業界の違い
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、あるメーカーの営業マンと世間話をした。
そこで業界の話になった。
そのメーカーは、かってはスーパーマーケットをメインターゲットとして営業していた。
しかし、スーパーの営業にも頭打ちが生じてきて、新たなビジネスチャンスの拡大の為に、コンビニとの取引を始めたという。
そこで目の当たりにした取り引きの実態。
我々スーパーとの取り引きであれば、知ったるバイヤーとの阿吽の呼吸とお互いの信頼関係という名の下に、ある程度「エイッ!ヤッ!」の勢いで取り引きが完了できたのだが、コンビニとの取り引きは全くこの手法が使えないという。
そこでは、データが最大の共通項。
データから導き出される仮説と、そこから理路整然と導き出される方針と具体策。
そこには、メーカー側の熱い想いなど木っ端微塵に吹き飛ばされるという。
「皆んな無表情な人間になっていきますよ(笑)」
そう言って、笑った。
そんな笑顔など、彼らとの取り引きには出てこないのだろう。
商取引の中に、笑顔と言う人間同士の関係はあまり存在しないらしい。
必要なのは、その単品のデータに裏付けられた仮説。
その仮説を、ドライに取り引きの中に盛り込んでいく。
“だから進化し続けるのだろうか”
経営とはある意味、ドライなものである。
どんなに熱い想いで熱い人間が行動しても、結果が伴わなければ成り立たない。
熱い想いでなんとかなる。
そういう時代もあったかもしれないが、時が過ぎればそれも昔。
ドライに現状を把握して、ドライに行動する。
その結果として、劇的に経営数値が改善されるものでもある。
仕事の達成感としては熱くなりたい。
しかし、結果はあくまでもドライ。
あなたならどちらの世界を選択しますか?。
その時のメーカーの営業マンから、そう問われているような気がした。
自分ならどちらを選択するだろうか。
当然、良いとこどりで両方を選択するのが私流(笑)。
択一の問題ではないだろう。
状況に応じて、選択すれば良いだけのことだと思う。
しかし、業界毎の差とはこういうものなのか。
全てが全て、スーパーとコンビニの違いとしての上記のようなバイヤーばかりではないだろうが、一般的に上記のようなスタイルの違いがあるらしい。
もともと、コンビニとは小売業の中でも非常にドライな意図を持って設立された経緯がある。
このスペースで何を品揃えするか。
この選択からして、ドライにならなければ絞り込まれない。
そして、営業時間を24時間と言う閉店しないと言う選択も、ドライである。
そんなドライな存在であるコンビニ。
そして、そこで働く従業員もドライな考え方を持つらしい。
いろいろな情報を取捨選択して必要最小限のものを取り入れる。
そして、常に取捨選択を繰り返し、取り組みの鮮度感を失わずに進化させていく。
気合いと根性。
そんな我々スーパー業界の根性論とはまた別の理論によって進化していくのだろう。
“俺には、合わねぇなぁ〜(笑)”
そんな存在に憧れはあるが、そんな存在にはなれないだろうなぁ〜。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
定番とフリースペース。
そのバランスが企業の特色であり、企業の強み弱みであり、そのバランスに従業員の定番とフリースペースに対する認識が決定するのだろうと思います。
御社も、いろいろなDNAに触れられる状況にあるのでしょうが、それもまた楽しいのではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2017年8月13日 (日) 06時01分
今日の話題は15幕でという事で(笑)。
コンビニの限られたスペースでは定番の尺売上とか効率の最大化が求められるのでしょう。
逆説的に言えばスーパーの定番に関して言えばコンビニ的なドライな棚割りの考え方もありなのかも知れません。グロッサリーの売上・それ以上に利益の根源は定番にあるのですから。
我々がコンビニと違う点は平場を持っていること。平場を如何に活用するかが店舗の顔にもなりますし店長は積極的に入り込んで商売を楽しみたいですね(笑)。
投稿: dadama | 2017年8月12日 (土) 18時16分