組織が求める人材
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
企業として欲しい人材。
素直で明朗で快活で従順。
更に、企業が有するマニュアルに対しても従順で不信感はあるものの、まずは実行することを優先するタイプ。
概ねはこのようなタイプではないだろうか。
そして、このようなタイプは上司の店長としてもマネジメントしやすく、トップからの方針や指示に対しても素直に実行するタイプである。
上司としては何のストレスもなくマネジメントできる。
店長としても非常に店舗運営しやすい人材であり、可愛がりたくなる人材である。
しかし、商売感としての感度に鈍い場合も多い。
どちらがどうの、どうあるべきかということを言いたい訳ではない。
しかし、私がいつも疑問に思うのは、我々の世界における商売人とビジネスマンとは相反する存在であることが多い。
ビジネスマンは企業が求める人材。
商売人はお客様にはうれしい存在。
ビジネスマンはどちらかというと、企業の方針を優先しながらコミュニケーションや人材育成等のトータルスキルに長けている。
商売人は逆にコミュニケーション能力や人材育成能力は劣るが、商品や売場に強く、その有する販売力から数値達成能力に長けている面が多い。
この二つの能力はお互いに相反するのだろうか。
そして、商売人タイプは得てしてコミュニケーション能力に欠ける部分があるため、上司としては扱いにくいし部下もついて行きづらい。
しかし、その相場観と仕入れ販売能力は高く、売場作りにも妥協しないため益々周囲から疎んじられやすい。
私は鮮魚出身の為、どちらかというと商売人タイプに近いところがある為、商売人の仕事に対する取り組み方を支持する面も多い。
彼らはとにかく目の前のあるべき売場とあるべき商品化、そしてあるべき相場に応じた仕入れのタイミングに全精力を注ぐ。
だから、売場が的確であるし、売上という数値に貪欲であるからチャンスロスも少ない。
しかしそのことに厳しいあまりに周囲の人間ともぶつかる。
たとえそれが上司だろうが部下だろうが関係無いところがある。
しかしお客様から見れば大いに魅力のある売場を作る。
私は、どちらも否定しない。
ただ、言いたいのは、
ビジネスマンタイプの今後は育成能力であることは間違いない。
企業としては、彼らの後を引き継ぐ人材をどれだけ有効に育成できたか、育成できる手腕を有するかが問われる時代であることは間違いない。
それが人材難の時代を生き抜く個人の能力であると言える。
そんな人材をどれだけ多く有するかで、競争力は決定するだろう。
それは人材育成能力がとりもなおさず、事業の継続力に他ならないからだ。
個人は定年しても人材に定年はない。
有能な個人の定年とともに企業も衰退していくのであれば、人材育成能力の無い人材が多かったというべきであろう。
それはどの企業にも言えることである。
理想を言えば、商売感のある人材が、人材育成能力も磨いて、その販売力を更に伸ばせる企業が生き残っていくのであろう。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
商売人に対する「評価」と「賃金」にあまりにも乖離があるのも問題でしょうか。
商売人排除の為に昇級昇格を剥奪した結果の現在の状況ですから、そこの改善を優先すべきでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2016年11月13日 (日) 06時36分
今がまさに過渡期かもしれませんね。ビジネスマンばかりが会社の中心を担うようになったからと思います。マルチな人材がたくさんいるよりは商売人とビジネスマンがバランスよくいる企業が強いのではないかと思いますし、そのようにしていきたいと思います。
投稿: かわらい | 2016年11月12日 (土) 21時16分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
徹底した標準化とは作業という側面であって、販売面では標準化された店舗とは言えども売上もお客様も競合店も異なるわけですから、そこを標準化しようとしても企業毎に逆にリスクが発生するでしょう。ただし、ある程度の方向性と原案は本部主導で進めなければならない。その原案に沿った売場作りを実行すれば競合店に勝てることが原則ですが、その原案と異なる売場を実現しようとするのであれば、原案以上により徹底された売場を作ることが原則だと思います。
それが原案を無視してそれよりも妥協したデタラメな売場が多いから原案を提案した本部からダメ出しが出るのであろうと思うのです。自分の意志を貫くのであれば、より徹底した売場を追求して実績を出す。その覚悟を持って個店が取り組むのであれば競争力も高まるし現場力も高まるのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2016年11月 5日 (土) 08時52分
現役時代良く上司に「会社は個人商店ではないから」と言われました。商売感は個の資産ですから売場にも個性が出やすい。商品の好き嫌いも露骨に見え(笑)。会社から見れば個性は標準化のリスクであり排除したがる。しかしながらお客様の評価が全てですから標準化が評価を得ているかと言えばクエスチョンマークが点くのが実態であると思います。標準化も大切ですが個性を活かした売場。個性を活かす事は自己啓発にも繋がりメンバーの戦力化にもプラスになると思うのですが。
投稿: dadama | 2016年11月 4日 (金) 21時07分