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2016年3月12日 (土)

フリーな売場

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


スーパーの売場には、定番売場と定番以外の売場とがある。

  並ぶ商品が決まっている売場と決まっていない売場。

定番売場は、通常棚板や多段冷蔵ケースに品名カードが貼り付けられて、品名カードに記載された商品がいつも同じ場所で販売されている売場のこと。

  この売場がいつも一定であるからお客様には分かりやすい。

欲しい商品がいつもの場所に並んでいる。

  買い物の基本はこれが前提。

そして、我々スーパー関係者もこのことによって、発注陳列がスムーズに進められる。

  そしてもう一つの売場が、フリースペース。

その売場には品名カードが無く、何を陳列するか決まっていない売場。
しかし、その売場でも2通りの分け方がされている。

  一つは、全く何も決まっていないフリースペース。
  二つは、陳列する商品群は決まっているスペース。

二つめのスペースでは、主に、丸魚やお刺身類が陳列されているスペースだが、日々の魚種によって変化し、更にその魚種を使用したお造りやお刺身の変化で日々、微妙に変化する売場の事である。

  何も決まっていないフリースペースはある程度の熟練を要する。

それは、販売計画から単品計画、更にはそこで製造する商品のSKUも含めて全くの自由でありフリースペースであるということだ。

  フリーだから何をやってもいい。

しかし、何をやっても良い、と言われると悩むのが人間である。

  “さて、何を売ろうか?”

概ねは、本部からの平台計画情報が毎週店舗に届くのでそれを参考にしたり、特売が決まっているのでそれを参考に単品量販する商品を中心に計画を組んだりする。

少し熟練してくると、それらの情報以外にも自分なりに地域性や季節性を考えて、見落とされていた商品を計画する担当者もいたりする。

更に店舗としての熟練が進むと、部門合同のメニュー提案の売場が出現する。
このように、フリースペースとは熟練度によって進化していく売場であり、それは担当者や店長を中心とした販売者を熟練させてくれる教育のツールでもあるのだ。

  このスペースがあることによって、我々は考えるのである。

旬であり季節であり祭事でありイベントであり地域性でありを考えるのである。
そして、更には自分なりに何も情報の無いところから情報を得て仮説を立てて売場を作ってみるのである。

  その仮説が正しかったのかどうかをフリースぺースで検証する。

検証するというよりも、この売場で試してみるのである。
そして、自分の立てた計画がお客様に支持されたのかどうかで、一喜一憂する。

  これが商売の面白さの基本中の基本である。

だから、我々は店長からパートさんに至るまで、このフリースペースを利用して商売の楽しさを満喫し、商売感を育成させ、そして店舗内のコミュニケーションを取っているのである。

  ただし、ここまでいくのには時間を要するのも事実。

だから、その時間を無駄と考えてフリースペースを極力省いていこうとする方向に進む企業と逆にフリースペースを拡大していこうとする企業とに分かれているように思う。

  それは、企業の成長段階にも大きく関与しているのかもしれない。

企業の始まりは専門の職人が売場を作っていたから定番コーナーなどいらなかった。
しかし、企業がチェーン化していく過程で、専門技術の熟練度の少ない担当者がチェーン化によって増えてくると、企業として決められた定番コーナーの存在が企業レベルを一定にしてお客様にもわかりやすい売場を作りやすいメリットが高まってくる。

  そうやって企業は成長してきたのである。

しかし、定番化を推進していく過程で、熟練技術者がどんどん少なくなっていくデメリットも生じてきた。

  売場から考えることを奪っていったデメリットが大きな課題となってきたのだ。

大きな組織ほど、このデメリットが企業の存続にも影響するほどの問題として浮き上がってきたのが昨今。

  個店経営の推進。
  フリースペースの拡大。
  地場商品の再開発。

等、もう一度、個店を強くする戦略、競争力を強化する戦略を取り始めたのである。
そして、それがとりもなおさず働く従業員のやりがいや商売の楽しさにも通ずることを再認識したのであろう。

  現場の店舗ではこの方向性をどう取り入れていくか。

フリースペースで商売の技術とやりがいを学んでいく。
そんなスタンスも持ち合わせていきたいものである。





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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
売る気はわかりますが、日々変える部分と日々変わらない部分のバランスは重要でしょうか。
ただ、また元に戻せればいいのですが(笑)。

投稿: てっちゃん | 2016年3月17日 (木) 00時01分

定番売り場でも構わずフリースペースと化してしまう当社です。(笑)売る気があるのはいい事ですが。

投稿: かわらい | 2016年3月16日 (水) 22時28分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
どれほどフリースペースが広がったとはいえ、まだまだ売上の3割程度でしょうか。それでもフリースペースの企画と売上は現場を元気にさせてくれるもの。
この個店対応スペースを個店はもっと活用すべきだと思うのです。

投稿: てっちゃん | 2016年3月12日 (土) 22時10分

個店経営の推進。フリースペースの拡大。 地場商品の再開発。その通りの事が当社に起きています(笑)。個店経営と地場商品開発の実験の切り込み隊長を命ぜられ、前任の職場のフリースペース拡大も決まりました(笑)。てっちゃんのコメントに当社もまだ捨てたものじゃないかも(笑)。当社の地位では人間力と現場力を武器にしないと勝ち残れないと思いますし会社もその気になったのでしょう。

投稿: dadama | 2016年3月12日 (土) 20時27分

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