仕入れも競争
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
世の中、色々な競争に晒されている。
販売競争、売場展開競争、出世競争等々。
最近では人材獲得も競争の世界に入ったと思われる。
しかし昔から仕入れの世界では仕入れ競争が存在していた。
“仕入れ競争?”
そう、人よりも早く仕入れを行うこと。
それはどういうことか?。
市場に入荷する商品を人よりも一歩先に買い付けること。
特に年末など、明らかに売れると分かっている商品などは、我先に市場に赴き商品を確保したものだ。
しかし、それは市場に早く行けばなんとかなるという類のことである。
問題は、これから支持が高まるであろう未知の分野に我先に目を向けて商品を手配することが今回のテーマである。
先日の事例。
青果部門でバイヤーから洋梨が送り込まれてきた。
“ちょっと固めかな”
そう思ったが、価格は100円とお手頃な価格であった。
果実は強いお店であるが、さて、主力とは言えない洋梨がどれほど動くのか、とは思っていた。
しかし予想に反して50個ほどだが完売してしまった。
青果チーフに言った。
「この兆候を見逃すなよ。」
要は、洋梨がたかだか40個だが、小さいワゴンに入れて売っただけで40個を完売してしまう。
これをダイナミックに展開したらどれほど売れるのか。
このような兆候を見て、“売れて良かった”と胸を撫で下ろすのか、“もっと売り込んでやろう”とすぐさまバイヤーに電話して追加発注を誰よりも早くかけるのか。
この差は決定的だ。
そして、すぐさまバイヤーに電話するタイミングの違いが、仕入れ競争に勝つか負けるかに現れてくる。
すぐさま電話したチーフは欲しいだけ数量を確保できる。
しかし、一瞬の迷いから電話をためらったが為に仕入れることが出来なかったと言う事例は枚挙に暇がない。
商売とはそのようなものだ。
常に売れるものがそこらじゅうに転がっているものではない。
むしろ売れるものほど表面には現れない。
表面に現れているということは、誰かが既に売り込んでいる商品であるということである。
目に見えない未来を予測して仕入れをする。
これが、仕入れ競争の世界である。
それは、計画を立てて仕入れた商品をダイナミックに展開して予定通り売れたという事例からは、なかなか現れてこない。
むしろ隅の方で小さな動きを示すのが特徴だ。
その小刻みな動きを、自分なりに商売に結びつけるか。
そう考えると、チャンスはそこらじゅうに転がっているものだ。
そのチャンスを行動で掴むかどうか。
これが、この世界の仕事の醍醐味でもある。
これから季節は秋から冬へ。
季節の変わり目にチャンスは訪れるものである。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
いろいろな要素で異常地を叩き出す要因はありますが、自ら仮説を立てて意思を持って計画を立てた商品が売れた時は、その想いも一入ですね。
投稿: てっちゃん | 2016年9月25日 (日) 23時06分
顕在化していない商品を探り当て、異常値を出すのは心地よいですね。なかなかありませんが。
投稿: かわらい | 2016年9月25日 (日) 19時40分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
現場主義を唱えながら、現場に主導権が移ると力を発揮できない組織を繰り返さないように、その時に備えて自ら考える習慣を身につけていきたいですね。
投稿: てっちゃん | 2016年9月21日 (水) 22時14分
本部主導のMDが進むと現場の商売感が薄れる。現場の担当者の質の均一化を図り店舗間格差を無くすのが本部MDなのですが、他社を抜きに出るレベルが伴わない本部MDは企業間競争で勝ち抜く事が出来ず、現場の感性を活かした個店MDを再評価する時代が来たと思います。もちろんチェーンストアである以上本部MDが主力である事は確かですが、担当者を育てる場としての現場主義は必要ですね。
投稿: dadama | 2016年9月21日 (水) 20時35分
りっちゃんさん、コメントありがとうございます。
上司から指導された始めたわかる仕入れの妙。
やはり上司の部門チーフからの指導が一番直接的に影響するのでしょう。
そう考えると、厳しくとも販売力のある上司の存在が将来的には部下にいい影響を与えるのだろうと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2016年9月21日 (水) 18時43分
チャンスロス、色々な場面でもありますが
どの場面でも担当者の力量が問われますね
若い頃から指導してくれる先輩・店長に出会えるかが
特に仕入れに関しては大事になって来ると思います。
投稿: りっちやん | 2016年9月21日 (水) 18時31分