後を濁さない
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
立つ鳥跡(あと)を濁さず。
昔からの諺(ことわざ)。
立ち去る者は、自分の後始末は自分でしっかりやって、残る者に負担をかけないという内容の諺である。
日本人の潔さを示す諺であると信じていた。
しかし、最近では「立つ鳥跡を濁さず症候群」が蔓延しているという。
定年を迎えたり、早期退職を選択して企業を離れる直前に、立つ鳥跡を濁さず症候群になっているという。
立つ鳥跡を濁さず症候群?。
必要以上に自分の役職を引き継ぐ人材への引き継ぎを丁寧にやりすぎて、面倒臭がられることのようだ。
“悪いことでは無いだろう”
私はそう思うのだが、跡を引き継ぐ方は、いろいろな先入観まで押し付けられることで、自分の時代に早期には入れないもどかしさを感じることらしい。
“それはあるかな”
人事異動の際の引き継ぎは、店長同士であれば、簡単なものである。
私もそうだった。
変に先入観を叩き込めば、部下も心気一点頑張ろうとしているのに、上司である店長が先入観を持ってしまえばその心意気も台無しである。
店長が変わって芽を出す機会を失う。
人事異動とは、赴任する店長もそうだが、迎い入れる部下も心機一転のチャンスである。
このチャンスを台無しにしてしまう。
だから、余程伝えなければならない項目以外は、必要以上に人の性格は引き継がない。
お互いに初顔合わせで一から構築していく。
人事異動という制度の良さの一つであろう。
私が以前の会社を退職した時は、1月いっぱいの予定だった。
先方(現企業)からは1月からと言われていた。
しかし、いきなり12月の31日では後任の店長との引き継ぎの問題もあり、人事異動が複雑になってしまう。
よって、人事異動のタイミングまで待った。
しかし、いきなり2月の節分を丸投げするわけにもいかず、2月3日の節分を以って最終日とした経緯がある。
“これも「立つ鳥跡を濁さず症候群」だったのかなぁ〜”
そんな風に不安になってしまった(笑)。
これは日本人の嫌われたく無い症候群から来るらしい。
組織内では、いい子でいたい。
最後まで、いい子として思われていたい。
自分の意思よりも組織の意向。
組織内での価値基準に従えば、組織内では責任を問われない。
しかし、課題解決の本質にはコミットしない。
その本質を追求しないまま、組織内の論理だけを優先する気質。
その延長線に、立つ鳥跡を濁さず症候群が存在するという。
保身。
組織に属して入れば、やはり誰でもその組織の中で自分を保身するものだ。
それは組織内でのキャリアアップが日本人のDNAであるから。
組織を変えないことが一番安全な自分のキャリアアップ。
そう信じる世代が50歳以上であろうか。
しかし、私は退職すると決めた時から、その組織での考え方が変わった。
自分はその組織での未来は無い。
要は、しがらみが無くなったということ。
しがらみがなくなれば、物事の本質を誰に遠慮もせずに追求できるというもの。
しかし、部下には部下の未来がある。
だから、部下の未来の為に仕事が出来た。
自分の保身を捨てて部下の未来の為に。
そこにリーダーの本質があると知ったのは、以前の企業を退職する直前のことだった。
退職するこの時にようやく仕事の本質に気づいた。
しかし、私は、これは長年この企業に貢献してきた私への、企業からの最大のプレゼントだと思った。
退職する企業からの一番のプレゼント。
それは、仕事の本質、組織の本質であったのだ。
このことは普遍の原理原則であった。
この原理原則は現企業でも同様であった。
そういう意味でも、前企業からの最大の餞別であったのだろう。
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コメント
かわらんさん、コメントありがとうございます。
保身を感じさせない上司の態度や行動。
それが共感できる態度であったなら、やはり絶大な信頼を得るだろととは思います。そんな行動をとりたいものですね。
投稿: てっちゃん | 2017年3月 4日 (土) 00時16分
保身を捨てて部下と接する。そのつもりはあっても出来ていないでしょうね。今の会社を辞めるつもりは毛頭ありませんが、いずれ組織からの引き際というものが訪れた時に良い判断が出来れば良いですね。
投稿: かわらい | 2017年3月 3日 (金) 20時58分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
海外からEnglishでのコメントかと構えていたので安心しました😝。
私も最近は部下教育に関しては妥協せずに持っているものを直属の部下に逐一叩き込んで行こうと思っております。
余計なお節介と思われようが(笑)。
投稿: てっちゃん | 2017年2月27日 (月) 17時18分
海外から失礼します。
私もアウトロー気取りでやっていますがその裏には社内で認めて貰いたいし、社内で認めてくれる方がいるからこそ勇気が持てるのかも知れません。
ただ、泣いても笑ってもあと2年、何かをお世話になった会社に残したい気持ちで全うしていきたいですね。
投稿: dadama | 2017年2月27日 (月) 17時10分
kiyo-mさん、コメントありがとうございます。
いよいよ、残すところ後数日ですか。
本当にご苦労様でした(笑)。
しかし、次の仕事を考えると哀愁に浸っている場合ではないでしょうか。
今までの自社での経験を後輩に残すことは自分の頭を整理する上でも大切でしょうが、それを本当にありがたく受け継ぐ後輩がほうんとうの部下だったのだろうと思います。
是非、次へのスタートも好調でありますように。
投稿: てっちゃん | 2017年2月27日 (月) 12時05分
てっちゃん こんにちは!
私もいよいよ35年間お世話になった会社とも、残すところ後ひと月になりました。最も、3月は女房への罪滅ぼしの旅行と、送別会三昧の日々になりそうですが……。
併せて、4月からの新しい仕事に備えて、何を優先してやるべきか?を思慮しています。次にやりたい事と、今までやり残した事が、やはり繋がってしまいます。
整理する中で余計なお世話かもしれませんが、後輩たちに少しでも何かを残したいと思い、考えを整理しレポートにまとめております。何かの参考にしてくれればと思っています。本当に余計なお節介かもしれませんが……。(笑い)
投稿: kiyo-m | 2017年2月27日 (月) 10時42分