希少部位
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
最近、精肉部門の品揃えがマニアックになってきた。
希少部位を多用した品揃えの強化。
以前であれば、バラカルビやヒレ、ランプといった部位のみであった。
しかし最近では、イチボ、ミスジ、ザブトン、トモサンカク、サガリ等の希少部位が堂々と品名に印字されて陳列されている。
更に牛肉だけではなく鶏肉でも、ボンジリやセセリといった従来には無い鶏肉の部位名が展開されているのである。
“いつのまにか焼肉チェーン店の品揃えになっている”
それほど、従来の品揃えを超えて、希少部位と呼ばれる商品が売場に堂々と展開されているではないか。
これはひとえに焼肉専門店の影響が大きいのだろう。
牛角をはじめとして、人気の焼肉チェーンの品揃えに登場している希少部位名。
その希少部位を食べられてきた結果、自宅でも焼いて食べたいという要望がスーパーの精肉部門に求められているのだろうと思う。
焼肉を食する。
私が小さい頃の焼肉といえば「ジンギスカン」であった。
ラム肉などというハイカラなものではない。
冷凍のマトンが主流。
よって、丸く整形されたマトン肉が綺麗に並べられた商品を購入して、あの大きさのまま焼いて、たらふく食べた記憶がある。
しかし今や牛肉、豚肉、鶏肉、内臓肉となんでもござれ。
それに伴い精肉の売り上げが拡大していった。
そいう言っても過言ではないだろう。
そしてそれに伴い精肉の品揃えが拡大されていった。
その歴史の中で、鮮魚と精肉の売り上げが逆転し、日曜日などは鮮魚の倍の売り上げを誇る店舗まで出現し始めたのである。
根底には安定供給という土台があるからだろう。
そして、国産、輸入とも供給量が増加して安定価格がある程度保証されるにつれて消費も安定的に拡大されてきた。
よって希少部位とは言え今や身近な存在。
もはや希少部位というよりも、それぞれの味や食感の違いを明確に理解し、味わい、楽しむ時代になれたということだろう。
そして、その楽しみを我々スーパーでも適値で購入できる時代になったということである。
もともと、希少部位とは魚の部位から始まった希少価値の価値訴求であったはずだ。
本マグロの中トロ、大トロ、目玉、頬肉、ハラス等々。
更に、産地の違いによる希少価値も多い。
大間のマグロ。
氷見の寒ブリ。
豊後の関さば。
しかし、これらの魚はあまりにも有名になり希少価値が更に高まって、我々食品スーパーでは手が出ないほどの高値になってしまった。
希少部位だが適値。
これが消費拡大のポイントであろうか。
| 固定リンク
「商売」カテゴリの記事
- 今年のりんご(2024.12.07)
- 12月商戦へ向けて(2024.11.30)
- 魚部門を支える顧客層とは?(2024.11.23)
- 即食がこだわるべきもの(2024.11.22)
- 入口の五感(2024.11.19)
コメント
りっちゃんさん、コメントありがとうございます。
部位別の商品化と粗利ミックスの延長線上に希少部位を見える化して告知販売する手法に行き着いたのだろうと思うのです。
鮮魚部門ももっと希少部位を明確にウリにできないものでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2017年6月 7日 (水) 23時55分
弊社にはパートさんだけで精肉売場を運営している店舗があります
私が10年前センター長の頃は希少部位も考えずももセットは全てスライスしていたのを
とも三角はパートさんに手切り焼肉の方法を教え
ランプ・イチボはステーキ、焼肉へ切替ました
担当者がいても例えば、肩ロースのザブトンを焼肉に使うとロース芯の扱いが大切になります
肩ロース一本をマージンMIXし利益を上げる意思をもった担当者の育成も大切だと思います。
投稿: りっちゃん | 2017年6月 7日 (水) 16時34分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
精肉のセンター化。
デメリットもあればメリットもある。
人材不足に悩むこの業界が抱える将来的なリスクを考えると、インストアかセンター化かの選択の答えは未だ混沌としているような気がしますね。
インストアを選択した企業はその強みの発揮と同時に人材確保という大きな課題を背負っていかなければなりません。
投稿: てっちゃん | 2017年6月 6日 (火) 23時46分
焼肉もしかりアップトレンドの品揃えに深みを持たせる事は必要だと感じています。PCセンター化による作業効率化、標準化に向かう品揃えがお客様の支持と合致しているのか。会社都合の品揃えがお客様にダメだしを食わぬ事を願いたいですね・・・焼肉に限らず牛肉のセンター加工は多くの課題を抱えてると感じています。
投稿: dadama | 2017年6月 6日 (火) 22時41分