暮らしを彩る
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
暮らしを彩る。
なんと素晴らしい表現ではないか。
我々日本人は、古来より暮らしを彩りながら日本の四季を堪能し、様々な年中行事を堪能してきた。
年中行事には、お正月や五節供のように貴族や武家の儀式からきているものや、節分や彼岸のように暮らしに深くかかわる雑節から生まれたものなどがあるが、いずれも文化や季節感を大切にし、行事を通じて日本の心が養われるものばかりである。
ひとつひとつの行事には深い意味が込められている。
毎年同じ時に同じような経験を重ね、他の人と共有できる体験をして、自分をとりまく様々な物事に気づくことで、心豊かに過ごせるものだ。
暮らしを彩る年中行事は、人生を彩る行事でもあるのだ。
そうした背景から、紀文食品が提案するおせち料理の再発掘にもつながっている。
「暮らしを彩る」ということは、「人生を彩る」ということ。
私のFacebookの仲間にも、暮らしを彩ろうとする方が多い。
それは何も、上記のように四季折々の歳時記の時だけのことではなく、普段の何気無い食卓に置いても実現できることなのである。
暮らしを彩る。
我々の使命を、お客様に食材を通して豊かな生活を提案すること。
豊かな暮らし。
私なりに思うのは、食事という場面。
食材を食べると言う行為だけでなく、その空間全てにおいての豊かさである。
食材には器がいる。
器には色、形、素材がある。
食事には箸がいる。
箸は箸置きに乗せられている。
食事には空間がある。
室内、室外、自宅、山、川、海。
誰と食事をするのか。
ひとり、友人、恋人、夫婦、家族、大家族。
そのような場面場面を、食事の空間を一つのセットと考えて、組み合わせていく。
そこに単なる食事から、心の豊かさにつながっていくのだ。
独身の頃は、スーパーからビールとつまみを買ってきて、そのまま缶ビールの蓋を開け、つまみの袋を破いて一人わびしく酒を飲んだり、友人とクダを巻きあった(笑)。
それはそれでなんとも言えない豊かさがある(笑)。
しかし、ある時から恋人ができ、彼女を自宅に招く場合には必ず室内を清掃して生活感を消してから招き入れる。
それもそれで、心の豊かさがある。
しかし、それらはある一時の出来事であり、その瞬間という出来事が心を動かしてくれるものだ。
結婚してからの時間の経過や、独身者ならその時間の経過と共に、いつしか普段の生活に慣れが生まれ、日常が同じサイクルの繰り返しになってくると、どこかで「ケ枯れ」が芽生えてくる。
ハレとケ。
ハレの日はその出来事だけで心が弾み和やかになるが、その他大多数の日常はケの日である。
それでも、そのケの日でも、心が豊かに過ごしたいという願望が現代の暮らしではないだろうか。
普段の暮らしを心豊かに暮らしたい。
特に、人間は目の良い生き物である。
食材も鮮明に目に映るものだ。
食材の鮮度、美味しさ等が心にも映るのである。
そして同時に、その食材以外の器、箸、箸置き、空間全てを感じながら食材を味わうのである。
食事の空間全てが心の豊かさを生むのである。
それが、暮らしを彩るということではないか。
何も、ハレの日に限ったことではない。
普段の何気無い日常を彩る工夫。
大切にしていきたいものである。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
中小スーパーほど普段が重要。
普段=ケの日のおかず。
まずは普段の食卓に必要不可欠な食材をいかに当たり前に品揃えできるか。
そこを起点に色々と提案していく必要があるのだろうと思います。
投稿: てっちゃん | 2016年4月24日 (日) 23時43分
🐦を含む競合店は得意なようです。(笑)何気無く過ぎて行ってしまう日常の商売を私ども中小ローカルスーパーほどしっかりと提案しないといけませんね。
投稿: かわらい | 2016年4月24日 (日) 22時44分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
より美味しく食材を頂く。
そこにはいろいろな工夫があり創造がある。
そこに自ら率先して飛び込まなければ見えてこない心の豊かさ。
そしてそれは自らの仕事にも役立つ世界。
もっと美味しくを追求していきたいですね。
投稿: てっちゃん | 2016年4月23日 (土) 21時30分
春夏秋冬に恵まれた日本の四季に育まれた食文化、日本人の誇りとして伝承してかねばなりませんね。価格軸に負けないためにも・・・
投稿: dadama | 2016年4月23日 (土) 20時41分