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2017年3月15日 (水)

売場に立つ

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


売場に立つ。

  商売人としては基本中の基本。

しかし、とみに最近はこの基本が出来ない担当者が多い。

  人がいない。

だから、作業場で商品作りに追われて、売場に出られない。
そんな状況が常態化しているのも事実だが。

  特に、鮮魚、精肉、惣菜部門はこの傾向が強くなっている。

製造部門とも呼ばれる上記部門は、仕入れ即品出し出来ない商品を扱う部門でもある。

  よってまずは製造から入ることになる。

製造しなければ売場に品揃えする商品が無い。
よって製造をして商品化してから、製造した商品を売場に陳列することになる。

  従来はそこから先がチーフの仕事出あった。

要は、部下やパートさんが製造した商品を、主にチーフが品出し陳列してその日の売場を作れたのである。

  しかし昨今の人材不足からチーフ自らが製造に追われる。

結果として、品出しを担当するのは値付け担当のパートさんが品出しまで担当するのが現状である。

  結果として売場にモノを置くだけ。

そうでは無いパートさんもいるだろうが、ほとんどの場合は値付けと兼務であるため、売場にモノを置いてくるだけに終始してしまうのが現状であろう。

  しかし商売とはここからが本番なのである。

お客様が商品を買うのは「売場」。
我々の商売は、プリパッケージされた商品をお客様が選択して購入していくことで成り立つものである。

  よって、売場自体が売り子になるということである。

お客様に語りかける売場になっているかどうか。

  それは売場に立たなければならない。

売場に立って、リアルに来店されたお客様に売場や商品が語りかけて、お客様と会話する。

  その会話の魅力が購入につながるのである。

最近では、ネット購入のウェイトが高まってきたため、リアルな売場で品切れの無い売場を作ることは大きなアドバンテージにならないことが多い。

ネット購入以前の時代であれば、品切れが大きなチャンスロスとなっていただろうが、現代では細部の欲しい単品に関してはネットで検索して購入出来てしまう。

  ますますリアルな売場の役割が変化してきている。

そのような現状に対して、売場責任者が売場に立てない状況は、ますます自らの墓穴を掘ることになる。

  情報発信する売場作り。

それは何も、商品を説明する媒体を設置することだけでは無い。

  お客様に伝わる売場作り。

それは何と言っても、自ら仕入れて自ら商品化し自ら陳列して売り込もうとする人間が一元管理していくことが大前提となる。

  その仕組み作りが責任者の仕事。

仕組み作りとは、責任者がいなくても、言わなくても、部下を如何に効率よく行動していくかを決め事として策定することである。

  惣菜売場。

その日に製造してその日に売り切る部門。

  売場の乱れも他部門の比では無い。

先日、ピーク時の前の売場の乱れを正すために、担当者に言った。

  「パートさんが作業場を出入りする都度に手直しさせよ」

食事の為、お手洗いの為、その他諸々の事情で作業場を離れるパートさん達。
その都度に、売場の乱れを手直ししてから休憩に入る、休憩から戻ったら作業場に入る前に売場の手直しをする。

  その仕組みが整った後の売場。

今まではパートさん達が売場に思い入れを持たなかった方達だが、この作業により自分の売場という意識が生まれる。

  結果、夕方以降の売り上げが伸びる。

たったそれだけのことが、働く従業員の意識を変え、お客様に伝わるのである。







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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
私なら、何としても人を獲得して通常のオペレーションを築きますが、そこの認識の違いが最近顕著になってきているような気がするのです。

投稿: てっちゃん | 2017年4月 2日 (日) 23時35分

売り場に立つ。店長始めスーパーの店員にとってとても大切ですね。しかし1人で部門を運営する店舗もあり理想には程遠い状況です。製造はチーフ、品出しは私です。(笑)

投稿: かわらい | 2017年4月 2日 (日) 21時52分

元スーパーの店員さん、コメントありがとうございます。
現場で嬉しいのはお客様からのお褒めの言葉。常にお客様と会話している中でのお褒めの言葉はお客様の本音でもありますから、上司から褒められるのとはまた別の感動がありますね。
「また褒められたい」
その意欲がまた頑張れる最大の要因でしょうか。

投稿: てっちゃん | 2017年3月16日 (木) 11時33分

私が一番最初に勤めた食料品スーパーで「商品は置いてるだけじゃ売れない」と教わったのを思い出しました。

売り場でのお客様とのやり取りの中で、お客様のお気に入りの商品やその他のご要望等を聞き、覚え、それに応えていくこと(欠品を出さないようにだとか、残念ながら終売になってしまったら、きちんと説明するなど)でお客様との信頼関係を築く。

その結果、顔馴染みになったお客様に定期的にご来店頂き、また、声をかけて頂けたことをとても嬉しかったのを覚えています。

投稿: 元スーパーの店員 | 2017年3月15日 (水) 23時23分

コメンテーターがレベルを上げていく現状、元のブログ記事自体もレベルを上げていかねばならないと危機感を募らせております(笑)。
人材不足という環境の変化が、現場の作業環境も激変させているようですね。
但し、それを理由に現場のレベル低下を語っている場合では無いとも思っています。
商売の基本はあくまでも仕入れと販売の両面を担うから販売力が培われていくもの。
演と作という概念もチェーンストア理論の延長戦。元々の商売は自ら仕入れて自ら販売するという商売のダイナミズム。
そのダイナミズムが商人という生き方を確立してきた現実でもあります。
その原理原則をどこまでも継承していきたいですね。

投稿: てっちゃん | 2017年3月15日 (水) 21時32分

今日の内容は深いですね。企業の効率化以上に深刻な人材不足。外的要因ですからこの要因への対策は相当な腹つもりを持っていないと深刻さを増すのだと思います。判断を間違えると負のスパイラルから脱せ無くなる。当社にも陥りかけている店舗が見受けられます。それらの店舗に共通しているのは従業員の働き甲斐やモチベーション。スーパーの現場は工場であってはならないし、工場化に向かえば商売のあるべき姿が失われ結果商売好きな従業員が離脱してゆく。この数年間は人材面からもスーパーの淘汰が進むのではないでしょうか。

投稿: dadama | 2017年3月15日 (水) 21時04分

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