百貨店の改革
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日の「ガイアの夜明け」。
百貨店の改革。
業界の違いから、あまり百貨店に対しての洞察はしてこなかったが、普段の暮らしを提案する我々スーパーと違い、どこか非日常的な印象のある百貨店の業績は当面厳しい状況が続いているのだろう。
新宿伊勢丹。
百貨店で日本一の売上を誇る店舗。
ここの婦人服の業績は、ここ10年で70%ほどに落ち込んでいるという。
そこで起死回生の奥の手は「古着」。
このイベントで売上を上げたものの、上層部からは普段百貨店に来ないお客様に対しての販売が次へ繋がるのかとの疑問も投げかけられる。
難しいところではある。
更に、大丸と松坂屋が統合して出来た「ギンザ・シックス」。
敢えて「大丸」「松坂屋」の名前を排して誕生させた。
ここで私が注目したのは、その接客法。
接客コンサルタントを導入しての接客技術の研修。
そこで、コンサルタントが接客ロールプレイング中の研修生に厳しい言葉を浴びせる。
「あなたは商品を売ろうという気持ちになっていないね。」
「売ろうと思ったら、お客様との第一コンタクトを大切にするよ。」
要は、お客様と一番はじめに交わす会話でお客様の心をキャッチしていないということ。
お客様だって、初めから最後まで商品のコストパフォーマンスだけに注目して客観的に商品購入を決定するのではない。
いろいろな要素が組み合わされての意思決定。
これがお客様心理である。
そのお客様心理に、もっと会話の始まりからコミットしていけ、ということなのだ。
それはスーパーの店内にも参考になるアドバイス。
接客としての説明POPのあり方が、このお客様の心を如何にキャッチするかという視点であるからだ。
コンタクト開始時のキャッチ。
確かに、この接客法は非常に参考になった。
「どなたに送るんですか?。」
「はい、上司に送ろうかと思って。」
その次の従業員の掛け言葉でお客様の印象が大きく異なるという。
「そうですか。上司の方ですか。」
初めはこのような返答だったのだが、コンサルタントがこう言った。
「素敵な上司の方ですね。そんな上司と仕事ができるなんて羨ましい。」
このリアクションで、お客様の上司に送ろうとする行為が認められたことになる。
そこで打ち解けたお客様は気持ちよくお店側の提案を受けていくことになる。
百貨店とは本来このような商売なのだろう。
我々スーパーもこのような接客が理想であろうが、商品ごとに従業員をつけるわけにはいかない。
この接客を人ではなくPOPとその商品展開に託すしかない。
そして、ファーストコンタクトにお客様の印象を高め、キャッチしていく。
総来店客数の何割のお客様のファーストコンタクトに触れられるか。
確率の商売とはこのような確率を如何に高めていけるかがポイントである。
全ては、売ろうとするこちらの意志の現れである。
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コメント
dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
企業としてのスーパーの在り方、方向性、コンセプトと現場の実行力の組み合わせでお店の魅力が決まる。それがお客様の「また行ってみたい」というリピート心理により客数が安定して日々安定したお客様が来店されて、dondon-kiさんの仰る売場で売上という数値が決定していく。特に、このブログを見てくださる現場の人間たちはより具体的な売場の状況とお客様の反応が痛いほど感じられる立場にありますから、そのリアルなお客様の反応を今後の企業コンセプトに活かせるよう企業として情報共有していきたいですね。これが現場の最大の強みかとおもうのです。
投稿: てっちゃん | 2017年11月16日 (木) 06時58分
百貨店と違い我々スーパーは売場体制からお客様のコト線にいかに触れられるかが鍵だと思います
招待状であるチラシ 売場にあるPOP そしてボリューム感 これらの総合力によってお客様の評価による売上 すべてに磨きをかける事により商品が手に取ってもらえるかが決まりますよね 客数が頭打ちのなか わざわざ来てくれるお客様に一つ余分に買って頂く努力 これをおしまない事により店は成り立っていく その事をメンバーに伝えるのが店長の大事な使命の一つと思って日々取り組んでいます
投稿: dondon-ki | 2017年11月15日 (水) 23時46分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
百貨店にも我々が持っているような成功体験が沢山あったはず。
その成功体験の強さから抜け出せなかったとしたならば、やはり都度都度成功を積み上げながら、タイムリーな成功体験の波及効果を追及していくしかないのでしょうね。我々の業界もいつ右肩下がりになっていくか。常に頭に入れながら商売をしていきたいですね。
投稿: てっちゃん | 2017年11月15日 (水) 22時44分
大量消費から個の消費へ。更には年々賢くなるお客様の購買行動。時代の流れを察知し、スピードを以って変化せねば売上が右肩下がりになっていく。今に何とかなるだろうとか元に戻るだろうとか、収益減を経費でバランスを取ろうとすると負のスパイラルに落ちて行ってしまう。現場と本部が信頼し合いながら新しい事にチャレンジし反省を共有し次のチャレンジに活かしていく。アウトローの存在も否定はしませんが組織である以上、経営を変えるには全社的な柔軟な経営姿勢が今の時代こそ必要なのではないでしょうか。
投稿: dadama | 2017年11月15日 (水) 16時07分