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2016年10月 4日 (火)

ある採用

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


ある、採用をした。

  16歳の男性。

16歳と言えば、中学卒業してすぐの子。
先日、一度面接をしたが、私の目を一度も見ることなく面接をし、本当にやる気があるのかどうなのかが見えなかった。

  よって、「出直してこい」、と言って帰した。

おそらく、私以外の管理者なら「出直して来い」とは言わなかっただろうと思う。

  不採用として帰しただろう。

それほど、面接時の態度は、これから就業しようとする人間の態度には見えなかったからだ。

  しかし相手は16歳。

高校一年生と同学年である。
子供である。

  しかしこれから社会に出ようとする人間でもある。

できれば、ここでそのチャンスの場を提供してやりたい。
だから、本人にその気があるのであれば、もう一度自分の人生を考え直して、その上で働きたいのであればもう一度面接に来い、と言って帰した経緯がある。

  その後、その子から電話があって面接に至った。

面接に先立ち、私が以前に作成した「アルバイトの心構え」を一枚渡して読ませた。

  「アルバイトの心構え」。

新店を立ち上げるにあたって、学生アルバイトに対して読ませておきたい心構えを作成していたものだ。

学生では無い彼に読ませるには、パートの心得をとも思ったが、年齢的なことを考えてアルバイトの心構えを読ませた。

  「何が書いてあった?。」

    「はい、挨拶とか。」

  「そうだ、挨拶が大切、と書いてあったろう。あとは?。」

    「ルールとか。」

  「そうだ、社会ではルールが大切だ。」

そのやりとりでも、彼は一度も私を見ない。

  「挨拶は、特に相手の目を見ることが大切だ。」

ここから彼に人間の成り立ちを話した。
元来言葉や文字を持たない時代の人間は、表情や仕草、そして態度で相手と会話してきた。
だから、相手の目を見て相手の気持ちや伝えたいことを理解し合えたのだ。
それによって、人間と言う組織が生まれ組織で行動し、いつしか地球を制する文明を生んだ。

  相手が見える良い目と豊かな表情のおかげ。

そのおかげで、人間は相手の豊かな表情と仕草、そして態度で相手の伝えたいことをお互いに理解し、意思疎通を図り組織で生きる術を磨いてきた。

だから我々人間には、相手の目を見て理解し合える能力が備わっているのである。
しかしいつしか、言葉が生まれ文字が生まれSNSが生まれて、目を見ずに会話が成り立ち、目の前に相手がいなくても意思疏通が図れる時代になってしまった。

  しかし、スーパーの仕事はお客様も含めてリアルな仕事。

相手と直にコミュニケーションできなければ仕事にならない。
それは、この業界だけの問題でもないだろう。

  「だから、相手の目を見ることが大切なんだよ。」

そこから彼は、私の目を見て会話をするようになった。

  「相手の目を見ることは勇気がいるだろう(笑)?。」
  「私も君の目を見ながら話すと、ドキドキだよ(笑)。」

しかし、そのドキドキを乗り越えた時に、信頼関係が生まれるのである。

  徐々に彼の表情に自信が戻ってくるのがわかった。

    “採用してみるか”

16歳の子に話すには、厳しすぎるし難しい話しをしたと思う。

  しかし、ここは学校ではない。

厳しい社会の現実に飛び込んできたのである。
社会のルールや社会の常識の中で生きていくのに、厳しいも難しいも無い。
しかし、それを乗り越えた後に、同年代の子とは雲泥の差で成長をしていくのだ。

  是非、それを期待していきたいものだ。









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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
入社初日に、「親にしっかり挨拶できているか?。」と質問。
「はい。」としっかり返事していましたね(笑)。
やる気はあるようです。

投稿: てっちゃん | 2016年10月10日 (月) 22時25分

出直して来い!と言われて本当にもう一度来たのなら大丈夫そうですね。てっちゃんの目を見て話してくれるのが楽しみですね。

投稿: かわらい | 2016年10月10日 (月) 22時04分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
この少年に対しては、まず自分の親にしっかりと挨拶することを教えました。
入社当日にそのことを確認したいと思っています。

投稿: てっちゃん | 2016年10月 5日 (水) 11時24分

人生の一期一会、てっちゃんと出会った少年もこの出会いとどのように向き合うかが今後の人生にひとつの節目となるのでしょうね。話は逸れますが顔が見えての信頼関係。従業員以上にお取引様の顔を見る機会が減ったのも寂しい限りです。本部集中・ネット発注は商売の醍醐味も削る。よいしょされて見栄で仕入れて必死に売る機会も減りました。

投稿: dadama | 2016年10月 4日 (火) 20時11分

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