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2016年3月11日 (金)

5年の歳月

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


本日は、3月11日。

  “あれから、もう5年かぁ〜”

東日本大震災から5年。

  その時私は、今までの経験から、とっさに酒売場に走った。

地震で一番甚大な被害を被るのが「酒売場」だということを、従来の経験で何度も経験していたからだ。

かなりの揺れではあったが、私が必死に抑えた効果もあり、酒は一本も落下せずに収まった(嘘です笑)。

  逆に、食品売場の醤油やつゆが数本落下して割れていた。

この店舗でこれほどの地震と被害は経験が無かった。
しかし、その処理をしてその後の余震もなく、私は避難させていたお客様を即店内に招いて営業を再開した。

  その後、本部に電話をして事の詳細を電話したが通じなかった。

幸いにも、この店舗が立地している地域はしっかりした岩盤に守られ、震災の被害は最小限に食い止められたようだ。

  その後、テレビ等で事の重大さを知ることとなった。

当社でも被害の深刻さが徐々にわかってきた。

  東日本大震災。

我々小売業に携わる人間達は、この震災により大なり小なりの影響を受け、様々な経験をした。
私の知るスーパー関係者や店長仲間でも、様々な経験をしている。

  店舗屋上で一晩お客様と過ごした店長。
  原発付近の店舗で閉店を経験した店長。
  停電により手打ちでレジ精算した店長。

その被害は様々だったが、この経験から、自分の仕事の本質を改めて知ることとなったのは確かだ。

  自分たちの本来の使命とは何か。

当たり前に食材が手に入る時代。
現代はどちかかといえば、供給過剰な時代でもある。

  しかし震災等により状況が一変してしまったら。

我々本来の仕事とは、人々に生きる為の食材を提供する使命であることを知ったのである。

今までも、大なり小なりの地震やその他のアクシデントは数多く経験してきたのだが、多くのお客様が食料品を定価で買いだめする場面に遭遇したのは初めてである。

  従来は如何に自分の商品を選んでいただくかという競争。
  当時は如何に多くのお客様に商品を供給することが課題。

そして、その事でお客様が本当に喜んでくれる事を知った。
それは、私の店舗のように比較的被害が少ない店舗でも、遠距離から買い物に来てくださったお客様の笑顔を見る事が出来たし、その事で当時のアルバイトだった学生が、当社を就職先に選んでくれた事でも、当時の従業員の感動が伝わってくるものである。

  これが、被災地に近い店舗であったなら。

更に、この問題に奥底から直面し、それこそ店舗自体が生きる為の存在になり得た状況であったろう。

  「屋上に水面が迫ってきた時の恐怖は筆舌に尽くしがたい。」

屋上でお客様と一晩過ごした友人の店長は、当時の事をそう語った。

  そして、あれから5年。

毎年、この時に想う事は、この商売の意味と我々の使命。
この世から食料品が消えてしまったら、人間の存在自体が消滅する。
普段は誰もそんな事を思って、この商売をしているものはいない。

  しかし、この日が来るとそれを思い出す。

いや、思い出さなくてはいけないのだろう。

そして、安心してお客様に商売が出来る平和な時代を感謝しなくてはならない。
更に、いざという時の我々の使命とは?、という問いに明確な回答を与えてくれた震災の意義。

  我々小売業に携わる人間達が基本に立ち返る日。

私は、そう認識していきたいと思っている。










  

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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
お客様に感謝される存在を改めて実感した当時。逆にそのことで正しい商売を見直したという経験。商品と現金の交換だけでなく、借りたら返す、貸したら返ってくるという心のやり取りを学んだ時でもありましたね。

投稿: てっちゃん | 2016年3月15日 (火) 08時54分

私のいた店舗ではお酒が全滅しました。電気ガスは2日間、水道は3日間止まっただけで地域の生活はマヒしました。2日目に店舗の一部を使って開店したときは整然と並んで頂いて買い物後にはありがとうの言葉もたくさんいただきました。まさに使命を実感した経験でしたね。

投稿: かわらい | 2016年3月14日 (月) 21時59分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
この日は、多くの地域で交通網が断絶し、信号が止まり、そして大きな被害に遭いながらどこにも連絡が取れないという状況に見舞われた地域が数多くあります。
もし、自分がその立場だったなら、どんな行動が取れただろうか?。この日以来、このことが常に頭の片隅が残っています。

投稿: てっちゃん | 2016年3月12日 (土) 08時44分

当地でも周期の長い殺気立つ地震の到来を鮮明に思い出します。店内放送でお客様に何回も情報を流しました。商圏内には自衛隊の駐屯地もあり、支援要請を受け、飲料・カップ麺を優先的に販売もしました。もし自分が当事者だったらイザと言う時お客様・従業員を安心安全に避難誘導出来るのか?店長の立場の重さを再認識する節目の日ですね。

投稿: dadama | 2016年3月11日 (金) 20時11分

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