仲間の力
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、嬉しい話題があった。
パートさんの辞退。
全てはそこから始まった。
採用面接中に、副店長からの電話。
「パートさんが一人辞退したいとの事です。」
またか!。
なかなか人材が集まらない中、一度採用した人材を如何に辞めさせないか。
採用を継続していく中、このように一度採用して研修している方を、如何に辞めさせずに研修から教育をして新店開店に合わせていけるか。
毎回、途中辞退される方は多い。
それは、新たな希望を胸に新規就業したのに、当初抱いていた自分の就業イメージと異なり悩んだ末の辞退。
採用直後に辞退する方もいれば研修途中に辞退される方もいる。
採用後、研修前に辞退される場合は仕方がない。
採用は決まったが、一度家庭に帰り周囲の意見を聞くうちに考え直すというパターンやもっといい条件に巡り会えた場合もあるだろう。
しかし、一度研修が始まった後の辞退はこちら側の責任である。
それは、イメージと違ったという本人の問題でもあろうが、そのイメージと現実との融合を計れなかったこちら側サイドの問題も意識しなければならない。
その為のいろいろな施策。
そんな中での副店長の電話。
よって、面接を他者に任せて急遽そのパートさんへ電話。
「今電話で聞きましたよ。どうしました。」
「どうも私が抱いていた仕事と違っていて。」
要は、仕事自体をもっと簡単に考えていたのだが、いろいろと覚えることも多く自分でやっていく自信がなくなったのだという。
他部門での就業のチャンスも残して、午後にもう一度電話をしたが、やはり気持ちは変わらないと言う。
残念だが、致し方無い。
そう諦めた後の1時間後。
再度、そのパートさんから電話が鳴った。
「今、よろしいですか?。」
「大丈夫ですよ。」
「もう一度、頑張ってみます(笑)。」
「あの後、他のパートさんからいろいろとメールが来たり電話が来たり。」
「皆んな、心配してくれたんです。」
彼女は5月から入社したパートさん。
その他には4月から入社のパートさん達も多い。
先輩のパートさん達からの説得があったらしい。
要は、一ヶ月前に同じ不安や苦労を味わった先輩パート社員が、今の彼女の不安を和らげてくれたのだろう。
入社当初の不安。
一度入ってはみたものの、本当にこの部門や会社でやっていけるのだろうか?。
そんな不安が急速に自分に襲ってきた。
そして、同じ経験をしてきた先輩パート従業員が、自分の体験を元に、「必ず仕事が楽しくなる」という体験を何人もの仲間の声として彼女に伝わったようだ。
“他の仲間も同じ経験をしてきた”
その安心感が、再度続けてみようと思い留まったのである。
その仲間意識が嬉しいではないか。
部門の研修だけではなく、これから出来上がるお店の全メンバーが集まっての全体研修会。
そんな研修会を月2回ほど実施している。
目的は、挨拶や接客の具体的な研修。
もう一つの、裏の目的は、従業員同士の結びつきの強化。
部門を超えた店舗全員の結びつきを如何に図るか。
その為に、接客研修会とは題しながらも、ゲーム等を通じて店舗全体のつながりや関わりを育成していくことで、従業員同士がお互いに深いつながりを得られるような取り組みをしている。
そんな中でも、辞退しようとする仲間への関わりが、一人の心を変えていったのである。
嬉しいことである。
「もう一度、皆んなで一緒にやりましょうよ。」
私も力強く叫んでいた。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
そんな事例が増えてくれると嬉しいですね。
しかし、採用が決まってから就業せずに辞退される方もまだまだ多い。ここの改善に思慮中です。
投稿: てっちゃん | 2016年5月14日 (土) 06時09分
パートさん同士の励まし、素晴らしいエピソードですね!開店後の活躍が楽しみですね!
投稿: かわらい | 2016年5月13日 (金) 20時01分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
家庭での時間と仕事時間。
共に五分五分であれば、仕事も楽しみたい。そんな価値観の方も多いと思います。特に家庭がメインの主婦は仕事は片手間。どうせ片手間なのだから楽しんで仕事をしたい。
そんなやりがいを叶えてくれる職場で仕事をすると継続できるのだろうと思います。そして、継続してくれるパートさんを大切にしたいですね。
投稿: てっちゃん | 2016年5月12日 (木) 21時48分
この出来事がサングリアに導いたのですね(笑)。仕事と言えど店舗での勤務時間は家庭で過ごす時間に匹敵しますから風通しの良い職場環境は大切ですね。環境次第でパートさんの力は天と地の差が出来ますから。価格優位性の取れない企業程働き甲斐から生ずるパート力の最大化が店舗の成長には求められるのだと思います。
投稿: dadama | 2016年5月12日 (木) 08時09分