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2017年11月21日 (火)

クレーマー対策

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


各店とも、クレームには気を使うところであろう。

  小売業におけるクレーム。

企業ごとに色々な対策は行われているのであろう。

  どんなクレームにはどんな対応で。

そんな、ある程度のマニュアルが作られ、それを一つの指標として基準が設けられ、更に店長の経験に基づいた個別の対応がなされているに違いない。

以前は、お客様と小売の関係ももっと対等な立場でお客様も我々小売を捉えていた。
よって、買って頂いているという関係と買わせて頂いているという関係が均衡していたように思う。

  だから悪質なクレームは皆無であった。

しかし、「お客様は神様」というフレーズの悪用と業界の競合の激化がそれの後押しをして、クレームに対する小売の認識が大きく変わってきたように思う。

  クレーム対策も競合対策の一環。

そんな業界の認識と世間での小売に対する認識の変化もあり、小売に対する見解が大きく変化してきたのも事実。

そしてお客様の小売に対する認識も大きく変化してきた。
商品知識の無さからのクレームや、曖昧な認識によるクレームまたは商品交換も多くなってきた。

しかし、まだそれらならお互い様であるから、許せる部分もある。

  悪質なクレーマーも増加している。

そして、ネット社会になり、それらの対応をネット上にアップすると脅すクレーマーも出現している。

  “そこまで言えば、タダで持ってきてくれる”

悪質なクレーマーはその程度のことは平気で考えているようだ。

先日、NHKのニュース9で「悪質クレーマー」の実態を報道していた。

  自分のわがままを押し付けてくる悪質クレーマー。

そして、自分のわがままを聞いてくれないのであれば、SNSに投稿するぞとの脅し。

  これによって小売を退職した女性のインタビュー。

それらに一番最初に対応するのは現場のパートさんやアルバイト達。

  「SNSにお前の個人名をアップするぞ」

そんな風に凄まれたら、末端の担当者達は恐怖感を覚えるだろう。
街頭でインタビューを行っても、結構大勢の小売業の方がこのような悪質クレームを受けていることが実態として判明した。

  この問題に切り込んできたのがUAゼンセン。

労働組合である。

  “いよいよ労働組合が乗り込んできたか”

労働組合とは、働く従業員の労働環境を改善することが大きな使命である機関であるが、ここがこの問題に切り込んできたということは、悪質なクレームが労働環境を悪化させているという認識に立った結果であろう。

  企業としては企業イメージを守りたいという事情があろう。

だから、働く従業員の労務環境を改善するという側面からの労働組合の介入。

  それだけこの問題が労働環境を損ねているという証明でもある。

UAゼンセンの調査から、「暴言」「セクハラ」に至るまでの多彩な現状であった。
最近では、「説教型」と呼ばれるクレームが増加しているという。

「お前、学校を出ているのか?。俺が教育してやるよ。」
「商品の在庫がすぐに答えられずレベルが落ちたもんだ。」

このような言葉を浴びせられて、長時間説教を受けたという内容だ。

  これらの多くは仕事をリタイアした団塊世代に目立つという。

「私はどこどこの一流企業で営業部長をしていたが、お前のところのあの商品はなんだ?。俺が部長の頃は◯◯だったものだ。」

このような「世直し型」のクレームは今後更に増加してくるであろうと専門家は言う。

  これだけでも憂鬱になってくる方もいるだろう。

以前にも記したが、私はお客様という関係よりもまず「人間として」というスタンスで相手を見る。

  人間としてその言動はどうなのか。

その基準に満たない相手であれば、突っぱねることにしている。
どうしても、我々はお客様商売であるから、そのお客様の言葉は絶対だと思ってしまいがちであるが、お互いに人と人の取引である。

企業の論理としての売上や利益よりも、人として相手とどう取引するかが原理原則であろう。

  本来の商売も基本は人対人である。

お互いに人間として信頼できるから商売が成り立つのである。
この商売の原則をもう一度見直さなければならないのではないだろうか。

  商売として信頼できる相手なのか。

そこにメスを入れたUAゼンセンにも拍手を送りたいと思う。







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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
今朝もテレビ朝日のグッドモーニングで悪質クレームの実態を放映していましたが、これらの報道が悪質クレーマーに対する世間の目が厳しくなっているようです。これが一つの歯止めになればいいと思いますね。

投稿: てっちゃん | 2017年11月22日 (水) 07時34分

dondon-kiさん、コメントありがとうございます。
お客様の小売業への過当な要求と同時に最近では、運送業界の労働環境の改善に端を発したサービス提供側への配慮。
お客様は神様という認識から同じ平等な人間同士への配慮という世間の認識が醸成されてきたことは嬉しいですね。
そのような世間の認識の変化にUAゼンセンも支援していく体制に拍手を送りたいですね。

投稿: てっちゃん | 2017年11月22日 (水) 07時26分

私もクレーマーのトラップにかかって舎弟に助けられた事がありました。典型的な世直し型クレーマーでしたが私と上司が対応に苦慮してるのを冷静に判断して適切なアドバイスを出し解決に導いてくれました。見事な女房役でした。

投稿: dadma | 2017年11月21日 (火) 15時06分

大多数のお客様は良きお客様ですが一部のお客様の中には困り果てるお客様も居ることは事実 その一部がだんだん増えてきたような気がします 最近感じるのは自分の境遇の不満を苦情という形で言いやすい小売業に捌け口として言ってくるお客様が多いです 弊社のお客様の声という投書箱には社会への不満とともに従業員の態度が悪い 挨拶がないなど綴られております 説教型のクレーマーも恐らく家族から相手にされず寂しい方なんだと思うようにしてます
昭和の演歌歌手が不謹慎にお客様は神様ですと言ったばかりに 不必要な営業時間の延長も含めて小売業の過当競争も相まって 今は神以上になりつつあるお客様 日本の将来に不安を覚えます

投稿: dondon-ki | 2017年11月21日 (火) 13時36分

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