保存技術の進化
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、ガイアの夜明けを見ていたら興味深いテーマを放映していた。
冷凍技術の向上。
最近の冷凍食品は本当に美味しくなってきた。
冷凍の方がむしろ美味しいのでは。
番組では、冷凍パンや冷凍餃子等の冷凍技術の革新により
冷凍品 = まずい
そのような図式を完全に払拭している内容であった。
むしろ、
冷凍品 = チルドより美味しい
もはや現代はこのような図式が成り立つ時代なのかもしれない。
本来、食品は作りたて出来立てが一番美味しい。
生物でも、採れたて獲りたて成り立てが一番美味しい。
この一番美味しいタイミングで保存できれば、下手な生商材よりも美味しいのが当たり前。
その当たり前が現実になろうとしているのだ。
そして、更に凍らない液体の開発により、冷凍食材の未来までもが変革していく未来予想図さえ描ける道筋を与えていた。
どうしても食材を冷凍すると、中の水分が凍って結晶となり、解凍した時にその結晶から水分が外に漏れ出て美味しさを失ってしまう。
その液体は冷凍時の結晶自体を抑える力を有する。
その液体を冷凍する前に少し商品に振りかけるだけで、冷凍時の内部の繊維の損失が極力抑えられる仕組みとなる。
また、煎りたてのコーヒーのカスから抽出して作った液体は、商品を凍らせない働きをしてくれることにより、解凍後の食材の美味しさが極めて際立つのである。
食文化の歴史は食品保存の歴史と言ってもいい。
浜で取れた魚を保存して遠方に運ぶ。
その過程で生まれた保存技術。
この保存技術こそが色々な時代の食文化を作ってきた。
だから、遠方や海から遠い地域の食文化が高かったりするのである。
そして食品保存の技術により人類の暮らしが変遷してきた。
食材を獲りたての状態に保存できるとしたら、これは究極の保存方法であろう。
それも、解凍してすぐ食べられる食材ほどこの液体の必要性を感じているだろう。
その開発により、我々の食材の販売手法もここ10数年の間に大きく変遷していくことを番組では予測していた。
これからのスーパーの品揃えに冷凍品は欠かせない。
しかも、今までチルドの強みを発揮してきた企業から見たらその強みを変換して冷凍品の強みをダイナミックに発揮させる販売技術や売り場レイアウトが必須になるかもしれない。
そして、家庭の冷凍庫も冷凍技術の発達に即して将来的には大型冷凍庫が冷蔵庫とは独立した保存手段を手に入れるだろう。
更に、冷凍技術の発展は、我々の販売手法すら変革してしまうかもしれない。
冷凍品主体の販売方法。
それが、食べて美味しく、家庭の冷凍庫で長い賞味期限で保存ができれ最高であろう。
それも家庭の電子レンジで解凍してすぐ食べられる。
このような時代が到来した暁には我々の売り場から調味料や醤油、砂糖が消えることを予測しなければならない。
解凍してすぐ食べられる
それも美味しく食べられる。
この二つのキーワードが二つ同時にこの世に生まれたことを考えると、これからのスーパーの存在を問いただすいい判断材料となろう。
そんなことを考えさせられた番組であった。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
安売りの冷凍食品というカテゴリーと味品質で充実の冷凍食品との二極化が更に進んでいくのでしょうね。
そうなると、周囲の登場から高級冷凍食材の需要も徐々に高まっていくことでしょう。
投稿: てっちゃん | 2016年10月26日 (水) 08時11分
未だに安売りの対象になりフツーの品揃えしかできていない冷凍食品コーナー。チルドよりも美味しい。本当にそうなってきていますね。味、品質、又冷凍技術にこだわった商品の品揃えを強化していきたですね。
投稿: かわらい | 2016年10月25日 (火) 20時59分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
世の中の動きは世代交代という長い時間をかけて徐々に徐々に変遷していくことを考えると、その過渡期過渡期で自社をどう導くかという選択は相当厳しいものになるのだろうと思うのです。
しかし、冷凍食品の方が美味しい時代に突入していくと、やはり味を優先した品揃えにしっかり対応していきたいものです。
投稿: てっちゃん | 2016年10月23日 (日) 00時01分
欧米のスーパーを見るとレストランのような品揃えが冷凍食品でされています。共働き世代が増える中調理の時間短縮は社会の流れなのでしょうね。素材からの食事は趣味化、外食化していくのでしょうか。そう捉えると益々我々の置かれる業界の運営は多様化していくのでしょうね。
投稿: dadama | 2016年10月22日 (土) 10時32分