« りんごの量販期 | トップページ | POPの教科書 »

2017年11月 3日 (金)

産地との取り組み

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


バイヤーが産地に出向いて商談する。

  産地と直接契約して商品取引をするバイイング活動。

一見聞こえは良いが、産地と直接取り組むことのリスクも高まるだろう。

  リスクが高まる?。

一見産地と取り組むことは、その産地の生産物や漁獲物を自社が最優先で仕入れて販売する権利を得ることになるが、逆に優先してその産地の商品を店頭に並べて強引に販売することでもある。

  その産地が他の産地よりも優位性が高い。

そのような商品や知名度があれば有利に進められるだろう。

  しかしある一時だけの優位性だとしたら。

それは、そん産地との取り組みがその一時を経過した段階から、デメリットが生まれてくるということだろう。

  特に大手になればなるほど集荷力の高い産地を必要とする。

そうなればそうなるほど、小回りの効く産地や生産者が見過ごされていくもの。
そう考えると、生鮮商材ほど小回りの効く産地や生産者の活用が必要になっていくだろう。

  ある企業では津軽りんごを11月まで販売しているという。

産地との取引の取り組みからなのだろうが、そうなると個店の販売力が削がれてしまうのでは無いだろうか。

  その時期時期で美味しいりんごは変化していく。

その変化に合わせて店舗ではお客様にこの時期の美味しいりんごを提案していくのが使命であるにも関わらず、産地との契約により津軽りんごを売らざるを得ない現場。

そこまで極端にならないまでも、バイヤーの産地との取り組みのメリットよりもデメリットがお店を苦しめている事例は多いのでは無いだろうか。

せっかく産地に出向いたのだから、自社のバイイング能力を発揮させなければならないから、契約数量が多めになっていくことも否めないだろう。

  しかしその商品によって店舗が競争力を高められるのか。

そんな視点で商品を選定し、選定した責任を現場で売り切る販売力に変えてほしいものである。

  多少の数量の多さは致し方ないだろう。

問題は量の問題ではなく、取り組んで売場提案する商品が適切かどうかの選択である。

  産地や商品を決めて徹底して取り組む。

それは取引先との関係で言えば蜜月の関係になり、お互いの信頼関係となって今後とも厳しい環境を乗り越えていくパートナーとして大切な関係ではあろう。

しかし、取り組むということはその瞬間から他が見れなくなるというリスクを持つことを忘れてはいけない。

  バイヤーにはそこの部分での冷静さも必要となる。

それは店舗もまた同様であろう。

  店舗で取り組んだ商品やメーカー。

どうしても店舗で店長や責任者が地元や地場商品と取り組めば、自ずとそこに入れ込んでしまう。

  それが売る意志として発揮されれば良いが。

逆に、周囲が見れなくなり他のチャンスを逃してしまうことにもなりかねない。

  取り組みによるパートナーとの信頼関係。

と同時に、

  取引を絞ることによる偏り。

同時に見ていかなければならないバイイング行為であろう。








|

« りんごの量販期 | トップページ | POPの教科書 »

商売」カテゴリの記事

コメント

私です・・・

投稿: dadama | 2017年11月 4日 (土) 11時04分

dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
価格志向の青果部門とは言えども「味」と言うファクターは今や絶対だと思います。このファクターを軽くあしらうと必ず後から後悔するもの。
コツコツと味や品質を貪欲に追求した結果、数年後に必ずお客様の支持と言う評価が付いて回るものですね。
追伸 そのバイヤーさんは誰?(笑)。

投稿: てっちゃん | 2017年11月 3日 (金) 23時58分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
思えば、マスメリットを活かしたバイイングほどやりやすいバイイングはないと思うのです。
しかし小回りを活かしたバイイングは個人対個人の取引になるから、人としての資質が取引相手に認められるところからスタートするわけですからマスメリットとは無縁のバイイング要素をバイヤーが備えていなければならない。そこに人間的な魅力を有したバイヤーが能力を発揮するのではないでしょうか。

投稿: てっちゃん | 2017年11月 3日 (金) 23時52分

確かにそういうリスクはあると思います
残念ながら弊社の部長連中にも少なからずともいると思います(笑)
抽象的ですが結局デジタル化が進んだ現代でも最後はface to faceの信頼関係 そして流されない取り込まれない自分の意志だと思います
美味しいものを その商品に関わるすべての人の将来の為にも適正価格で販売したい それをお客様に伝えたい
野菜の高騰に便乗する馬鹿な担当者もいますが(>_<)
正直者は馬鹿をみない 愚直に取り組みたいと思います
追伸 バイヤーさんは基本的な社内ルールを…(笑)

投稿: dondon-ki | 2017年11月 3日 (金) 23時43分

集中仕入れのメリットは否定しませんがメリットはお客様に伝わらねば意味がないですね。旬の後取りもお客様に何のメリットがあるのか。更には企業としてのポリシーに合致した商品なのか。販売者側都合の販売は長い間育んできたお客様との信頼関係を損ない、一度損なった信頼を回復するのは大変困難ですから・・・
私もバイヤーの端くれですがお客様が喜び、ひいてはお取引先も店も潤う商品を提案していきたいでね。マスメリットは本部の剛腕バイヤーにお任せして(笑)。

投稿: dadama | 2017年11月 3日 (金) 20時29分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 産地との取り組み:

« りんごの量販期 | トップページ | POPの教科書 »