきた。
これもワイン浸透の結果であろう。
ワイン導入当初は、日本人の口に合わせて「ライト」や「ミディアム」クラスのワインがほとんであり、味付けも甘口や中辛がメインであったが、最近では「フルボトル」タイプで辛口のしっかりしたワインが国内産や国産メーカーで製造販売されるケースが増えている。
今年もサッポロやアサヒで投入されている。
これらを購入して飲んでみると、そのしっかりした味付けとポリフェノールの含有率の多さから、赤ぶどうの渋みがしっかり含まれていて飲みごたえのあるワインに仕上がっている。
これらがワイン好きのリピートを加速させているのだろう。
そして、この赤ワインに合う料理の台頭も目を見張るものがある。
その最先端は牛肉であろうか。
だから、精肉部門の売上拡大の拍車が止まらないのもわかる気がする。
刺身から肉類へ。
飲酒の際のおつまみや料理も、従来ならばほぼ刺身やマグロで決まりだった食材が今では完全に肉類、更には牛のステーキや焼肉に移行している時代である。
鮮度感という店舗のイメージを優先するのではなく、実質を優先するならば、店舗レイアウト上の流れは「果実」「野菜」「デイリー」「精肉」「鮮魚」「惣菜」と流した方が、店舗全般の売り上げも高まるのではないかと思う。
それだけ、ワインに影響された精肉部門の売上。
この傾向はワインの消費量が上昇すればするほど、連動して高まっていくだろう。
そして、その傾向を踏まえて、全部門がワインという生活スタイルに乗った食卓の提案を本気で考えていかなければならない時代になっているのだと思われる。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
ボジョレー・ヌーボーの役割は確かに大きな功績を残して、もはや終了したと考えていいのだろうと思いますね。
そしてそれに乗じて、ワインに対する国民の認識も変化し、ぶどう自体の産地や製造地の記載を識別させる表示を模索したり、国産ワインを堂々と謳う製造にこだわったり、ライトからフルボディに移行したりと、品揃えも本格派嗜好に寄ってきたように思いますね。
投稿: てっちゃん | 2017年11月25日 (土) 07時06分
dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
S藤さんの場合は痛風になろうとも健康診断では万全を叫んでいるようですが(笑)。
いっ時の爆発の時代から日々のテーブルに乗る普段のアルコールに昇華した結果のお役ご免の結果のボジョレー解禁になってきたのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2017年11月25日 (土) 07時00分
ボージョレー・ヌーボーが日本人に対するワインの敷居を下げた功績は大きいですね。不味いワインを堂々と乱痴気騒ぎで飲む。ワインを大衆化した立役者だと思います(笑)。乱痴気騒ぎから食卓に根付くデイリーワインへ。スーパーのワインの品ぞろえも以前は2000円超が多かったのが最近は三桁が主流となり焼酎同様な気軽さで飲めるようになりました。私もお陰様で堂々と国産の一升瓶ワインを自慢して飲める環境になり、ボージョレーヌーボーが日本人のワイン文化を大きく変えた事は不味くても称えたいですね。
投稿: dadama | 2017年11月24日 (金) 21時59分
当店では酒の品種は辛うじて横ばいながらもワインについてはアップトレンドとなっております しかしながらボジョレーは前年の予約数を上回ることなく今年も下降 美味いワインがお手頃価格で手に入り毎日の食生活にも登場するようになって日本も欧米並みにワインも水のような存在になってきたのだと思います 肉のトレンド化も相まって 確かにそれに合わせた売場構築も考える時期に来たのかもしれませんが 効率を追求するあまり手がかかるけど うまい魚や旬の魚を提供しなくなった我々スーパーにも原因があるような気もします 個人的には魚が好きですし魚卵系もたまりませんが それで痛風になったS藤さんが身近にいるので気をつけたいものです
投稿: dondon-ki | 2017年11月24日 (金) 14時25分