週末休日という条件
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
この業界に土日休日という文字は無い。
サービス業とはそういうもの。
そんな環境で育ってきた我々世代にとって、週末の休日とはよほど特別な日でも無い限り有り得ないものだと思っていた。
その延長線に採用時のこだわりがある。
「土日休日を望むのであれば、当社では採用できません。」
これは小売業が人材採用する上での必須条件であった。
必須条件であった、という過去形には理由がある。
過去に2度の新店の採用面接を実施した際に、その必須条件を反故にして採用したのを契機に、週末休日という条件を私なりに消去したのである。
企業的には好ましく無いかもしれないが(笑)。
それは、今までのブログでもなんども書いてきたことでもある。
採用難にあって、週末勤務可能の条件は、現在では非常に高いハードルであると言わざるを得ない。
この条件を満たす方は子育てを完了した方に限定される。
しかし、一番生活費に苦労するのは子育て世代でもある。
特に、三世代で同居しているような家庭ではなく、単独で生活している家庭においては尚更だ。
どうしても学校の休日に見てくれる場所が無い。
そんな家庭の若いの主婦が働くとすれば、平日のみ。
そんな条件の方と面接をすると採用したくなるのも事実。
やはり若いし行動力がある。
それに、この業界に応募してくれるだけでも有難い存在ではないか(笑)。
ということで、前々回の新店時からスタンスを変えた。
“勇気を持って採用してみよう”
勇気を持ってとは?。
それは他のパートさんとの関係。
他のパートさん達は週末休日は基本的に認められていない。
どう、協調させていくか。
しかし、それも意外に杞憂に終わった。
彼女達の仕事ぶりに異論を挟む余地がないから。
それだけ、自分の就業条件の弱みを仕事ぶりという分野で十二分にカバーしてくれたからだ。
ただし、平日だけの勤務。
この業界で一番忙しいのは週末とお盆年末の際時期。
残念ながらそのタイミングでは勤務不可。
しかし、それを十分に理解しているのだろう。
平日の勤務ぶりは人一番頑張ってくれている。
更に、彼女達は、ここぞというタイミングでは積極的に週末でも参加してくれるのである。
当初は平日のみの勤務という契約。
しかし、彼女達も仕事が見えてくると、ここぞの時の自分の存在を認識してくるようになる。
仕事への責任感。
それも高くなってくると、自分の家庭との調整も敢えてやってくれるのだろう。
まさに侠気(おとこぎ)のある行動をしてくれる。
週末は勤務できないという自分の弱みを、それ以外のところで克服しようとする強みに変換してくれているのだ。
ほとんどの方がそのような働きぶりを示してくれている。
こちらの期待に応えてくれる働きぶりには感謝である。
“採用して良かった”
今後ますます、このような条件の方が応募してくるだろう。
採用するか不採用にするか。
何れにしても、店長のさじ加減ひとつに委ねられているのである。
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コメント
dadanaさん、コメントありがとうございます。
現実に人倒れの店舗が出現しているのも事実。
まだ、レジの人員対策の対応としてセルフレジに頼るレベルなら良いのですが、本格的に生鮮や惣菜は売場レベルが立ち行かない店舗も出現し始めています。やはり現場の強力なリーダーシップを働かせなければ人材の確保と維持はできないでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2017年8月 9日 (水) 13時30分
雇用確保は運営上の一番の課題かも知れません。年々厳しさを増している。当社は売上は頭打ちの中人員の確保がままならず結果労働分配率が下がり利益が伸びるという皮肉が結果が出ています。しかしながらこれは当然一時的な事。人事に関しても本部指示を待つのではなく店舗が動いていかないと如何ともしがたい状況になる事を危惧しています。店長たる者自分の店は自分で守る。本部がどうであれこの意思をしっかりと持ちメンバーと共有して人倒れの店舗が現れない事を願うばかりです。
投稿: dadama | 2017年8月 9日 (水) 10時07分