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2016年4月 5日 (火)

商売が使命

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


先日は、「桜の季節」を記した。

  新入社員への贈る言葉。

この業界の使命についてお話ししたい。

  新入社員の入社の季節。

社内研修も終了し、いよいよ配属先の現場へ向かう方々も多いだろう。

  “自分が仕事をする現場はどんな環境なのだろう”
  “こんな自分で先輩社員に迎え入れてもらえるか”
  “学生時代に学んだことを思い切り発揮できるか”

いろいろな豊富と期待と不安を持って、現場に赴任する。

  この時点での職業観は、まだ「仕事」という捉え方だろう。

当然、学生時代に学んだ経済学や経営学、その他法学や社会学、心理学等を活かして企業で活躍する自分の姿を描いた場合、それは「仕事」という概念で捉えているのが現実であろう。

  仕事としての小売業でありスーパーマーケット業界。

しかし、「仕事」という概念で捉えている限りは、その本質は理解できない。

  「仕事」から「商売」への概念の切り替え。

これが重要だ。
そして、この業界を「仕事」として捉えている限りは、いつまで経ってもこの業界に馴染めないのではないだろうか。

  仕事 = ビジネス = 経営学

そんな構図で捉えていると、どうしても馴染めない世界がある。

  小売業 = 商売 = 心理学

それが、この業界の本質であるからだ。

  そこには、人間対人間の格闘という側面が大きいのだ。

人間対人間の格闘というと、実際に人間同士のぶつかり合いや感情のぶつかり合いをイメージされてしまうが、そうではない。

  対お客様、対従業員、対取引先。

いずれも、商品を媒体にした人間どうしの取引であることを理解しなければならない。

  対お客様に対しての接客という技術。
  対従業員に対しての信義という技術。
  対取引先に対しての信頼という技術。

あくまでも、商品はその媒体に過ぎない。
入社当初は、どうしても商品に目がいってしまうものだ。
その商品を如何に効率良く仕入れて陳列し、販売するか。
そこに目がいってしまうものだが、そうではない。

 対お客様、対従業員、対取引先。

商品とは氷山の一角であり、実はこの氷山の水面下に、この人間対人間の格闘が深々と横たわっているのである。

そこに気づいた時に初めて、この業界の奥深さを理解し、この業界の捉え方が変わり、この業界での自信がついてくるのであろう。

  商品知識を高めることは当然である。

その知識がなければ、人間どうしの格闘に対して、素手で戦うようなもの。
だから、まずもってその武器を磨くことは重要である。
しかし、いくら武器を磨いても、それを扱う人間という中身を磨いて筋力をつけなければ武器を扱いこなせない。

  人間の筋力とは「信義」であり「信頼」である。

そんなこの業界に、入社おめでとう、と笑顔で迎えたいものである。







  

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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
教えていくというよりは、背中で見せていくという感覚でしょうか。
昔から、やって見せるところから始めていたように思うのです。

投稿: てっちゃん | 2016年4月10日 (日) 00時22分

小売業=商売=心理学。納得です。他の業界も少なからず存在するのでしょうが、特に小売業は既存の経営学や経済学では図れない部分が大きいように思います。これを教えていくのもまた大変ですね。

投稿: かわらい | 2016年4月 9日 (土) 20時14分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
最後は、自分の感動を如何にお客様に伝えるかというところでしょうか。
だから、商品も知らなければならないし味やメニューもしならければならない。
しかし最後は、人間と人間のコミュニケーションとしての伝え方という心理的な技術がモノを言うのだろうと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2016年4月 6日 (水) 06時26分

商売は心理学。その通りですね。売場は単なる商品の陳列場所であってはならないと思います。私達は販売を通してお客様からご利益を頂戴している以上過程ではお客様の心を開いてお買い上げ頂かねばならずそこは正に心理戦での戦いとなりますね。安く売るだけなら誰にでも出来る。如何に売れて儲かる商品を作りこむか?このお客様との駆け引きが商売の醍醐味であり新入生にも早く体感して貰いたいですね。

投稿: dadama | 2016年4月 5日 (火) 20時55分

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