引いた立場
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
最近、本部スタッフや他店の副店長と接触する機会が増えた。
他店の援助や本部勤務の増加からである。
以前はどっぷりと店舗勤務であったから、自店内での関わりがほとんどであった。
稀に本部スタッフが来ても各チーフと打ち合わせして帰る。
店長の私と詳細な話をする機会は少なかった。
しかし、この立場になり、じっくりと本部スタッフと話す機会が増加した。
また、他店への応援もあり、そこでの店舗スタッフや同時に他店から援助に来る店舗幹部との会話も増加したのである。
そこでの会話。
彼らは一様に、「現場に戻りたい」。
または、「現場責任者に戻りたい」。
よく、そんな言葉を聞く。
いずれも、かっては販売力のある現場チーフとして私の元で活躍したメンバーである。
現場での活躍が評価されて、現場はバイヤーであり副店長、店長等に昇格した実力者たちであるが、現場から一歩引いた存在として現在の職位に異動してみると、従来のチーフ時代には見えなかった売場作りが視野の広がりとともに見えてきたのだろう。
よくある話ではある。
私もよくそう思ったものだ。
しかし、かっての現場には戻れない。
一歩引いた存在として現場から離れ、より広い視野でもう一度自分の出身部門の売場を眺め直すと、より深い売場作りや商品化が見えてくるのだ。
なぜか?。
どっぷりと浸かった現場から一歩引いた視点で売場を見ることができるからだろう。
そうすると何が変わるのか?。
お客様の来店動機がよく見えてくるから。
来店動機とは?。
このお店に来店される本当の目的が、職位の変化から見えるようになるから。
本当の目的とは?。
店舗全体の来店動機から見た自部門の来店動機を見る視点に切り替わるから。
そのような視点に立ち返ると、店舗全体の中でも自部門を見た時に大切な要素であったり具体的な強化カテゴリーや強化すべき商品化が浮き出てくるのがわかるのである。
“俺だったらもっとこうするんだがなぁ〜”
実際に自分が離れた売場を見ると、このように見えてくるのである。
現場にどっぷり浸かっていた頃には絶対に見えなかった感度。
この感度を、一歩引いた視点で見ると、見えてくるのである。
今までは、目先の現実に囚われてやれることだけしか出来なかったが、一歩引いてみると、やるべき事が見えてくるのである。
「やれること」から「やるべきこと」への視点の転換。
これが何よりも大切。
その視点を与えてくれたのが、職位の変化。
だから、職位が変わるということは、売場を見る視点が変わるということであり、この視点を得られない限りはその職位にふさわしい能力になっていないということを自覚しなければならないのだ。
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コメント
かわらいさん、コメントありがとうございます。
目の前に、お客様と商品と数値結果が即見えて来る現場は、やったぶんだけ即、数値反応がありますからやることが明確ですよね。
逆に、引いた立場というのは自分で商品とお客様に直接アプローチできない分歯がゆさも出てきますね。引いた立場になった途端にアプローチを部下や現場の人に向かわせ、じっくりと数値効果を求めなければ結果は残りません。難しいところです。
投稿: てっちゃん | 2016年3月13日 (日) 23時15分
今の立場になり2年が過ぎましたが未だ暗中模索の日々です。店長の立場の方が迷いなくできていたような?(笑)戻りたいですね。
投稿: かわらい | 2016年3月13日 (日) 22時57分
パセリさん、コメントありがとうございます。
不思議なものですね。
自分が部門チーフの頃は自分の枠組みの中で最大限の努力と結果を残したつもりが、今思うとそれは全体最適では無かった。むしろ全体的に見れば足を引っ張る結果でもあったということを店長という店舗全体を見渡す立場になって初めて思い知らされる。
だから皆引いた立場からもう一度元に戻りたいと願うのでしょうね。しかしそれはもう出来ない。出来ることは、更に店長という立場から一歩引いて企業全体を見渡すことでしょうか。
投稿: てっちゃん | 2016年3月12日 (土) 08時40分
私も、以前は、チーフにもどりたいと、思った時期がありました。
店長を経験した今だからこその、理想のチーフが見えたような気がしたからです。
チーフの頃は、思いもよらないことでした。
店長の言うことは、素直に聞く…
今なら、素直に聞けるような気がします!
投稿: パセリ | 2016年3月11日 (金) 16時47分
dadamaさん、コメントありがとうございます。
お互いに一歩引いた立場になって改めて売場や現場を見れる立場を有効に活用したいですね。
現場でん効率と効果。難しい両立をどう調整していくか。しかしこれも現場で鍛えられない限り切り込めない問題だと思うのです。
投稿: てっちゃん | 2016年3月10日 (木) 07時13分
部門担当者は部門での最大効果を考える。店長は店舗の最大効果を考える。本来は同じ目的の筈なのですが過程の中では良くも悪くもエゴが出てお客様目線での最適な売場が見えてこない。更には本部と店の確執(笑)。私も人生最終コーナーで本部目線の立場となりましたが、現場で育ててもらった恩義を忘れずに現場に信頼される・喜ばれる本部担当でありたいと思います。更には店長には自分の店を守る最高責任者として商品要望をどんどん投げかけてくれる自身と勇気を持ってもらいたいしその仕組みを構築するのが私の直近の課題だと感じています。
投稿: dadama | 2016年3月 9日 (水) 22時25分