チラシの存在
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
てっちゃん会の前座。
今回のテーマは「母の日」。
前回のテーマは「クリスマス」。
共に、大小のイベントでの展開事例であるが、そこには多少なりとも「チラシ」が介在してくるもの。
チラシの存在とは?。
そのテーマの裏側で議論になる場面もあった。
各社のチラシの傾向は?。
概ねの企業のメインは「惣菜」「デリカ」という部門の商品がトップを占めている。
惣菜の即食の商材をメインにしながら、ご馳走であるステーキや焼肉、お刺身やサーモン、サラダ材にデザートの果実やケーキといった華やかな商品にワインやスパークリングといった嗜好品も盛り込まれる。
“意外に各社の特徴がないなぁ〜”
各社のチラシを見ていての感想である。
その中で1社、精肉をメインに持ってきている企業があった。
希少価値のステーキをメインにご馳走提案。
普段は品揃えがあっても通りしぎてしまうステーキコーナー。
しかし、母の日だけは希少価値の高いステーキで自分へのご褒美と家族への愛。
それを希少価値の高いステーキで食卓に花を添えようという意図であろうか。
肉を最大の強みとする企業らしい取り組み。
本来のチラシの意味は「集客」を図ること。
だから、どんな企業でもまずは価格を訴求する部分を持つ。
どんなイベントでもお客様が来てくれなければ。
そう、どんなに立派な売場や商品を用意しようとも、そこに数多くのお客様が来てくれなければ、売場や商品は徒労に終わってしまう。
我々の商売はお客様商売。
それも、受注してから生産するのではなく、来店されるお客様を見越してあらかじめ生産して陳列してお客様を待つ商売。
より多くのお客様が商品の前を通過することが前提。
だから、各企業はまず持って価格で来店動機を図ろうとする。
その強弱が企業色を明確に分けるのである。
価格が高じるとディスカウンターと呼ばれ、アイテムや品質を歌って高質化と呼ばれるか。
しかし、最近はもう一つの目的がチラシに内包されるようになってきた。
企業内へのメッセージ。
チラシを打つことによって、お客様だけでなく自社の社員達に対してのメッセージとしてチラシを捉える企業が増えて来たということだ。
チラシが売場作りを一定化させる。
テーマ性のあるチラシから、企画コーナーが統一され、品揃えやアイテムが統一され、どのチェーン店でも同様のテーマで売場作りがされている。
更に、商品知識もチラシから学ぶ。
そんな目的まで担うチラシの内容を、販促企業の方と販促担当者が自社のためにチラシの内容を練るような企業も多い。
特に高質化を目指す企業に多く見られるようだ。
しかし、社内向けの内容が濃すぎると集客力を訴える強力な単品での価格訴求がぼやけてしまう。
顧客集客と社内教育をどう両立させるか。
ここも、今回の議論になった部分である。
個人的には一切の社内メッセージを排除して、顧客集客に特化したチラシにして欲しいというのが私の本音(笑)。
とにかく集客して欲しい。
そこから先は自店で責任を持ってテーマ性のある売場作りをイベントに合わせて展開するのみ。
リスクは店舗毎に異なる売場。
そこで、個店毎に顧客に合わせたご馳走感のある売場を提案できるか、普段と変わらない売場に終始してしまうかが明確に分かれてしまうだろう。
逆に普段の売場から脱却できないお店の方が多いかもしれない。
チラシに入れることによってお店の売場作りが容易になるという事実。
このことも考慮したチラシ製作は今後ますます重要になっていくのだろう。
社内へのメッセージ。
たかがチラシであったが、今後ますますチラシの目的が重要視される時代になっていくのだろうか。
| 固定リンク
「「てっちゃん会」」カテゴリの記事
- てっちゃん会第28幕顛末記(2024.10.07)
- 早くも28幕の事前案内(2024.08.03)
- てっちゃん会第27幕顛末記(2024.06.11)
- てっちゃん会第27幕のご案内(2024.04.21)
- てっちゃん会第26幕顛末(2024.01.15)
コメント
shirakawaさん、コメントありがとうございます。
それぞれの業界にそれぞれの仕事のやりがいやダイナミズムが存在するのだと思います。
メーカーのダイナミズム、農家のダイナミズム、問屋のダイナミズム、販促企業のダイナミズム、そして我々小売のダイナミズム。
それぞれのダイナミズムにはそれぞれに大きな壁が立ちはだかり、その高い壁を乗り越えた時に自分の成長とチームを組んだ相手企業との信頼関係が結ばれ、更に高い壁に挑もうとする意欲へと昇華するのだと思います。
お互いに、自分の仕事のダイナミズムを追求しながら情報交換をしていきたいものですね(笑)。
投稿: てっちゃん | 2017年6月16日 (金) 00時03分
やはりチラシは集客ですね!!これは絶対だと思います。では、集客につながる要素は何か?価格訴求だけなのか?短期的な視点で集客に効果を発揮するチラシと長期的な視点で集客につながるチラシ。売場が舞台の、皆さんのサポートにつながるのか、日々悩みながらの取組ではありますが、それがまた楽しい。いつまで楽しんでいられるか、ご期待ください(笑)
投稿: shirakawa | 2017年6月15日 (木) 21時41分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
私は基本的にはチラシの日替わり商品にはあまり関心を寄せて事前にチェックすることはしていないのです。
それよりも「今の旬」と「52週MD」に立脚した売場作りを担当者と打ち合わせすることにしています。
チラシに左右されずに今売るべき商品に目を向けたコミュニケーション。
それが担当者のブレない軸を育成できるのかと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2017年6月13日 (火) 14時43分
晴れの日に肉で勝負出来るという事はお客様から肉に対する日頃の信頼を得ている証ですね。チラシは集客して全てですから如何に提案とか品質に拘っても日頃の信用=基本が出来てなければお客様は反応してくれません。当社も先ずは価格訴求でお客様を呼ぶ事に徹するレベルでしょうか。
投稿: dadama | 2017年6月13日 (火) 10時53分
taniさん、コメントありがとうございます。
今後のチラシの方向性。
そこが販促企業の正念場でしょうか。
そして効果的なチラシの効果をどこに焦点を当てるのか。
顧客集客にあくまでも固執するのか、社内教育の一環として位置づけるのか、はたまた別の意味を込めるのか。
しかし、まだまだチラシの内容で集客度合いが変わるのも事実。それを長期的な展望でみるか短期的な業績でみるかも企業ごとに捉え方が変わるもの。
そう考えると、チラシ一つとってみても議論は尽きないですね。先日の前座もそこに踏み込もうとすると全然時間が足りませんでした(笑)。
投稿: てっちゃん | 2017年6月13日 (火) 08時56分
チラシも色々な変化をしていますね。
新聞購読される家庭の減少、SNS の進化によるスマホ等のアプリでのチラシ。
それぞれの媒体により年代層も違うような気もします。これからのチラシはどのように変化をしていくのでしょう。
投稿: tani | 2017年6月13日 (火) 06時06分