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2015年12月19日 (土)

組織教育の真髄

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


失敗をさせない教育。

  現代では当たり前の教育方法のように思える。

しかし、自分のこれまでの経験から考えても、失敗から学ぶ真理が如何に多いか。

  成功からよりも失敗からより多くを学び自分を成長させてきた。

それが、真実だと思う。
そうか考えると、組織内でも自らも部下へも失敗を奨励して挑戦させた方が後々のことを考えるとメリットは高いと思われる。

  しかし、なかなか挑戦して失敗したがらない。

それは、小さい頃から失敗による注意や戒めを見てきていることもあり、失敗するかもしれないという恐怖心が挑戦心を上回ってしまったことによるのだろう。

  組織内での教育を考えてみたい。

どの組織も、強い組織を目指して従業員教育を試みる。
そして、成功することを前提とした教育プログラムが用意され、その集大成としてのマニュアル教育が個人教育のメインとなっている。

  全くの素人が短時間で一通りの業務を遂行できるテキスト。

それが、マニュアルである。
それは、一通りの業務を遂行できる能力を養うのに一番短時間でマスターするためには必要なテキストである事は間違いない。

  しかし問題はそこから先だ。

より失敗しないために、基本から個々の枝葉に至るまでマニュアルを設定しようとすると必ず失敗する。
それは、枝葉とはその場その場の状況に応じて対応の仕方ややり方が微妙に違うから枝葉となり応用として位置付けられているにも関わらず、その一つ一つをマニュアル化しようとすると膨大なものになってしまうということだ。

そして、そのマニュアルを忠実に遂行しようとすると、そこから先は人間は考えなくなっていく。

  自ら考えて実行していかなくなるということ。

人間は、自ら考えて行動し、失敗成功しながら成長していくもの。
それは、個人も組織も同じである。

  要は、組織として失敗できる余地を残しておくことも必要だということだ。

それな、長い目で見れば必ず個人と組織の成長に結びつくということだ。
そして、同じく長い目で見た時に、失敗できる環境を有した組織の方が働きがいが高いという事でもある。

  自ら考えて自ら行動して自ら成功失敗を体験できる。

それは人間が人間らしく生きていく本来の姿である。
それは、やりがいであり生きがいでもある。

  そして、我々小売業とは一人一人それを実体験できる仕事である。

そんな環境の整った我々のスーパーマーケットの仕事。
だから、基本と応用を分けた部分での、個店個店の違いや個人個人の違いの部分に関しては、都度都度現場の担当者のその場その場の状況に応じた変化や違いからの商売の違いを積極的に認めて、挑戦させる風土が強い組織を作っていくのではないかと考える。

  それがたとえ失敗しても組織的には必ず強みとして活かされるだろう。

そして、自分を振り返ってみると。

  失敗させなさ過ぎたのではないか。

そんな風に振り返っている。

  もっと、部下の失敗を引き出させれば良かった。

部下の失敗。

  それを誰よりも痛切に痛みを覚えるのは、本人だ。

だから、その痛みが重い分、本人が次に繋げようとするのであろう。
しかし、だからと言ってどの方向に進むかという、リーダーとしての方向性を示すという役割はしっかりと演じなければならない。

  リーダーとしての方向性。

そして、その方向に向かって具体化し行動する部下。
その具体的行動の中での成功や失敗。

  それが、自らの成長を生み、その集大成としての組織強化。

敢えて、部下に失敗をさせる。
難しいが、それが本当のリーダーの役割ではないかと思うようになってきた。






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コメント

かわらいさん、コメントありがとうございます。
従来は担当者〜部門責任者〜副店長〜店長の過程をしっかり時間をかけて成長してきた経緯があります。現代は人材不足もあり、その過程を短縮しなければならないのが現状。更に1日の労働時間も以前よりも短縮傾向にあるから更に店長としての必要事項を学ぶ時間は短くなってしまっている。企業としての明確な店長像の明文化もある程度は必要になってくるのかもしれませんね。

投稿: てっちゃん | 2015年12月23日 (水) 06時36分

失敗をさせると言うことは結局、仕事をまかせることと同義だと思います。日々の作業の一つ一つもさることながら、ここまで出来れば店長をまかせる。といった基準が確立出来ていない為、期せずして大失敗をさせてしまうことも多々あります。1度の失敗で嫌になってしまはない様にフォロー出来ればと思います。

投稿: かわらい | 2015年12月22日 (火) 23時49分

神出鬼没さん、コメントありがとうございます。
ベテランの我々が思う冒険の販売数量と入社わずか数年の若手のそれとは大きな隔たりがあるのでしょうね。
普段1ケースしか発注していない商品を10ケース発注して売るという、計画の根拠とその数量が入荷した時の売場作りと仕掛けからの本当に10ケース販売できたという経験。そこで本人が感じた商売の面白さと奥深さ。そこを同じ体験を通して伝えていく。そこを目にしないとなかなか動けないのは、我々も同様だったような気がします。

投稿: てっちゃん | 2015年12月22日 (火) 09時16分

「責任は自分がとるから思うようにやってごらん」

部下には事あるごとにこの言葉を伝えるのですが、
中々、大冒険をやってくれる部下は少ないです(笑)
顔色を伺っているのでしょうか(^^;;

そこで私は自らが挑戦する姿を見せないと
いけないなと思い、敢えて高いお題目を掲げて
しくじり先生を演じさせていただきました(*_*)
もちろんそのような行動に至った状況、根拠、
大人の事情を説明した上でですが(笑)

不器用な私はピエロになったり皇帝を演じたりと
多重人格をしておりますが、基本、イケイケで
周りを活かした采配を振るえるように
いつかなりたいものです。

投稿: 神出鬼没 | 2015年12月20日 (日) 22時58分

dadamaさん、コメントありがとうございます。
部下には、守りの失敗よりも攻めの失敗をどんどん学ばせたいですね。
攻めるとい行為からの学びの方が絶対に力になるし、おっしゃる通りに攻めの姿勢が最大の防御でもあるという原理原則がこの業界の鉄則のような気がします。

投稿: てっちゃん | 2015年12月20日 (日) 00時15分

失敗させる勇気、私もこの歳になって少し持てるようになりました。余命僅かな店長の特権かも知れませんね。もちろん自分の想いも担当者と共有させねばなりませんが。私も現店舗に所属して一年余が過ぎ自分との壁との闘いが始まりました。商売はやはり「攻め」の精神を忘れてはならないと思います。

投稿: dadama | 2015年12月19日 (土) 22時07分

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