鮮魚のブラックボックス
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日は「チーム鮮魚」を記した。
鮮魚出身店長の鮮魚への支援。
そのチーム鮮魚の会合をある店舗で持った。
鮮魚部門が好業績のお店。
だから、その店舗での好業績の秘密も探ろうという意図があった。
実際にその店舗の鮮魚部門を見てみると、いろいろな施策が為されている。
そのお店はかっての私の古巣。
よって、そこの鮮魚担当者も顔見知りである。
ツー・カーの仲。
そう言ってもいいだろう。
だから、を直接話しを聞いて、売場を見て、彼のブラックボックスの中を探ることができるのである。
いずれ彼へのインタビューを通してブラックボックスを見える化してみたいと思っている。
鮮魚の業績改善の打ち手。
要は、販売技術という引き出しをどれだけもっているかということだ。
そういう意味では、鮮魚という部門の引き出しの多さは他の部門の比ではない。
仕入管理。
調理技術。
陳列技術。
教育技術。
数値管理。
接客技術。
料理提案。
等々、鮮魚を取り巻く引き出しには、いろいろな要素が含まれるから、それを習得して自分の引き出しを持つという意味では他に類を見ないのである。
そんな引き出しをたくさん持つベテラン社員。
しかし、なぜかこの業界ではこのようなベテラン社員の販売技術が受け継がれないし、他の社員に広まらないのである。
だから、一代限りの販売技術に終始してしまう。
本当にもったいないことである。
しかし、それを当然のこととして処理してしまってきたツケが、今鮮魚部門を苦しめているのである。
好業績店舗は全て鮮魚専門店。
それが実態ではないだろうか。
ますます、海産物の料理メニューが一般のお客様から離れて行っている現在。
鮮魚のプロが必要とされる時代である。
しかしながら、このような世代の販売技術が全く他に広まらないのは、そのブラックボックス化した販売技術を取り出して公然のものとして見える化していく作業をコツコツ実施していくしかないのである。
今年は、自社にも存在するベテラン鮮魚担当者のインタビューを通して、鮮魚部門の販売技術のブラックボックスを撤廃したい思っている。
彼らとて、自分の販売技術を他者や他店へ広がっていくことに関しては嬉しいことであろう。
自分の技術が伝承されていく。
それは、自分の今まで生きてきた証でもある。
あの人から学んだ仕事の流儀。
それが、学んだ人間をして確実に実践されている。
それは、学んだ人間の心の中にいつまでも記憶に留められることになるわけだ。
それは何よりも嬉しいことであろう。
しかし、それも含めて鮮魚部門の商品部との打ち合わせは必須となる。
企業として商販一致が大前提である。
これもまた今後の鮮魚部門回復の大前提となる。
商品を理解した販売部。
販売を理解した商品部。
この信頼関係も、鮮魚部門回復の大前提。
その橋渡しも含めて、今年の役割は重いものとなってしまった(笑)。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
ブラックボックス。
現役の頃は、そのボックスを隠すことで自分の希少性が得られたのですが、最近ではそのブラックボックスを誰かに伝承したいという欲求の方が高いのではないでしょうか。
ブラックボックス公開のチャンスだと思います(笑)。
投稿: てっちゃん | 2017年3月27日 (月) 22時26分
最近ではブラックボックスを持っている社員も少なくなってしまいました。が、その中身を気持ち良く公開してもらうのは会社として必要ですね。
投稿: かわらい | 2017年3月27日 (月) 21時23分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
スーパーマーケットの中に配置される各部門。それを企業が同じ企業理念と企業マニュアルに沿って部門の壁を超えて効率よく教育してきた結果が、ある意味標準化が進化し、強い部門と弱い部門が同居する状況に陥ってしまったのも事実。
鮮魚部門を今後自社の店内でそのような位置付けで差別化していこうとするのかの戦略が問われる時代ではないでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2017年3月13日 (月) 20時33分
チェーンストアとして商品レベルの標準化は必要ですが、店舗整備度が標準化されないと商品の標準化はお客様に伝わらないのでと感じています。同じ商品でも店舗整備の良い店ではより新鮮に美味しく見える。当初も店舗整備の標準化やルーティンワークが見えないから担当者のレベルがバラバラになる。尤も良い売場を作る担当者は作業場やバックヤードも綺麗ですが感性の世界で動いている。個々の感性をマニュアル化や標準化する事、更には高いレベルでの仕組み作りと言うのはなかなか壁が高いな〜と感じますね。今日のある方の冷ケースの清掃にもルーティンワークの大切さを感じました(笑)。
投稿: dadama | 2017年3月13日 (月) 16時26分