センス
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
商売のセンス。
初めから備わっている人間などいない。
いや、少数でもいるのかもしれない。
何も教えなくても、センスのある売場を作る若手社員もいるにはいる。
しかしそれとて、本人に初めから備わっていたのではなく、本人の意欲と努力の賜物であろう。
上司や他店の素晴らしい売場作りや商品作りに感動し、自分も同様の仕事がしたいとの意思を持ち、日々努力し試行錯誤しながら売場を作っていく。
その過程にお客様の感動が生まれていく。
結果的に、短い時間で見事な売場を作れる技術が備わっていく。
その仕事ぶりがセンスという表現で評価されるのである。
だから、センスとは単に静的な売場の状態だけではなく、動的な仕事の組み合わせやマネジメントしている流れにも表現していいと思うのだ。
センスという表現を使用すると、どうしても「俺にはセンスが無い」というように天性のものだと思い込んでしまう。
そう思い込むことによってそこから避けてしまうことになる。
気持ちがそこから離れた瞬間から、単なるカタチだけの関わりになっていく。
全ての始まりは自分の意思の集中から始まる。
おそらく、本人たちも「自分はセンスがある」と思いながら仕事をしているわけでは無いだろう。
「常にいい売場を作りたい」。
そうやって試行錯誤しながら今日の売場をイメージしどんな商品をどんなSKUでどう陳列するか。
主力は?、見せ筋は?、試食は?、粗利は?。
等々を考慮して何も無い売場が出来上がっていく。
特に生鮮の企画コーナーはそうだ。
青果や鮮魚、惣菜、ベーカリー等、日々の売場が定番商品が陳列される売場以外の売場は、日々その日の担当者が事前の商品選定から当日の商品製造指示、売価設定、陳列、売り切りまで含めて、一連の流れをコントロールしていく。
その過程すべてにセンスが活きてくるのである。
しかしそれはあくまでも、「いい仕事がしたい」「業績を上げたい」「お客様に喜ばれたい」という一心からの行動と売場作りであって、決して今日の売場のセンスが良いという視点で売場を見ることはないだろう。
予定通りの行動と売場。
その延長線に、他者からのセンスという評価がついて回るだけの話である。
そしてそのセンスは持って生まれるものではない。
後からセンスは磨かれるものである。
“自分にはセンスが無い”
そう嘆くことは無い。
誰だって、初めから良いセンスを持ち合わせている人間などいない。
“いい売場を作りたい”
その一心をブレずに持ち続けて、常にそこへの努力を怠らなければ、センスは必ず磨かれて身についていくものである。
諦めずに継続して努力し続けることだけである。
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コメント
dadamaさん、コメントありがとうございます。
今回のコメントは言い切りましたね(笑)。
売れる売場。これはもう現場でお客様を前にして実際に売場の空気を感じながら売場を作って見ないと絶対に理解できないことだと思います。
投稿: てっちゃん | 2017年6月11日 (日) 00時05分
センスと言うお洒落感は私も苦手ですがお洒落が売上に繋がる訳でもなく見せ場と売場のバランスをどう取って最大の効果を引き出すのか。これは日々の商売から学ぶべきものであり本部MDでは教える事が出来ない部分であると思います。
投稿: dadama | 2017年6月10日 (土) 20時16分