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2017年8月28日 (月)

場所を探る

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日のブログで記した「店長の役割」。

  一つは店舗を横割りで見れる商品の最高責任者。
  二つは店舗パートの採用教育面での最高責任者。
  三つは地域を取り巻く環境への対応最高責任者。

その一つめの役割。

  横割りで店舗をみる目。

店舗のレイアウト、そして客動線、更には動線の中での強み弱み。

それらを把握した上で、どのフリースペースにどんな商品を配置して、お客様に今の旬や話題性を提供して店舗としての支持を高めていくか。

  結果としての売り上げ拡大。

売り上げ拡大と言っても、それは単品の積み重ねであるか気の遠くなる話であるが、結局は日々の単品の動向を如何に高めていくかの積み重ねから、そのレイアウト上の販売場所を如何に有効に活用するかと言う引き出しが増えていくのである。

それら一つ一つを把握していってこそ、店長は店舗レイアウト上での役割を認識していくのだろうと思う。

  この場所はどんな目的で商品展開しよう。
  この場所はどの向きにどんな陳列しよう。
  この場所は期間でいくらの販売力がある。

いずれも、その店舗でその店長でしか把握できない、目に見えない情報である。

  この情報を把握できるのは店長だけ。

当然、出店前にある程度の仮説を立てて店舗レイアウトが決定される訳である。
そして、その仮説に沿った流れで店舗レイアウト上に商品が陳列されていく。

  しかし机上と現実は異なる。

実際にオープンして見たら、強いと思ったこの場所に反応が薄い。
逆に弱いと思っていたこちらのスペースにお客様が集中している。
更にオープン当初弱かったスペースをレイアウト変えたらイケる。

  そんな積み重ねが色々な発見を生む。

それは、何もわからない店舗とお客様との日々のコミュニケーションであり会話であり結果としての商品動向であり、そこから新たな一手を生み、お客様が応えてくれる。

  その日々のやりとりから場が造られていく。

“この売場にはお買い得品がありますよ”
“この売場は新商品がいつも並びますよ”
“この売場は美味しさが発見できますよ”

  色々なお客様とのやりとりから生まれた会話。

そこから、いつしかある一定の売場の定義が生まれていく。

  その定義が煮詰まるほどに固定化された売上が確定されていく。

それを作り上げていくのが店長の役割であると言えるし、その定義を発見し作り上げていくのも店長しての楽しみでもある。

  しかし、それはどこにも明記されていない。

その店舗レイアウトを熟知した店長の見えない知恵とでも言えるだろう。

  これが販売面でのブラックボックスである。

しかし、これをいくら明記して見える化しても、後任の店長にはなかなか伝わらないのも事実。

  後任の店長にはレイアウト上の思い入れが無いから。

新任店長は新任店長の自らの思い入れを作っていくしかないのだ。

  それが嫌でフリースペースを作らない。

それも企業の考え方一つ。

  定番のみのレイアウトは店長の役割が限定される。

店長はマネジメントに専念できる訳だ。

  しかし店舗としての旬や話題性の差別化が弱みとなる。

「うちは旬の打ち出しよりも普段を大切にする」

  それも一つの考え方であろう。

「うちはフリースペースにて変化を差別化する」

  ここに特化する企業もあろう。

上記を特色とする企業はの後ろには、コンビニの大型店が迫ってきているし、下記を特色とする企業の後ろには利益性と言うリスクが迫ってきている。

  何れにしても、店長の役割を自ら理解して解決していく。

そんな姿勢が求められる時代であることは間違いない。





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コメント

dadamaさん、コメントありがとうございます。
良くも悪くも、組織力が強化されると上を向いて仕事をする傾向になる。
そして、大きい組織ほどこの傾向が強まるもの。
その弊害に大組織ほど疲弊しているのではないでしょうか。
しかし、これだけの大組織を推し進めてきたのも組織力。成功事例を持つ人ほど組織力に頼ろうとする。
現場の一人一人が自分の能力を遺憾なく発揮できる環境。
口で言うは易しですが、改めてどう推し進めていくか。

投稿: てっちゃん | 2017年8月29日 (火) 18時29分

時代は個の時代に入ったと言いましょうか店舗に個性とか明確な発信力がないと価格だけの戦いになり結果ディスカウンターやドラッグの餌食となってしまうのでしょうね。
個の特色を企業イメージにしてる企業は組織で動けますから良いのですが個店力を権限も与えず責任だけ課されると店舗もリスクを取れずなかなか行動を起こせないのが現状でしょうか。行動を起こす店長は本部、特に商品部からは煙たがられる(笑)。更に始末が悪いのがそういう店舗は総じて成績が良い(笑)。
個店力が見直されてる時代、現場が如何に前向きにスピード感を持って行動出来る環境作りと評価が直近の課題であると感じています。

投稿: dadama | 2017年8月29日 (火) 11時55分

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