間違いだらけのロス対策
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
売上減、結果としての荒利額減。
そこから導かれるロス対策。
結果としての荒利率の安定。
そして、なんとか荒利額が確保されるという構図。
一昔前の業績対策である(笑)。
しかし、今この手法を取ろうとすると、大幅に業績を落とす結果となっている。
要は、売上の大幅減による荒利額の大幅減。
ロス対策を行った結果、売り場に商品が出なくなり、売上減に伴いロス率が上昇することによる荒利率減と、結果としての荒利額の大幅減。
特に製造部門に顕著に現れる現象となっている。
製造部門は、その日に製造した商品でしか売上は作れないわけであるから、どうしたって売価管理部門と同様のマネジメントは通用しないのであるが、指導する方も指導される方もロスが最大の焦点であるから、無駄な製造を抑えようとして企業ぐるみで製造数を減少させてしまう。
結果として、売場のボリュームを失い逆にお客様を失う。
その結果、ロス率は逆に悪化して荒利額が激減してしまう。
業績が低迷している鮮魚部門の現状でもある。
鮮魚部門、精肉部門、惣菜部門、寿司部門、ベーカリー部門は製造部門と呼ばれている。
その日に製造した数量でしか売上を作ることができない部門。
だから、業績を上げる為には、より製造数を高めなければならない。
至極簡単は理論である。
商売とはさほど難しくない理論から成り立っているのである。
しかし、現実にはその逆を走っているのが現実ではないだろうか。
製造した数量 = 販売点数。
本来の問題は、販売した単価がロスによって下がっているから売上が伸びないのである。
対策は如何に定価で売り切るかなのだ。
そこに焦点を当てない限りは、製造数を減少することにより単価維持のチャンスすら失うことになるのである。
製造数を変えずに、値下げをどう抑えるか。
ここが最大の焦点であるのだ。
その為の「売り切る技術」。
ここが、今現場で一番不足している技術と知恵である。
答えは簡単だ。
「売れる商品」を製造し、「売れない商品」を減らす。
その為に時間帯別売場をダイナミックに変えていくこと。
特に、ピーク時前の再開店である午後3時〜4時の売場の状態をよりダイナミックに変更して、売れ筋に特化した売場を作ることにある。
ピーク時間以降での販売数量を従来よりも加速させる。
その為には、ピーク前に売り減らす商品をしっかり定価で売り減らし利益を作る。
ピーク時からそれ以降は、新たな売れ筋商品に特化して製造し鮮度を強調して陳列拡大させてお客様に明確な売場をダイナミックに作り変えるのである。
そこで、試食や掛け声、説明POPにて点数拡大させる。
特に刺身というカテゴリーは鮮度が命。
作りたてというアピールを徹底することで売れ数は激増するもの
要は、ピーク時に如何に定価で売り込めるか。
その割合を増加させることでロス率は低減する。
ロス対策。
それは製造数量を減らすことではない。
定価でより多くの商品を売り込めるか。
この原理原則を間違うと、転落の一途を辿ることになる。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
人員不足だからこそ、売れる商品に特化していかなければならないのかもしれませんが、それこそ「言うは易し」になってしまいますね(笑)。
よって、ますます人によって業績に違いが出てくる時代になったと言うことでしょうか。逆に言えば、チャンスかと(笑)。
投稿: てっちゃん | 2017年4月12日 (水) 09時06分
その通り!分かっちゃいるんですけどね。(笑)人手不足も手伝い、なかなか日々のルーチンワークから抜け出せない製造部門です。
投稿: かわらい | 2017年4月11日 (火) 19時45分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
今後、自動発注という仕組みが整ってくると、ますますデータを人間が活用する領域が単品量販の検証という場面に限定されてくるのではないでしょうか。
そして、仕掛けた検証としてどうだったのか、他店と比較してどうだったのかという比較と、そこから多店舗との情報交換へと繋がる行動へ発展することが大きな意義なのかと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2017年3月23日 (木) 06時47分
データに基づく作り込みをすると殺伐とした売場となりますね。そもそもデータとは検証に使うべきであり、検証するために最良の売場作りにチャレンジしなければならない。データを如何に読み込むのか。単に売上数量と見切りの数値ばかりに捉われると売場本来のあるべき姿を見落とす危険がある事に気をつけねばなりませんね。
投稿: dadama | 2017年3月22日 (水) 21時58分