素材から惣菜へ
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
好調企業の取り組みを見ていると共通項がある。
惣菜の強化。
当然と言えば当然だが、その取り組みを地道に進化させてきた企業が、自社の勝ちパターンとしての改装を積極的に実践し業績に結びつけている事例が多い。
その勝ちパターンの改装で何が変わるか。
客層が変わる。
来店頻度が変わる。
利益が変わる。
当然、改装には惣菜の強化だけではない部分があるだろう。
生鮮強化。
品揃えの強化。
通路幅の見直し。
什器備品や冷蔵設備の改廃。
従業員の再教育。
等々、その改装で新たな新店としての再スタートという位置づけで臨む現場の切り替えも必要であろう。
その中で好調企業が声にあげるのが惣菜強化。
特に、生鮮素材を惣菜に生かして、生の美味しさを惣菜化して提供する生鮮と連動した惣菜コーナーの新設。
早くから惣菜売場を設置している中小スーパーは、素材を活かした惣菜売場を実現していたのだが、スーパーが大型化することによって、品揃えは作業オペレーションの安定化を図って外部素材の安定供給が可能な仕入れ形態に変容していった経緯がある。
その流れを維持しながらの手作り感の実現。
そこに取り組んでいる企業の惣菜コーナーが好調のようだ。
思うに、鮮魚のいわしの消費は落ち込んでいる。
いくら、相場安かからといっても昔ほどは売れない。
さりとて、捌いて開いたとて数量は限られている。
しかしそれを惣菜でフライにしては売らない。
惣菜では惣菜の仕入れルートと品揃えがあるから。
部門移管の問題や安定供給の課題もあり、惣菜では生素材の商品化はやりたがらない。
そのマネジメントの課題を克服した企業が好調なのである。
誰でもわかることだが、生素材の味はやっぱり美味しい。
特に魚は。
生いわしのフライ。
生あじのフライ。
目光のフライ。
秋刀魚の塩焼き。
等々、安価でも美味しい魚は枚挙に遑がない。
そして、企業にはそれらを調理するバックヤードをしっかり備えているのである。
野菜も肉も魚も同じ店内で販売されている素材。
その素材を如何に有効に惣菜化して最終販売にまで漕ぎ付けるか。
素材のこだわりを持つ企業ほど、その惣菜化に漕ぎ着けなければ、素材の差別化の意味が薄らいでいくのではないか。
特に、魚の素材を使用した惣菜強化は急がれるべきであろう。
なぜか?。
鮮魚の仕入れ力が高まるから。
仕入れ力が高まれば、品揃えが豊富になる。
従来は、品揃えが豊富に出来ても、その後のロスや廃棄として利益が問題となるから仕入れ力が弱まり、品揃えが縮小均衡になっていくのだ。
仕入れた魚が惣菜化されれば。
より多くの魚を仕入れ、鮮魚で販売し惣菜でもフライや寿司として販売できる。
この仕入れ力アップは鮮魚にとっては大いに強みとなる。
そのサイクルが、鮮魚部門を強くし、惣菜の支持も高まり、店舗トータルで集客力を高めていくであろう。
鮮魚部門の低迷。
それは、鮮魚部門で扱う生魚の減少により、魚を扱う量とアイテムの減少により、鮮魚担当者の仕入れ技術と販売技術の低下が主な要因と捉えることが重要である。
世の中の流れ。
そう捉えたら、競争に置いていかれるのは火を見るより明らかだろう。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
どんな場合でもコンセプトがしっかり練られないと、なかなか動けないですよね(笑)。
そして、どこをどう強化するのか。
それを練るのが誰なのか。
もしかすると、それも含めてかわらいさんの仕事であるならばお手伝い致しますが(笑)。
投稿: てっちゃん | 2017年1月 5日 (木) 17時49分
惣菜の強化。と、掛け声は掛かるものの具体的に進めていない現状です。おっしゃる通り本来素材に困らないスーパー、トップからは店内にある旬の素材を使えとごもっともな指示があるものの法律も含めて手こずっています。(笑)
投稿: かわらい | 2017年1月 4日 (水) 19時10分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
最終的には、その企業が選択した強みの深みを如何に掘り下げていくか。
企業のトップが判断した強みの絞り込みを現場が如何に理解してその強みを自店の強みに取り込めるか。
それには、それぞれの企業のDNAが大いに関わってくるのだろうと思います。
そのDNAを現場が如何に身につけているかも重要な要因かと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2016年12月28日 (水) 18時15分
高齢化、独身の増加、仕事感の変化等で素材から調理し食卓を囲むシーンは減っていくのでしょうね。惣菜にも価格軸や価値軸、商品軸での差別化が進んでいくのでしょう。当社は惣菜部門を効率化のため外部企業に任せてしまいましたので直営との横串が刺しにくい現状をお客様の変化にどう合わせていくのかが課題ですね。惣菜部門も復活するにも人員のリスクもありますから。
投稿: dadama | 2016年12月28日 (水) 17時11分