工場との違い
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
今日はひな祭り。
各企業とも今日は稼ぎどき。
頑張って参りましょう(笑)。
今日の主役は生鮮部門と惣菜やベーカリーであろう。
上記部門の特徴は店内での加工と製造。
これが、製造部門と呼ばれる所以である。
店内で仕入れ、製造、陳列、売り切りとグロサリーや衣料雑貨部門と比較しても作業工程がすこぶる多い。
よって、上記部門にはいわゆる職人が多く存在した。
刺身職人や切身職人、牛肉職人やパン職人等々の存在。
彼らは、妥協せずにひたすら美味しい商品や見栄えのする商品を製造する人材。
それはメーカーの工場と同じ位置付けとなることが多い。
しかし、我々の仕事は商売であり我々は商人である。
売ってナンボの仕事が主たる業務である。
その工程の前後には、人からモノを買って、人が調理や製造をして、人が陳列して、人に売るという流れの中で仕事をしている。
店内に工場があるとはいえ、あくまでも商売の一環。
工場と同等に職人気質で妥協せずにモノつくりをする部分もあるが、同時にモノつくりをする人間が、他者との取引も行い、他者と協力して一つの売場を作り、人の目を引く陳列をして、人に買っていただける売場を作る。
どこまでも人との関わりの中で業績を作っている仕事。
純粋な工場と違い、妥協せずに良いモノつくりだけをするところとは違うのである。
人から仕入れて人に売る。
工場という工程の前後には、上記のような対人関係が行われている。
ここが工場との一番の違いだろうか。
仕事としてのモノつくりは当然発生するが、職人としてのモノだけにこだわる関わりだけではなく、商人としての人との関わりから発生する流通という側面にも関与しなければ良い仕事は出来ない。
人とモノへのこだわり。
だから、いろいろなタイプの人間が活躍できる環境であるとも言えるし、マルチタイプの人間にとっては非常に奥深い業界であるとも言える。
そして、人間に焦点を当てれば、人が育つことで売場は進化し店舗は生き続けるとも言える。
なんと素晴らしい世界ではないか。
そう考えると、商人とは「伝える人」であると言える。
商品を軸にして「伝える人」。
その伝え方一つで売れたり売れなかったり。
それを売場という場を使って表現する。
職人が「物作りの人」であるならば、商人は「伝える人」であると言えるだろう。
商品を伝える。
価値を伝える。
便利を伝える。
美味を伝える。
豊かさを伝える。
商品を軸にした、価値や豊かさを人に伝えて喜ばれるのが、商人である。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
伝える人=マネジメントできる人。
そう捉えると、作って並べて売り切る技術とそれを伝えて教えて育てる技術と、まぁ〜、色々な技術が要求される仕事なんですね(笑)。
投稿: てっちゃん | 2017年3月11日 (土) 23時39分
店の中での役割分担が進み人員不足が深刻になった今でも作るだけの人が存在します。当社くらいの規模では余り良くありません。みんなが伝える人になると良いですね。
投稿: かわらい | 2017年3月11日 (土) 21時53分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
集団の中にいることが安心、安全、そして人間の価値観だった時代から大きく軌道がズレてきている現代。
標準化を全面に打ち出して個人を支配しようという空気は逆に現代の若年層には受け入れられないと思うのです。
個人の尊重と企業としての標準化をどう融合させるかが本当に問われる時代ですね。
投稿: てっちゃん | 2017年3月 4日 (土) 18時08分
商売の理想は分かっていても若年層減少による就業人口の低下、高齢化による消費減少と厳しい環境下であるのが現実。現実に企業としてどのように向かっていくのか。守りに入ったら当社の様に縮小均衡になってしまう。リスクに勇気を持って動く企業しか生き残れないのではと感じています。明確なポリシーがあってこそ従業員が誇りをもって仕事が出来、企業も成長していくのでしょう。情熱は人間の素晴らしい特徴ですし、思いが強いほど相手に伝わっていく。標準化や単純化、工場化も人間の特性である「感情」や「情熱」と言う背反条件をコントロールせねばならないので悩みどころですね。
個人的には、個人の感情や職人気質を尊重せねば成長は難しい時代だと感じています。
投稿: dadama | 2017年3月 4日 (土) 16時07分